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ベーチェット病の病態,診断,治療

ベーチェット病(腸管Behcet:Intestinal Behcet Disease)の病態、診断、治療について解説します。

病態

下痢、腹痛、血便、発熱、倦怠感などがあります。

さらに、口腔内アフタ、眼症状、皮膚症状、外陰部潰瘍、回盲部の潰瘍、消化管全体にわたるアフタや潰瘍などを伴います。

腸管Behcetに特異的な組織所見はないと言われており、他疾患との見分けが重要です。

診断

血液検査

腸管Behcetでは,HLA-B51が陽性となる頻度が高いです。

血清IgD、IgAの増加や、好中球機能の亢進なども見られます。

X線・内視鏡検査

回盲部に深い円形潰瘍を認めます。また、消化管全体にアフタや潰瘍が多発することもあります。一般には、萎縮瘢痕帯は認めません。

なお、眼科的検査が診断に有効な場合もあります。

鑑別すべき疾患は、Crohn病、潰瘍性大腸炎、虚血性大腸炎などです。

治療

急性期は、腸管安静、高カロリー輸液あるいは経腸栄養を行います。

病状の進行に合わせ、プレドニゾロン、サラゾスルファピリジン、メサラジンなどの投与を適切に行います。

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腸結核の病態,検査,診断,治療

腸結核(Intestinal Tuberculosis)の病態、検査、診断、治療について解説します。

病態

下痢、腹痛、血便、発熱、体重減少、腹部膨満、倦怠感、悪心・嘔吐、食欲不振などの症状を呈します。

肺病変の存在により呼吸器症状をきたすこともあります。

なお、回盲部に潰瘍が多発します。特に、輪状潰瘍が特徴的で、治癒期には、萎縮瘢痕帯と呼ばれる変形をきたします。

診断

腸結核では、生検標本の塗抹、培養、PCR法で結核菌を証明することで診断します。

また、組織学的には、乾酪性肉芽腫を認めることで診断が確定します。

検査

1 X線・内視鏡検査

回盲部に輪状潰瘍、帯状潰瘍、地図状潰瘍などを認めます。治癒期には、偽ポリポーシスや偽憩室を伴った萎縮瘢痕帯を形成し、回盲弁は開大します。

2 塗抹検査

病変部の生検組織を用いて、Ziehl-Neelsen法や蛍光法による抗酸菌塗抹染色をします。

3 培養検査・PCR法

病変部の生検組織を用いて培養します。なお、便からの培養は陽性率が低いので勧められません。判定まで数週間かかります。また、PCR法により結核菌遺伝子を検出します。

4 組織検査

病変部の組織に、乾酪性肉芽腫が証明されれば診断は確定します。

治療

腸結核と診断されれば、結核療養所にて治療します。

抗結核療法である、3剤併用療法(イソニアジド,リファンピシン,ストレプトマイシンあるいはエタンブトール)を行います。

腸結核では1週間で症状が改善し、3~4週間でほぼ消失します。

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フレイル,プレフレイルの違いとは?

フレイルの概念

ヒトは歳をとるにつれて、いろいろな臓器の機能が衰え、ちょっとした感染症や事故、手術などにより介護が必要な状態になりやすくなります。

このような状態は、これまでは「虚弱」と呼ばれていましたが、現在は、それに代えて「フレイル」という言葉が使われています。

「フレイル」はアメリカを中心に老年医学で近年注目されている概念の「frailty」または「frail」を日本に導入するときに生み出された言葉です。

フレイルは、高齢期で介護が必要となる前の段階(健常と要介護の中間の状態)を表します。

要介護状態と違うのは、フレイルは、栄養や運動などによって、再び健常な状態に戻れることが特徴です。

日本においては、「加齢とともに心身の活力(筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態」などと定義されつつあります。

フレイルの指標

フレイルの指標については、世界的に統一されておらず、さまざまな評価方法が提唱されています。

たとえば、最もよく使われているFriedらによる指標では、⑴体重減少、⑵疲労感、⑶歩行速度低下、⑷筋力低下、⑸活動性低下で定義され、3項目以上に当てはまる場合を「フレイル」、2項目当てはまる場合は「プレフレイル」と呼びます。

このフレイル指標はCHS指標(Cardiovas- cular Health Study)と呼ばれます。

ほかに、CHSの指標よりも簡便な指標として、3項目のSOF指標(Study of Osteoporotic Fractures)や、5項目の質問のみからなるFRAIL scale(fatigue,resistance,ambulation,illnesses, and loss of weight)という指標も提唱されています。

広義のフレイルと指標

広義のフレイルは、上記の⑴から⑸の身体的な5つの特徴だけではなく、認知機能低下などの精神的フレイルや、社会ネットワークの減少などの社会的フレイルを含みます。

知機能障害、ADL、栄養、多剤併用、社会サポートの項目を含んでいる広義のフレイルの指標として、Edmonton Fral Scale, Frailty Indexes-based on a Comprehensive Geriatric Assessment(FI-CGA)、Multidimensional Prognostic Index (MPI)などが知られてます。