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時計遺伝子が寿命を左右する!?

生体の日内リズムと時計遺伝子


ヒトの血圧・心拍・体温・ホルモン分泌・睡眠などには、1日の中にリズムがあります。

この生体の日内リズムは、主に、脳の「視交叉上核」と呼ばれるペースメーカーによって制御されています。

一方で、近年の研究により、日内リズムは、実は、組織レベルや細胞レベルでも制御されていることが指摘されています。

その因子として注目されているのが、時計遺伝子です(ヒトの時計遺伝子としてはPERやCRYなどが知られています)。

ちなみに、マウスを使った動物実験では、血管細胞の時計遺伝子の発現機能を失ったマウスは、血圧や心拍数の日内変動リズムが消失したとの報告があります。

細胞の老化と時計遺伝子

近年の研究は、細胞の老化により、時計遺伝子の発現の日内リズムが障害される可能性を指摘しています。

時計遺伝子の発現リズムの狂いは、生体の日内リズムにも影響を及ぼし、結果として、さまざまな疾患の発症につながります。

老化にともなって循環器系疾患が増えていくのは、日内変動リズムの乱れが影響している可能性があります。

今後の研究により、いったん障害された時計遺伝子の機能を、回復させるような薬剤による治療方法が生まれるかもしれません。