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インスリン療法と自己注射

経口血糖降下薬を使用しても血糖コントロールが不十分になる糖尿病患者さんには、インスリン療法が行われます。

現在、糖尿病患者さんのインスリン分泌パターンや生活スタイルに合わせ、たくさんの種類のインスリン自己注射があります。

ここでは、インスリン製剤と、インスリン療法の実際について紹介します。

自己注射の種類

インスリン自己注射には、さまざまな種類があります。

ペンに組み込まれているタイプ (インスリンプレフィルド/キット製剤)

プレフィルド/キット製剤は、中に詰められているインスリン製剤がなくなったらそのまま廃棄します。

例)ノボラピッド注フレックスペン

通常、成人では、1回に2〜20単位を毎食直前に皮下注射します。

インスリン製剤のカートリッジ交換タイプ(インスリンカートリッジ製剤)

カートリッジ製剤は、 外側のペンは再利用して、自分でカートリッジのみを交換します。

なお、カートリッジ製剤のほうが、プレフィルド/キット製剤より価格が安めに設定されていますが、外側のペンの故障に備えて、予備のプレフィルド/キット製剤を常備しておくと安心です。

例)ヒューマログ注カート

通常、成人では、1回に2〜20単位を毎食直前に皮下注射します。

特徴的なペン型注入器

例)ランタスXR注ソロスター

1 本に 450 単位が入っている持効型溶解インスリン製剤です。

通常、成人では、初期は1日1回4~20単位を皮下注射します。

例)ライゾデグ配合注フレックスタッチ

持効型溶解インスリン製剤と超速効型インスリン製剤が配合されています。

通常、成人では、初期は1回4~20単位を1日1~2回皮下注射します。

インスリン療法の実際

未開封のインスリン製剤は、冷蔵庫で保存しておきます。

冷蔵庫から取り出したら、はじめに、インスリン製剤を空打ちして、インスリン製剤が確実に針先から出るのを確認します。

そして、腹部や上腕などに針先を刺します。

刺す場所は、前回注射したところから数cm離れたところを選びます。

その後、5〜10秒程度かけて皮下へ注射します。

インスリン製剤の目盛りがゼロになったことを確認して、さらに10 秒ほど待ってから、注入ボタンを押したまま針を抜きます。