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資金決済法の処分等と罰則

資金決済法に規定されている、処分等と罰則についてみてみましょう。

処分等

処分等には、行政関係で、立入検査等、業務改善命令、登録の取消し等、登録の抹消があります。

条文は、下記のようになっています。

(立入検査等)
第63条の15 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、仮想通貨交換業者に対し当該仮想通貨交換業者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該仮想通貨交換業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該仮想通貨交換業者から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この条において同じ。)に対し当該仮想通貨交換業者の業務若しくは財産の状況に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該仮想通貨交換業者から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該仮想通貨交換業者の業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前項の仮想通貨交換業者から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告若しくは資料の提出又は質問若しくは検査を拒むことができる。
(業務改善命令)
第63条の16 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、その必要の限度において、仮想通貨交換業者に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置その他監督上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録の取消し等)
第63条の17 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第六十三条の二の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めて仮想通貨交換業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第六十三条の五第一項各号に該当することとなったとき。
二 不正の手段により第六十三条の二の登録を受けたとき。
三 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
2 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業者の営業所の所在地を確知できないとき、又は仮想通貨交換業者を代表する取締役若しくは執行役(外国仮想通貨交換業者である仮想通貨交換業者にあっては、国内における代表者)の所在を確知できないときは、内閣府令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該仮想通貨交換業者から申出がないときは、当該仮想通貨交換業者の第六十三条の二の登録を取り消すことができる。
3 前項の規定による処分については、行政手続法第三章の規定は、適用しない。
(登録の抹消)
第63条の18 内閣総理大臣は、前条第一項若しくは第二項の規定により第六十三条の二の登録を取り消したとき、又は第六十三条の二十第二項の規定により第六十三条の二の登録がその効力を失ったときは、当該登録を抹消しなければならない。

内閣総理大臣

これらの条文で、ひとつ面白いのは、法文上、すべての行為に、内閣総理大臣が登場することです。

とはいえ、実際に動くのは金融庁長官以下の職員の方たちなのですが。

豆知識的ですが、その点について、実は、資金決済法には権限の委任についての規定があります。

(権限の委任)
第104条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。

「内閣総理大臣」→「金融庁長官」→「財務局長」or「財務支局長」というような委任の手順が規定されていますね。

罰則関係

罰則関係には、懲役や罰金があります。

条文は、下記のようになっています。

第107条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一~四 <省略>
五 第六十三条の二の登録を受けないで仮想通貨交換業を行った者
六 第六十三条の七の規定に違反して、他人に仮想通貨交換業を行わせた者
七 <省略>
八 <省略>
第108条
次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 <省略>
二 第六十三条の十一第一項の規定に違反した者
三 第六十三条の十七第一項の規定による仮想通貨交換業の全部又は一部の停止の命令に違反した者
四 <省略>

第107条は、内閣総理大臣の登録を受けてない者や、名義貸しをした者が、罰則を受けることを規定しています。

第108条は、金銭や仮想通貨の分別管理の義務に違反した者や、業務停止命令に違反した者が、罰則を受けることを規定しています。