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化学

SBRのカップリングについて

SBR(スチレンブタジエンゴム)は、スズあるいはケイ素でカップリングすることができます。

ここでは、ケイ素でカップリングする場合を見てみてみます。

トリアルコキシシラン化合物を例にして説明します。

SBRのリビングポリマーと、トリアルコキシシラン化合物の1個のアルコキシ基が反応すれば、鎖末端に2個のアルコキシ基と官能基Fが導入されたSBRを得ることができます(下図の上から1番目)。

SBRのリビングポリマーとトリアルコキシシラン化合物の2個のアルコキシ基が反応すれば、2本のSBR鎖が結合し、結合点に残りの1個のアルコキシ基と官能基Fが導入されたカップリングポリマーが生成されます(下図の上から2番目)。

SBRのリビングポリマーとトリアルコキシシラン化合物の3個のアルコキシ基が反応すれば、官能基Fのみが導入されアルコキシ基を有していない3分岐のスターポリマーが生成されます(下図の上から3番目)。

シリカ配合系における省燃費性能の発現のためには、アルコキシシリル基がより多く導入されたSBRの生成割合を高くすることが重要になってきます。

図は、http://www.sumitomo-chem.co.jp/rd/report/theses/docs/2011-1J_3.pdfから引用

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化学

トルクとは(ゴム用語)

「トルク」とは、ゴムの粘り気のことです。

ムーニー粘度と同様に、トルク値が小さければ小さいほど、「成形する際に金型にゴムが流れやすい」ということになります。

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化学

ウエットマスターバッチとは?

湿式マスターバッチ(ウエットマスターバッチ/ウェットマスターバッチ)とは、ゴムラテックスなどのベース材料と、「充填剤」とを混合してマスターバッチとするものです。

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化学

スケーリング則とは?

スケーリング則とは、S(r) と r の間に成り立つ物理法則を導くものです。

例えば、ドジャンが提唱した、下記の高分子に対するスケーリング理論(スケーリング則)があります。

これは、長さ L の高分子がある溶媒のもとで、R(L) の大きさくらいに丸まったとした場合に、

R(L)が、R(L) = R0Lφという式で表されるというものです。

ここで、φは、スケール次元であり、これは高分子の種類に依存しない普遍的な量です。

また、R0は、高分子の種類に依存するパラメータです。

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化学

ガスバリアー性とは?(ガスバリヤー性)

ガスバリアー性とは、透過抑止性能のことです。

樹脂は分子鎖同士の間に隙間があるため、気体透過性をもっています。

この気体の透過のしにくさのことを意味します。

なお、透過性はポリマーの主鎖の充填度や、側鎖と気体との親和性などに影響されます。

ガスバリアー性を持った材料には、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン6、金属箔などがあります。

この性能をもつ材料は、食品や飲料の容器、ボトル、ガソリンタンクなどの材料として利用することができます。

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化学

重質洗剤と軽質洗剤との違いとは?

重質洗剤

重質洗剤は、たとえば木綿やポリエステルなどの耐久性のある素材でつくられた衣料であって汚れのひどいものを洗浄するのに適した洗剤です。

軽質洗剤

これに対し、軽質洗剤は、たとえば毛や絹などの耐久性の低い素材でつくられた衣料であって、汚れの少ないものを洗浄するのに適した洗浄のことをいいます。

なお、JIS K 3371では、1類、2類、3類の洗剤を分類しており、1類と2類が重質洗剤です。そして、3類が軽質洗剤です。

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化学

伸張結晶化とは?

ランダムコイルを形成する天然ゴム室温で引き延ばすと、分子鎖の運動性が低下するとともに、結晶組織が発達します。 これを、 伸張結晶化といいます。

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化学

高分子の二次構造とは

高分子の鎖の折れ曲がり方を、二次構造といいます。

ランダム構造

規則性がなく、多くの汎用樹脂の中の高分子は、この二次構造です。

シーツ構造

いわゆる「折りたたみ構造」です。規則的に折りたたまれ、全体的に平面構造になります。

構造は、分子間力で維持されます。

へリックス構造

いわゆる「らせん構造」です。たんぱく質、でんぷんの構造です。

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化学

プラスチックの結晶性部分と非晶性部分について

プラスチック

プラスチックは、2つの状態に大別されます。

・結晶状態

高分子が規則正しく配列する状態です。

・無定形または非晶状態

高分子が糸玉状になったり絡まったりして存在する状態です。

上記のように、プラスチックは、高分子の配列状態の違いにより、結晶性プラスチックと非晶性プラスチックとに分けられます。

プラスチックは、すべての部分が結晶状態であるというわけではなく、結晶性プラスチックといっても、結晶部分と非晶部分とが混在しています。

プラスチック中の結晶部分の割合は、結晶化度と呼ばれる値で現されます。

(結晶化度)=(結晶領域部分)÷(結晶領域部分と非晶領域部分との和)

また、液相でも、ある温度範囲で一定の方向に分子が配列し、物性に異方性を示すことがあります。この状態を液晶状態と呼び、このような状態をとりうる高分子を液晶性ポリマーといいます。

高分子の分子間力の強さや立体構造等の違いで、高分子の集合(プラスチック)状態は異なり、結晶状態や非結晶状態となります。

なお、プラスチックは、加熱あるいは冷却されると、結晶状態や非結晶状態が変化します。

とくに、熱エネルギーを受けると、プラスチックは非晶部分の高分子鎖の動きが活発になり、結晶部は溶解します。

ガラス転移点

結晶性プラスチック、非晶性プラスチックは、共に、「ガラス転移点」と呼ばれる温度以上では、非晶部分の分子運動が活発になり、さらに、結晶部が溶解していくのに伴って剛性が低下していきます。
なお、非晶性プラスチックに較べて、結晶性高分子では、結晶部分が多く存在するので、同一の熱エネルギーが加えられたら、相対的に早く剛性が低下します。

融点

プラスチックは、「融点」を越える温度まで加温されると、結晶はなくなり、材料は流動状態となります。
一方、溶融したプラスチックを冷却すると、分子鎖の動きは少なくなり、結晶化が起こります。

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化学

界面重合とは?

界面重合を解説します。

まず、界面とは?

界面とは、二つの相が互いに接触している境界面を意味します。

たとえば、気体と液体との境界面や、液体と液体との境界面です。

では、界面重合とは?

2種類の反応性の高い2官能性成分を、互いに混じり合わない2種類の溶液に別々に溶解させたうえで、その2種類の溶液を混合します。

両者は混じり合わないため、境界面が生じます。

この両者の界面で、成分を重合させる方法のことを、「界面重合」といいます。