カテゴリー
医療

効果のはっきりしないサプリメントがなぜ売れるのか、買い手の心理は?

ちまたにはサプリメントが溢れています。

効果があるかどうかも分からないものが沢山です。

消費者は、「効果が無いなら売らないだろう」などと考えて、製品を信用し、購入して、飲んでいます。

自身がよくわかっていない成分なのにも関わらず、です。

仕組みは単純です。

効果のないものを、ふわっとしたポジティブなイメージで売っても、行政処分の対象や、犯罪にはならないのです。

行き過ぎた広告は、景表法によって規制されますが、世の中は、その規制をかわしつつ、情報弱者をねらうサプリメントビジネスが横行しています。

バカが騙されているだけだろう?

と考えてはいけません。

問題は、大半のサプリメントが、健康被害のリスクをなんら提示していないし、消費者の側も、サプリメントは安全だと思い込んでいます。

もちろん、誰かが飲んだことのあるサプリメントでしょうから、その「誰か」が健康被害を訴えていないなら安全なサプリメントと言えるんじゃないか、と信じたくなる気持ちもあるでしょう。

しかし、ほとんどのサプリメントが、飲み続けた場合の健康への影響を検証していないと考えて間違いありません。

たとえば、あるサプリメント含まれている成分が、のちに、「発がん性物質」だと判明するかもしれませんね。

あるいは、体内に蓄積して悪影響を及ぼす性質の成分が含まれているかもしれません。

ちなみに、真に人体に有効な成分なら、サプリメントではなく、医薬品が開発されているでしょう…と思います。

資本主義では、嘘や、他人を犠牲にすることによって財を築こうとする者の出現が促されがちなのをお忘れなく。。。

カテゴリー
医療

エフコートで虫歯予防

エフコート、虫歯予防、サンスター、第3類医薬品
エフコート、虫歯予防、サンスター、第3類医薬品

日本ではじめて要指導・一般用医薬品「スイッチOTC薬」として認可されたフッ化物洗口剤「エフコート」 (サンスター)ですが、いまは第3類として誰でも買えるようになっています。

フッ化物洗口は、特に4歳から14歳までの期間に実施すると、齲歯予防対策としてもっとも大きな効果があることが知られています。

成人や高齢者の歯根面齲蝕に効果が あるという報告が近年多くなされているそうです。

歯科医院での定期的なフッ化物歯面塗布と、フッ化物配合歯磨剤による歯磨き後に 「エフコート」による洗口を行うことで、齲歯予防の効果を高めることにつながります。

なお、ムシ歯は原因菌である「ミュータンス菌」が、歯に付着して歯垢をつくり、食物中の糖質を代謝して出来た「酸」が歯のカルシウムやリンを溶かして発生します。

エフコートは1日1回すすぐだけで、有効成分であるフッ素が歯に留まって再石灰化を促進するそうです(再石灰化とは:歯から溶け出したカルシウムが再び歯に取り込まれること)。

ちなみに、実は、以前には、エフコートは、要指導から第1類医薬品へ変更となっていた時期もあり、第1類医薬品だった時は、購入のたびにお名前や連絡先など書面に記入する必要がありましたが、第3類となったことで、その必要がなくなりました。

カテゴリー
医療

妊娠中に特に必要な栄養素「Ca」,「Fe」,「葉酸」

健康/美容/出産に関わるお話です。

妊娠中は胎児の発育に、さまざまな栄養が必要です。

ここでは、「Ca」,「Fe」,「葉酸」について、まとめて紹介します。

Ca(カルシウム)

日本人の食事摂取基準2015年版では、20代や30代女性が1日に摂るべきカルシウム(Ca)の量は650mgです。

しかし、20代や30代女性の平均Ca摂取量は,400mg程度しかありません(平成26年度調査)。

多くの若い女性は、食事だけでCa摂取の推奨量を満たせていません。

妊娠中、さらには授乳中は、ふだんより多くのCaが必要です。

妊娠中にCaが不足していると、妊婦の骨からCaが動員され、胎児に補充されます。

そのため、母体の骨密度は低下します。

サプリメントでCaを摂り、推奨量を満たすのがよいでしょう。

なお、Caの吸収を促進するものとして、たとえばビタミンDがあります。

ビタミンDを多く含むキノコ類を意識して食べたり、直射日光を少し浴びることで皮膚でのビタミンDの生成を促すようにしたりすると良いでしょう。

 

Fe(鉄)

