カテゴリー
化学

置換型固溶体とは?

置換型固溶体(substitutional solid solution)とは、結晶格子中の母体金属の原子の位置に、合金元素が置き換わるタイプの 固溶体です。

カテゴリー
化学

メルトマスフローレイトとは?(MFR)

メルトマスフローレイト(MFR)は、熱可塑性樹脂の溶融時の流動性を表す数値です。

具体的には、シリンダ内で溶融した樹脂を、一定の温度と荷重条件のもとで、ピストンによって、シリンダ底部に設置された規定口径のダイから、10分間あたり押し出される樹脂量を測定した値(g/10min)を意味します。

測定方法としては、押出物を手動で切取り、MFRを算出するA法と、ピストンの移動時間および移動距離を自動測定してMFRを算出するB法とがあります。

A法はMFRが0.1~25(g/10min)の材料に適用され、B法は0.1~50(g/10min)の材料に適用されます。

規格としては、ISO 1133、JIS K 7210-1999となりますので、参照願います。

カテゴリー
化学

徐冷点とは?

徐冷点とは、その温度以下ではガラスの歪みがなくならないという温度です。

ガラスの内部応力が数分で消失する温度であり、約1013dPa・sの粘度に相当する温度とみなされています。

測定方法として、JIS R3103-02に規定される方法があります。

カテゴリー
化学

歪点とは(ひずみてん:Strain Point)

歪点とは、それ以上になると、ガラスがゆがみ始める温度です。

別の言い方だと、それ以下では、ガラスの歪みが生じない温度といえます。

つまり、歪点とは、ガラスの粘性流動が事実上、起り得ない温度です。

歪点は、徐冷域における下限温度に相当します。

ガラスの内部応力が数時間で消失する温度であり、約1014.5dPa・sの粘度に相当する温度とみなされています。

測定方法として、JIS R3103-02に規定される方法があります。

カテゴリー
化学

タクチシチーとは(イソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック)

定義

タクチシチーとは、高分子の立体規則性のことです。

解説

光学異性をもつ単位構造からなる高分子には、3種類の立体異性体が存在します。

・ランダムに、違う異性体が連なっているものを、「アタクチック」といいます

・同じ異性体が連なっているものを、「イソタクチック」といいます(「アイソタクチック」ともいいます)。

・交互に違う異性体が連なっているものを、「シンジオタクチック」といいます。

それぞれの構造を、ポリスチレンの例で見ると、下図のようになります。

aps
アタクチック(APS)
ips
イソタクチック(IPS)
sps
シンジオタクチック(SPS)
カテゴリー
化学

軟化点とガラス転移点

軟化点

定義

軟化点は、固体物質を加熱していくときに、物質が軟化し、変形し始める温度のことです。

軟化点は、「軟化温度」とも呼ばれます。

解説

非結晶性の固体物質は、粒子間の結合力に均一性がないため、温度上昇につれて部分的に結合が切れて、しだいに軟化し、変形し始めます。

このときの温度が「軟化点」です。 固体状態から流動状態へは、連続的に変化するので、一定の軟化温度を示すことはなく、特定の温度域に亘って軟化していきます。

なお、軟化点の測定では、測定対象となる物質の種類によって、採るべき測定法が異なるので、注意が必要です。

ガラス転移点

定義

ガラス転移点は、ガラス転移が生じる温度、すなわち、過冷却状態からガラス状態に変わる温度のことです。

なお、ガラス転移点は、「ガラス転移温度」ともいいます。

解説

融解状態の高分子物質は、ゆっくり冷やすと、ある温度で、結晶化します(この温度は融点です)。

しかし、融解状態の高分子物質を急に冷やすと、融点に達しても、結晶化せず、液体のまま冷やされていきます(過冷却の状態)。

そして、液体の状態でどんどん冷やされていくと、そのまま凝固して固体状態になります。

このように、非晶質が凝固した硬い状態を「ガラス状態」といいます。

そして、この変化のことを「ガラス転移」といい、ガラス転移が生じる温度(過冷却状態からガラス状態に変わる温度)を「ガラス転移点」といいます。

ガラス転移点は一般的には熱膨張曲線の解析から求められます。

軟化点とガラス転移点の違い

上記のように、両者は異なる概念であり、軟化点の方が、ガラス転移点よりも高い温度となっています。

なお、物質には、「軟化点」、「ガラス転移点」、「融点」のほかに、「歪点」や「徐冷点」などがあります。

カテゴリー
化学

引火点、燃焼点、発火点の違いとは?

