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細胞の構成要素の解説

細胞の構造は、「形質膜(細胞膜)」、「細胞質」、「核」に分類できます。

形質膜(細胞膜)

形質膜は、主に、リン脂質と膜タンパク質とからなり、ほかに少量のコレステロ-ルと糖脂質を含みます。

形質膜は、脂質二重層であり、細胞外の環境から細胞内の環境を区別する役割を持っています。

形質膜は、細胞内外への物質の流れを調節したり、細胞と細胞との伝達や、細胞と細胞外環境との連絡をしたりします。

細胞質

形質膜と核との間にある細胞内物質からなる部分です。
ここでいう細胞内物質には、溶液部分(サイトゾルと呼ばれます)と、細胞小器官とがあります。

サイトゾル

サイトゾルは、細胞小器官を取り巻く細胞質の溶液部分で、全細胞容積の55%を占めます。

サイトゾル中には、さまざまなイオン類、グルコース、アミノ酸類、脂肪酸類、タンパク質類、脂質類、ATP、老廃物などが含まれています。

細胞小器官

細胞骨格

マイクロフィラメント、中間径フィラメント、微小管の3種類の異なるタンハク質のフィラメントからなる網状構造です。

中心体

核の近くには、一対の中心子、および、中心子周辺物質から構成される「中心体」が存在します。

中心子は、円筒構造で、各中心子は、3つ組の微小管(トリプレット)9つが円形に配列されています。

中心子周辺領域は、細胞分裂時に、紡錘体の成長を調節します。また、中心子周辺領域は、非分裂細胞において、微小管の形成を調節します。

線毛・鞭毛

線毛や鞭毛は、細胞表面に突き出た運動性の突起です。

リボソーム

リボソームは、タンパク質の合成の場です。

リボソームは、リボソームRNAおよびリボソームタンパク質を含みます。

リボソームは、大小二つのサブユニットからなります。なお、大サブユニットと、小サブユニットは、核小体で作られます。

リボソームには、核膜の外表面や小胞体の膜に付着しているもの、他の細胞質の構造物とは接着せずに遊離しているもの(遊離リボソーム)、ミトコンドリアの中に存在するものがあります。

リソソーム

ゴルジ装髄でつくられた小胞で、消化酵素を含んでいます。

小胞に融合し内容物を消化する役割があり、古い細胞小器官を消化〈自食作用)し、細胞全体を消化し(自己融解)、また、細胞外物質を消化します。

ペルオキシソーム

酸化酵素をもった小胞です。危険物質を無毒化する働きをします。

酸化酵素としては、たとえば、オキシターゼや、カタラーゼがあります。

プロテアソーム

タンパク質を切断する酵素であるブロテアーゼ含む小さな構造物です。不要なタンパクなどを小さなペプチドに分解します。

ミトコンドリア

外膜、内膜、クリスタ、マトリックスからなり、細胞のほとんどのATPを産生する反応が起る場所です。

核は、細胞の構造や、活性を調節する遺伝子を持っています。

核の内部は、主に3つの要素からなります。

・クロマチン(染色質)
・核小体
・核質

さらに、核の外側は、「核膜」に覆われています。

クロマチン

クロマチンはDNAとタンパク質の複合体で、「染色体」がほどけて脱コイル化した状態のものです。

なお、染色体とは、クロマチンが有糸分裂や減数分裂が起こるときに高度に凝縮して密にコイル化したものです。

核質

核質は、クロマチン間果粒、クロマチン周辺果粒、核マトリックスからなります。

核小体

核小体は、核内にある濃染構造物です。

膜に包まれておらず、細胞分裂のときに消失し、間期のときのみ観察可能です。

rRNA合成と、大小リボソームサブユニットの構成に関わります。

核膜

核膜は、内核膜および外核膜の2枚の単位膜からなります。

内核膜は、中間径フィラメントからなる網目構造(核ラミナ)によって裏打ちされています。

外核膜は、中間径フィラメントからなる網状構造に囲まれています。

内核膜と外核膜の間は、核周囲槽というスペースで隔てられています。

核膜には、核膜孔という穴があり、核と細胞質の物質移動に用いられます。

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人体の構成について

人体の構成について、やさしく解説します。

人体の構成

人体の構成は、6つのレベルで語ることができます。

物質レベル、細胞レベル、組織レベル、器官レベル、器官系レベル、個体レベルです。

1.物質レベル

原子としては、たとえば、炭紫、窒素、水素などがあります。
また、分子の例として、DNAや、ヘモグロビン、グルコース、ビタミン類などがあります。

2.細胞レベル

細胞は、分子が結合したものであり、構造的・機能的な基本単位です。
体内には、細胞が約60兆もあります。筋細胞、神経細胞、血液細胞などの、様々なタイプの細胞が存在します。
なお、細胞の中には、核、ミトコンドリア、リソソームなどの、細胞小器官(オルガネラ)という特別な構造があります。

