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医療

日本の臓器移植の現状をかんたんに

日本では,臓器移植は,いわゆる臓器移植法(臓器の移植に関する法律:平成9年法律第104号) に基いて行われています.

臓器移植法は,平成22年7月17日に改正法(平成21年法律第83号)が施行されました.

以後,本人の意思が不明な場合でも家族の承諾があれば臓器提供できるようになりました.

改正法の施行後,これまでに合計で502名の脳死者からの臓器提供が行われています(うち,家族の承諾による提供は394名).

最近の平成30年度では,70 名の脳死者からの臓器提供が行われました.

この臓器提供ですが,上記のように,本人の意思が不明な場合でも家族の承諾があれば臓器提供できるようになったということで…

『もしもの時に家族が判断に迷わないために,あらかじめ家族と臓器提供についての意思を話し合っておくことが大切』 と言われています.

家族間で,真剣な話し合いがしにくいテーマかもしれませんが,話し合っておくにこしたことはありません.

もしも機会があれば,みなさんもご家庭で話し合ってみてはいかがでしょうか.

意思表示

ご存知の方もいるかもしれませんが,意思表示に際しては,「臓器提供意思表示カード」を持っておくことが薦められています.

 

また, 医療保険証や運転免許証,マイナンバーカー ドに,臓器提供に関する意思を表示しておくことも薦められていますね. 

ところで,日本における臓器移植は,件数がとても少ないです. 諸外国と比べると,より一層,少なさが分かるでしょう.

世界の年間移植件数 上位5カ国と、韓国、日本(人口100万人あたり:2016年)
世界の年間移植件数 上位5カ国と、韓国、日本(人口100万人あたり:2016年)

 

理由はさまざまあるようですが,臓器移植制度の周知・認知不足ということも,理由のひとつとして挙げられるのかもしれません.

厚労省は,平成16年度より毎年,中学三年生向けのパンフレットを作成し,全国の中学校へ配布しています.

この取り組みだけでは,なかなか若い人が臓器移植を真剣に考えることは難しいかもしれませんが, これからもっと,臓器移植制度の認知と理解が広がってくれるといいなぁと思うところです.