商品市場では、現物受け渡しまでの期間が短いものの価格よりも、現物受け渡しまでの期間が長いものの価格の方が高い状態を「コンタンゴ」と呼びます。
反対に、現物受け渡しまでの期間が短いものの価格よりも、現物受け渡しまでの期間が長いものの価格の方が低い状態を「バックワーデーション」と呼びます。
プラチナ価格のバックワーデーション
さて、このごろのプラチナの価格を見てみると、先物価格のほうが安くなっている現象が見られます。
すなわちバックワーデーションです。
過去を振り返ると、2000年くらいから数年間、バックワーデーションの状態が継続していました。
このころ、プラチナの価格は、大きく上昇してきていましたが、その後のリーマンショックを境に、プラチナ価格は大きく下落しました。
その後、上記の月足のチャートでは、二回、バックワーデーションの時期があり(それらは一時的でしたが)、そして現在、再びバックワーデーションが発生しています。
バックワーデーションの理由
調べたところによると、バックワーデーション、プラチナの現物の保有にメリットがあるために発生しています。
プラチナの現物の供給が少なくなり、しかも利用可能な在庫が少ないということです。
たしかに、NYMEXのプラチナ在庫を調べてみると、11月10日に、152,329トロイオンスと、減少傾向です。
プラチナの価格について
最近は、米国の金利の上昇がピークアウトするという見方が広まり、それにより、米国債の金利低下が起こり、貴金属の価格の上昇が見られています。
中でも、プラチナについては、他の貴金属よりも上昇の強さが目立ちます。
この背景に、バックワーデーションがあるという話があります。
プラチナの先物市場(先渡し市場)では、売りポジションを保有している市場参加者は、納会日までにプラチナの現物を調達するか、あるいは、反対売買(買い戻し)などをしなければなりません。
現物の供給が少ない現状場では、反対売買をせざるを得ないため、結果的に価格の上昇につながってくるというわけです。