3.組織レベル

組織は、細胞と、その周囲の物質をあわせたものです。
体内の組織は、「上皮組織」、「結合組織」、「筋組織」、「神経組織」の4種類に分けられます。

4.器官レベル

複数の組織により、器官が形成され、特定の機能を果たしています。
たとえば、「心臓」、「肺」、「胃」「肝臓」、「脳」は、器官です。

5.器官系レベル

器官系は、共通の機能をもつ関連する器官で構成されます。
たとえば、消化器系は、食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、小腸、大腸などから構成されます。
ほかには、外皮系、骨格系、筋系、神経系、内分泌系、心臓血管系、リンパ・免疫系、呼吸器系、生殖器系、泌尿器系があります。

6.個体レベル

個体レベルは、もっとも大きな構築レベルであり、体内の器官系の全てにより構成されます。

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微生物の分類と命名法

生物は、エネルギーの獲得方法の違いによって、モネラ界、植物界、動物界、菌類界、原生生物界の5つに分けられます。

微生物の分類

細菌は、モネラ界(kingdom Monera)に、寄生虫は原生生物界(kingdom Protista)に、真菌は菌類界(kingdom Fungi)に分類されます。

階級は、大きい分類(上位)から小さい分類(下位)に向かって、次のようになります。

・界(kingdom)

・門(division)

・群(part)

・科(family)

・族(tribe)

・属(genus)

・種(species)

・個体(individual)

命名法

細菌の命名法は、国際命名規約(International Code of Nomenclature of Bacteria)により規定されています。

基本的に、菌名は属・種名の二命名法によりラテン語で記載されます。

属名は、最初の1文字に省略されることもあります。

ラテン語による学名はイタリックで記載し、属名の頭は大文字で記載するのがルールとなっています。

ウイルス

なお、ウイルスについては、分類は「科」、「属」、「種」の階層的体系を形成しており、命名に関しては、ラテン語の二命名法ではなく、英語の俗名を使用します。

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血液の成分と機能

血液の成分と機能について紹介します。

血液の成分

血液には、有形成分と無形成分とがあります。

有形成分

有形成分は血球です。

すなわち、赤血球、白血球、血小板です。

白血球は、顆粒球、単球、リンパ球に分けられます。

顆粒球は、さらに、好中球(多形核白血球)、好酸球、好塩基球に分けられます。

なお、リンパ球は、単求とあわせて単核球と呼ばれることがあります。

無形成分

無形成分は、血漿です。

血漿は、血漿タンパク、糖、電解質などで構成されます。

詳しくは、血漿には、水分(91~92%)、血漿蛋白(約80/dl)、糖質、脂質、電解質、非蛋白窒素、ホルモンなどが含まれます。

血漿蛋白には、アルブミン、α-グロブリン、β-グロブリン、γ-グロブリン、フィブリノケン、ハプトグロビン、凝固・線溶抑制因子、補体、トランスフェリン、ヘモペキシンなどがあります。

血液の機能

血液の機能は、運搬、調節、防御、止血に分けられます。

運搬

運搬を担うのは、赤血球、血漿タンパク、水分です。

血漿タンパクと運搬物質の組み合わせには、たとえば次のようなものがあります。

・トランスフェリン→鉄

・ハプトグロビン→ヘモグロビン

・ヘモペキシン→ヘム

・卜ランスコバラミン→ビタミンB12

・リポタンパク→脂質

・トランスコルチン→コルチゾール

調節

血液は、pH、浸透圧、熱などの恒常性を維持します。

防御

各種の白血球、免疫グロブリン、補体、サイトカインなどによって、防御されます。

止血

血小板、各種の凝固・線溶因子により、止血機能が発揮されます。