妊娠中は胎児の発育に鉄分が必要です。

また、妊婦は、胎児が増えた分だけ必要な血液量が増えるので、赤血球を余計につくる必要があるのですが、それに鉄分が使用されます.。

このため、妊娠中は、鉄不足になるリスクがあります。

鉄の不足による貧血(鉄欠乏性貧血)は、早産の原因や、低体重で産まれる原因になること等が報告されています。

また、この鉄欠乏性貧血は、出産で悪化します(出産時は,300mL前後の出血を伴うため)。

貧血の悪化は、産後の授乳に悪影響を及ぼす可能性があります。

妊娠中は鉄欠乏性貧血を発症しないように気をつけたいものです。

ところで、鉄の摂取推奨量は成人女性の場合、1日10mg程度ですが、実際に取れているのは、20代で6.4mg、30代6.4mと、かなり不足しています(平成29年国民健康・栄養調査)。

女性は、妊娠前から貧血の可能性が大いにあるということですね。

できれば「妊娠前」に鉄欠乏性の貧血の有無を確認しておきましょう。

そして、鉄欠乏性の貧血だったときは必ず治療しましょう(鉄剤の内服になります)。

さらに、妊娠中は、食事だけでなくサプリメントからも鉄を補うのがよいといわれています。

なお、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は妊婦に1日当たり30mgの鉄を摂取することを勧めています。

もしも貧血について何か疑問や不安があれば、妊婦健診のときに、主治医に、貧血のことを質問してみましょう。

 

葉酸

葉酸はビタミンB群の仲間で、細胞分裂やたんぱく合成に関係します。

妊娠のごく初期に葉酸が不足すると、胎児の脊椎(せきつい)部分が正常に発生しないリスクが上がります(二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発症リスクが高くなります)。

ただし、この葉酸は、妊娠が分かってから摂りはじめるのでは遅いです。

中枢神経系が発生するのは妊娠7週未満だからです。

妊活中の「葉酸」の摂取は、厚生労働省も推奨しています。

妊娠の少なくとも1か月以上前から葉酸のサプリメントを摂取し始めて、妊娠12週まで続けるとよいそうです。

葉酸は、1日400μg摂取するよう勧められています(過剰摂取は厳禁)。

参考までに、バイエル薬品の調査(妊活・妊娠と夫婦に関する実態調査)によると、上記の葉酸の摂取タイミングについて、正答率は54.5%だったそうです。

カテゴリー
医療

病院では患者が死ぬ前に、『死亡届』と『死亡診断書』が準備されている。

わたしの勤務先の病院の話である。

仕事で患者のカルテを閲覧していると、死期の迫った患者(主には、末期ガン患者や、病院に長期入院し衰弱している患者などである)について、医師が、患者が実際に亡くなる前に死亡届と死亡診断書を準備しているのを、よく見かける。

患者の氏名や死亡理由となる病気などをあらかじめ書いておき、実際に亡くなったときには、死亡日時を記載するだけ、といったような状態にしておくのである。

医師にとっては時間の節約のつもりかもしれない。

合理的であると思う。

しかし、「患者本人やその家族が、その事実を知った場合、気分を害するのではないか? そんな行為は、やめた方がいいのではないか?」とも考える。

難しい問題である。

この準備行為は、ほかの病院でも広く行われている行為であると予想される。

みなさんは、どう思うだろうか。

カテゴリー
医療

臨床美術とは何か‐医療・美術・福祉の壁を越えたアプローチ‐

文献によれば、臨床美術とは、もともとは、認知症の症状の改善・予防を目的として、1995年に彫刻家の金子健二氏によって考案されたもので、絵画・彫刻・陶芸などを楽しみながら、認知症の症状を改善し、予防も促す、創作活動自体を重視したアートセラピーのひとつである(参考文献は、小児内科 45(8): 1484-1486, 2013)。

感性や感情の脳である右脳を活性化することで脳全体の機能を向上させ、認知症の改善や予防、生きる意欲や自信の回復を目的とする芸術療法である(参考文献は、日本保健医療行動科学会年報 26: 75-77, 2011)。

本格的な芸術性と脳科学の理論を融合させたカリキュラムは、脳を活性化させたい高齢者や子どもの感性を豊かに育む教育でも成果を上げているそうである(参考文献は、日本早期認知症学会論文誌 4(1): 48-49, 2011)。

 

日本臨床美術協会ウェブサイトでは、次のように述べられている。

“臨床美術は、介護予防事業など認知症の予防、発達が気になる子どもへのケア、小学校の特別授業、社会人向けのメンタルヘルスケアなど多方面で取り入れられ、いきいきと人生を送りたいと願うすべての人へ希望をもたらしています。”

関連リンク 🔗特定非営利活動法人 日本臨床美術協会 (arttherapy.gr.jp)

