カロリーが抑え気味のほうが健康を維持できることがヒトでの研究で証明されつつある。
古くから、カロリー制限をすることで、見た日を若く保ったり、運動機能を改善したり、老化関連疾患 (がん,心疾患,神経疾患,免疫疾患など)を抑制できると言われてきています。
とくに近年は、老化防止について、カ ロリーリストリクション(calorie restriction:CR)という概念が注目を集めています。
これは、栄養のバ ランスをとりながら、カロリーを制限することで、寿命が延びるというものです。
この研究は、1935年に、McCayらがマウスの摂取カロリーを抑えると寿命が長くなることを報告したことが始まりと言われています。
その後、ラットなどのいくつかの動物で、カロリー制限による延命効果が証明されています。
さらに、ウィスコンシン大学による、20年に及ぶサルの研究結果もそれを証明したと解釈されています。
この報告では、通常量のエサを与えられたサルが50パーセント生き残っていた時点で、カロリー制限していたサルは、80パーセント生き残っていました。
特に、糖尿病、がん、循環器疾患、脳の萎縮などの老化に伴う疾患の発生率が減少していたと報告されています。
現在では、ヒトについても、カロリーを抑え気味のほうが健康を維持できることが期待されており、そのことを示唆する研究はいくつか報告されています。
カロリー制限によるアンチエイジング研究は、世界的にも認められています。
アメリカの国立老化研究所(NIA)のデカボ博士らは、科学誌Cellの レビューに“The Search for Antiaging lnterventions: From Elixirs to Fasting Regimens ”というタイトルのもとにカロリーリストリクションを紹介しています。
カロリー制限による寿命の延びの詳しいメカニズムは解明中であり、どのようにメカニズムを利用して延命に繋げていくか、さまざまなアプローチが研究中です。
ヒトでの実験で証明される日が来るのか分かりませんが,それまでは,都市伝説のレベルとして捉えておけば良いと思います.
いずれにせよ,今後の研究の発展が楽しみな分野ですね.
ちなみに,仮に,この理論が正しく,カロリーを適切にコントロールするという考えが先進国に広まり実践者が増えていけば,先進国における食品の消費量が減り,結果として,食品の大量生産➡︎大量廃棄という現状に,少しはプラスの効果が期待できるかもしれないなぁ…なんて想像したりしますね.