引火点

引火点は、液体において、液面からの可燃性蒸気が、空気と混ざり、点火源により燃えるのに十分な蒸気を発生するときの液温を意味します。

引火点では、点火源を取り除くと、燃焼は止みます。

なお、引火点は、物質に固有の値はなく、測定条件により異なります。それは、引火点が、引火点測定装置によって測定されるものであるため、装置の違いや、物質の形状や量などの違いに影響されるからです。

参考までに、引火点の測定方法には、タグ密閉式引火点測定器、セタ密閉式引火点測定器、あるいは、クリーブランド開放式引火点測定器を用いる方法があります。

燃焼点

燃焼点は、燃焼が5秒間継続するための最低の温度のことを意味します。

なお、燃焼点も、引火点測定器によって測定し、また、引火点と同様に、物質に固有の値はありません。

発火点

発火点は、空気中で可燃物を加熱したときに、自然に発火して燃焼を始める温度を意味します。

つまり、点火源がなくても燃え始める温度のことです。

なお、発火点も、引火点測定器によって測定し、また、引火点および燃焼点と同様に、物質に固有の値はありません。

カテゴリー
Column

易感染宿主とは?

日和見感染を受けやすい宿主となり、なんらかの原因によって生体防御に障害をもつ患者を「易感染宿主(いかんせんしゅくしゅ)」、英語で「immuno-compromised host」と呼びます。

癌、骨髄疾患、糖尿病、腎不全、また、免疫抑制剤投与の患者、手術を受けている患者などがその典型的な例です。

カテゴリー
化学

シータ温度とは?

シータ温度とは、溶質と溶媒との間には相互作用があることにより、高分子の、広がろうとする傾向と丸まろうとする傾向とが釣り合う温度のことです。

両傾向が釣り合うと、おおまかに、ガウス鎖で記述できます。

なお、ガウス鎖とは、高分子鎖に短距離相互作用を入れたモデルのことです。

カテゴリー
医療従事者向け

末期ガンの告知義務;家族がガンと医者から告知されなかったら慰謝料が請求できる?

昔は,患者が末期ガンになったとき,患者や,その家族に告知をするかどうかは,医者が決めることでした.

つまり,末期ガンを告知する法的な義務はないと考えられていました.

しかし,近年は,患者や家族の「知る権利」が大切なものとして認識されるようになり,末期ガンであることを告知することは当然という流れになってきています.

このことは,最高裁判所で下された判決の中でも確認されています(平成14年9月24日判決).

最高裁は,最低でも,患者の家族には知らせるべきと判断しました.

参考に,その判決の内容を掲載します.

抜粋

医師は、診療契約上の義務として、患者に対し診断結果,治療方針等の説明義務を負担する。
そして、患者が末期的疾患にり患し余命が限られている旨の診断をした医師が患者本人にはその旨を告知すべきではないと判断した場合には、患者本人やその家族にとってのその診断結果の重大性に照らすと、当該医師は、診療契約に付随する義務として、少なくとも、患者の家族等のうち連絡が容易な者に対しては接触し、同人又は同人を介して更に接触できた家族等に対する告知の適否を検討し、告知が適当であると判断できたときには、その診断結果等を説明すべき義務を負うものといわなければならない。
なぜならば、このようにして告知を受けた家族等の側では、医師側の治療方針を理解した上で、物心両面において患者の治療を支え、また、患者の余命がより安らかで充実したものとなるように家族等としてのできる 限りの手厚い配慮をすることができることになり、適時の告知によって行われるであろうこのような家族等の協力と配慮は、患者本人にとって法的保護に値する利益であるというべきであるからである。