ビタミンCの不足状態が長期間つづくと寿命が短くなる可能性が指摘されている。
老化の原因のひとつに「活性酸素」が知られています。
ビタミンCは、この活性酸素を消去することができると言われています。
われわれヒトは、ビタミンCを体内でつくれないため、毎日の食事からビタミンCを摂取しています。
しかし、ビタミンCは水溶性のため尿から排泄されるため、体内から消失しやすいのです。
ビタミンCが欠乏すると、皮膚の乾燥、脱力感、うつ状態がみられるようになります。
ここで、ある動物実験の報告によると、通常のマウスは50%生存率が約24ヵ月であったのに対して、ビタミンCの少ないエサで飼育された特殊なマウスは50% 生存率がその4分の1の約6ヵ月であったと報告されています(なお、マウスの寿命が縮まった詳しいメカニズムは分かっていません)。
この実験からは、ビタミンCの長期的な不足がマウスの寿命を短くしたと言うことができます。
では、ビタミンCの欠乏状態がヒトで続いた場合、寿命が縮まるのでしょうか。
この点については、ヒトについての大規模な実験ができないため、現段階では明らかではありません。
ただし、ある研究によると、血中ビタミンC濃度が高い高齢者ほど、握力が強く、歩行速度が速いなど、筋力との関係があるとの報告がなされており、ビタミンCが健康に与える影響が指摘されています。
厚生労働省は、1日のビタミンCの摂取の推奨量を100mgと策定しています。
しかし、食事量が不足しがちな高齢者には、必要量を摂れていない者も多いようです。
ビタミンCの欠乏によって寿命を縮めないために、ヒト(特に高齢者)は、新鮮な野菜や果物を食べ、ビタミンCを十分に摂取するよう心がける必要があります。