近年、PCR装置の普及により、CD毒素の迅速診断検査(イムノクロマト法)で抗原陽性、毒素陰性となったときに、NAAT(PCR検査)をする施設が増えました。
NATT陽性の場合、ただちに、CDIと診断できるわけではないことに注意が必要です。
なぜなら、健常人にも、CDは保菌されていることがあるからです。だいたい2~15%の健常者が、CDを保菌していると言われています。
したがって、NATT陽性の場合、少量の毒素産生株の定着である可能性も考慮に入れて診断する必要があります。
*参考
クロストリディオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル: Clostridioides(Clostridium) difficile関連下痢症(CDAD)
文献:『CDI の検査・診断・予防・治療』対象患者の考え方と新規薬剤による今後の展望 中村敦 名古屋市立大学大学院医学研究科 病院教授/名古屋市立大学病院 感染制御室室長(感染対策 ICT ジャーナル Vol.14 No.1 2019)