抗真菌薬の使い方

病原真菌は顕微鏡的な形態から円形・類円形の酵母(カンジダ属など)、分岐性フィラメント状の糸状菌(アスペルギルス属など)、両者の性質を併せもつ二形性菌(ヒストプラズマなどの地域流行性真菌)に分けられる。

皮膚カンジダ症や口腔カンジダ症などの表在性真菌症は、抗真菌薬の局所投与で治療が可能(口腔カンジダ症は宿主の免疫状態などに応じてフルコナゾールなどの全身投与)。

侵襲性真菌症(血流や深部臓器に生じた真菌感染症)は、抗真菌薬の全身投与の適応となる。

カンジダ

カンジダは、血管内カテーテル関連の血流感染症が最も多い。ほかに、眼内炎(発見・治療が遅れると失明に至る場合がある)、感染性心内膜炎,肝脾カンジダ症など。

アスペルギルス

アスペルギルスが侵襲性感染症を起こす臓器は主に肺である。

副鼻腔、中枢神経の場合もある。

侵襲性アスペルギルス症は、宿主に高度の免疫不全があると発症する。

抗真菌薬

抗真菌薬は大きく分けると、ポリエン系薬(リポソーマルアムホテリシンB)、アゾール系薬(フルコナゾール、ボリコナゾールなど)、キャンディン系薬(ミカファンギン[ファンガード]、カスポファンギン[カンサイダス])、フルシトシンに分けられる。

キャンディン系薬

ミカファンギン[ファンガード]や、カスポファンギン[カンサイダス]がある。

主に肝臓で代謝されるため腎機能低下時の用量調整は不要。

経験的治療の第一選択薬となる。

ただし、眼内移行性が不良。ゆえに眼内炎(特に硝子体炎)が無いことの確認が重要。

副作用として、薬剤性肝障害などを生じることがある。

またカスポファンギンにはCYPを介した免疫抑制薬、抗けいれん薬などとの相互作用があり注意が必要であると言われる。

アゾール系薬

フルコナゾール(Fulconazole:FLCZ)耐’は臓器移行性が良好(眼内移行性もよい)で、内服での吸収がよく静注薬とほぼ同等の効果が得られる。ただし、カンジダ属の一部には感受性がない菌種がある。なお、Candida glabrataのフルコナゾール感受性は、CLSIでは、SDD(susceptible dose dependent)とR(resistant)に分類されている。副作用には、嘔気や肝障害、血液毒性がある。抗不整脈薬や降圧薬、脂質異常症薬などとの相互作用がある点に注意。

ボリコナゾールは、侵襲性アスペルギルス症の第一選択薬。侵襲性カンジダ症に
ついては、キャンディン系薬やフルコナゾールが使えない場合に使用される場合がある。経口吸収が良好。静注投与はトラフ値の測定が必要(血中濃度モニタリング)。副作用には肝障害、幻覚、視野障害、嘔気などがある。添付文書では、Ccr
30mL/分未満で静注投与は原則禁忌。