チャートはなぜ必要か
仮想通貨の売買の判断に使う情報には、たとえば、発行枚数やインフレ率などの数値的な分析データや、通貨の性能や開発チームの技術力といった質的な分析データがあります。
このように、仮想通貨の本来的な価値を測る分析手法を、ファンダメンタルズ分析といいます。
ファンダメンタルズ分析によって導き出した価格が、現在の価格よりも高ければ、その通貨は「買い」ということになり、安ければ「売り」ということになります。
すぐ買っていいわけではない
仮にファンダメンタルズ分析の結果、「投資価値あり」と判断しても、すぐに買っていいとは限りません。
なぜなら、仮想通貨の本来的な価値が、需給のすべてに影響を与えるわけではないからです。
たとえば、ある仮想通貨について『割安だ!』と判断したとします。
ところが、何らかの理由で『大量に売りたい!!』という人が出現したら、その売りを上回る買いが出るまで、その通貨の価格は下がり続けることになります。
価格が下がれば、もっと割安で買えるので、「その時点では買わない」というのが得策ということになります。
また、『割安だ!』という自分の判断が、全体の中では少数派の場合もありえます。
その場合、その仮想通貨の価格は上がりにくくなります。
さらに、仮想通貨の本来的な価格を見積もること自体が難しいという問題もあります。
たとえば、ビットコインの本来的な価格は、いくらになるのでしょう。
1枚あたり「10万円」という人もいれば「1000万円」という人もいます。
…つまり、ファンダメンタルズ分析だけでは、売買の具体的な指針に欠けるのです。
テクニカル分析は指針になる
ここで力を貸してくれるのが、テクニカル分析です。
テクニカル分析の中核をなすのが、チャートです。
チャートは、先行きの需要と供給の方向性を予測するのに役立ちます。
すなわち、上昇や下降のトレンドを捉えることに役立ちます。
あるいは、トレンドがないこと(トレンドレス)を捉えることにも役立つでしょう。
それは、トレンドに「乗る」,「逆らう」など、自分がこの先どう売買すればよいか、具体的な指針を与えてくれます。
その意味で、取引をするうえで、チャートは必要不可欠といえるでしょう。