免疫とは

免疫とは、「一度、ある病原微生物が原因で感染症になったら、同じ病原微生物に対する抵抗力が飛躍的に上がる(二度とその感染症にはかからない)」という現象のことをいいます。

免疫という言葉の由来

たとえば、麻疹(はしか)や水疱瘡(みずぼうそう)に一度かかったら、二度目はかからないことが多いです。

このような現象を確認し、一般化したのは、「免疫学の父」といわれるルイ・パスツールです。

彼はそれを「二度なし現象」と表現し、それが「免疫」という言葉の元来の意味です。

自然免疫と獲得免疫

私たちが接触する病原微生物は、おおまかに、「細菌」、「ウイルス」、「真菌(カビ)」、「寄生虫」に分類できます。

そして、それらの感染(体内への侵入・増殖)によって何らかの症状が出るのが、「感染症」と呼ばれる病気です。

感染の原因である病原体を排除するため、ヒトは、自然免疫(先天免疫)と、獲得免疫(後天免疫)の防御機構をもっています。

自然免疫

自然免疫は、ヒトがもともと備えている防御機構で、主につぎの因子が関与します。

・補体
・インターフェロン
・好中球
・マクロファージ

たとえば、皮膚に傷つき、そこから細菌が侵入してきた場合、皮下組織まで侵入してきた細菌は、マクロファージに食べられます。

細菌などの異物の侵入を察知したマクロファージは、他のマクロファージや、好中球を近くに呼び寄せる物質(ケモカイン=遊走因子)を放出します。

この非特異的な防御が自然免疫(自然抵抗性)と呼ばれます。

なお、マクロファージは体内の各組織に点在しているのに対し、好中球のほとんどは、血管中に存在するため、好中球が組織中に移動するためには、ケモカインの働きが重要になります。

獲得免疫

獲得免疫は、病原体に感染することにより、初めて獲得される免疫応答です。

獲得免疫は、さらに体液性免疫と細胞性免疫とに分類されます。

前者は「Bリンパ球」と「抗体」が、後者は「Tリンパ球」が中心的に関与します。

自然免疫と獲得免疫の違い

自然免疫(自然抵抗性)は、その感染をくり返しても、抵抗力が強くなるわけではありません。

これに対して、獲得免疫の特徴は、異物に対する反応が特異的・長期間に記憶され、同一の病原体に再度感染した場合に、素早く対応できる点です。