化石燃料の価格上昇により、電気代が上がっています。
そんな中、ソーラーパネルで発電した電気は、自宅での消費と、売電の、どちらを優先したらいいのでしょうか?
結論からいうと、固定価格買取制度の期間中であったとしても、きちんと計算して、場合によっては自宅消費を優先したほうが良いです。
自宅消費を優先すべき理由
これまでは、太陽光パネルと蓄電池を組み合わせた家庭では、「固定価格で買い取ってもらえる10年間は、売電を優先したほうがいい」というのが常識でした。
なぜなら、夜間の安い電気を購入して蓄電池に貯めておいて使い、他方、太陽光で発電した電気を売れば、差額が利益となったからです。
しかし、夜間の電気代が上がってくると、差額がなくなってきて、売電の旨味がなくなります。
原因は、再エネ賦課金と、燃料費調整額です。
実際の単価を計算しよう
これら再エネ賦課金と燃料費調整額は、買った電気の量に比例します。
再エネ賦課金は、法律で決まっており、2021年度には1kWhあたり3.36円です。
燃料費調整額は、たとえば、関西電力の2022年4月分の燃料費調整単価は、低圧契約では1kWhあたり3.04円です。
実際の単価は、これらを足して考えなければいけません。
たとえば、関西電力のeスマート10というプランは、夜間料金は1kWhあたり15.36円ですが、3.36円と3.04円を足すと、21.76円となります。
FIT(固定価格買取制度)の売電価格が、21円や、19円の家庭の場合は、それを上回ってしまいます。
したがって、たとえば、太陽光パネルと蓄電池を組み合わせて、オムロンのスマートPVマルチなどで運用されているご家庭のうち、売電単価が21円や19円の家庭では、いわゆる「経済モード」での運用は、損をすることになります。
太陽光で発電した電気(単価21円や19円の場合)は、売るよりも、自宅で消費したほうがよいということですね。