クレアチン、クレアチニンについて解説します。
クレアチン
クレアチンは、アルギニン、グリシンおよびメチオニンの三つのアミノ酸から合成され、肝臓で合成されます。
クレアチンは、血中から筋肉に取り込まれ、筋細胞内に取り込まれたクレアチンは、クレアチンキナーゼ(CKまたはCPK)により触媒され、クレアチンリン酸と平衡を保っています。
つまり、クレアチンは、ATPの供給に関係しています。
クレアチンの98%は筋肉に存在しています。
血中のクレアチンは、腎糸球体基底膜を通過し、尿細管に再吸収されます。その場合の腎閾値は0.6mg/dl程度です。
基準値は、男性で0.2~0.6mg/dl (15~46μmol/l)、女性で0.4~0.9mg/dl (31~69μmol/l)です。
クレアチンの異常
筋肉疾患、甲状腺機能亢進症などで増加し、肝障害などで減少します。
なお、クレアチン尿を呈する疾患として、進行性筋ジストロフィー症、多発性筋炎、皮膚筋炎などがあります。
クレアチニン
クレアチニンは、クレアチンリン酸またはクレアチンが非酵素的に脱水閉環されたものです。
腎糸球体で濾過されたあと、クレアチンとは異なり、尿細管では全く再吸収されませんので、尿中にそのまま排泄されます。
クレアチニンの異常
溶血、腎障害などで増加し、また、肝障害、筋疾患(筋肉萎縮を伴うもの)、尿崩症などでは減少します。
クレアチニン・クリアランス(creatinine clearance)
クレアチニンは糸球体基底膜を自由に通過し,血清クレアチニンが明らかな高値を示さない限り,尿細管からの再吸収も分泌もないと考えてよいので,糸球体濾過量を知ることができます。
血漿と尿のクレアチニンを定量することによって、内因性のクレアチニン・クリアランスを求めることができます。
正常成人では97~140ml/min(平均125ml/min)です。