臨床美術士(クリニカルアーティスト)

なお、同協会は、臨床美術のアートプログラムを実践できる唯一の資格「臨床美術士(クリニカルアーティスト)」というを専門資格を認定している。臨床美術士は、その技能に応じて1級から5級までの資格があり、指定の教育機関で学んだ後に口本臨床美術協会の試験を受けて資格認定される。

カテゴリー
医療

カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)

1940年代から,つぎつぎと耐性菌が出現しています。

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌),VRE(バンコマイシン耐性腸球菌),MDRP(多剤耐性緑膿菌),MDRA(多剤耐性アシネトバクター) 
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌),VRE(バンコマイシン耐性腸球菌),MDRP(多剤耐性緑膿菌),MDRA(多剤耐性アシネトバクター) 

 

そのような状況下で、2000年代に入り,耐性遺伝子を獲得した腸内細菌が市中で拡散しはじめます。

主にESBL産生菌です。菌種としては、大腸菌、クレブシエラ属菌、プロテウス属菌 などです。

ESBL産生菌には多くのβラクタム系の抗菌薬が無効です。

ペニシリン系、セファロスポリン系(第 1~4世代)、モノバクタム系などは、ESBLに分解されてしまいます。

しかし、一部、有効な抗菌薬があります。

特に、カルバペネム系抗菌薬が効果がありました。

カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)とは

定義

カルバペネムを含む多くのβラクタム系抗菌薬を分解できる酵素「カルバペネマーゼ」を産生する腸内細菌科細菌。

特徴

カルバペネマーゼ遺伝子はプラスミドで他の菌にも伝播する。

問題点

カルバペネム系の抗菌薬は、さまざまな菌に効果がある(スペクトラムが広い)。

そのため、カルバペネム系抗菌薬は、グラム陰性桿菌による感染症の治療の事実上の切り札という位置づけである。

しかし、カルバペネマーゼ産生の大腸菌,クレブシエラ,エンテロバクター,シトロバクターなどが、欧米やアジアなど世界各地で拡散し,感染症治療を難しくしている。

海外の状況

カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)は、2013年、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が警告した菌である。

日本で検出されるCPE

日本ではCPEが感染症の原因菌として検出されることは少ない。国立感染研の病原体サーベイランスによれば、2018年中に国内で検出されたCPEは、297株だった。

国立感染症研究所ウェブサイト参照(https://www.niid.go.jp/niid/ja/cre-m/cre-iasrd/9124-475d01.html)

国内でのアウトブレイク事例が散見される

たとえば、国立病院機構大阪医療センターでは、112人から7菌種のCPEが検出されたことがある。

腸内細菌の怖さ

腸内細菌は、通常、ヒトの消化管内に常在(無害)する。

しかし、何らかの原因で血流中や腹膜腔内などに侵入すると、発熱などに続いて急激にエンドトキシンショック、多臓器不全を誘発し、患者が死亡する危険性が高い。

カルバペネマーゼの種類

メタロβラクタマーゼ

  • IMP型
  • VIM型
  • NDM型
  • SPM型
  • GIM型
  • SIM型
  • KHM型
  • AIM型
  • DIM型

セリンβラクタマーゼ

  • KPC型
  • IMI型
  • SME型
  • GES型
  • OXA型

CPEの新規治療薬

βラクタマーゼ阻害薬配合剤

  • セフタジジム・アビバクタム
  • メロペネム・バボルバクタム

 

新規アミノ配糖体系薬

  • プラゾマイシン

 

新規テトラサイクリン系薬

  • エラバサイクリン
  • オマダサイクリン

 

新規シデロフォアセファロスポリン抗菌薬

  • セフィデロコル
カテゴリー
医療

在宅の経腸栄養管理・合併症と治療

消化管が安全に使用できる在宅患者のなかには、在宅経腸栄養法(home enteral nutrition:HEN)が適応できる患者がいます。

在宅経腸栄養法を健康保険で実施できる患者には、たとえば、脳血管障害などによる摂食嚥下機能障害患者、クローン病患者、胃がん、食道がんなどのがん患者や、認知症患者などがいます。

ただし、経腸栄養法を長期にわたって行うときは、注意が必要です。

必要カロリー量や水分量などを計算して適切な栄養管理・モニタリングをしないと、体重増加や体重減少のほか、さまざまな合併症を起こすことがあります。

経腸栄養剤の種類

経腸栄養剤はその組成や成分で、大きく2つに分類されています。

大きくは、自然食品流動食(普通流動食,ミキサー食,濃厚流動食)と、人工濃厚流動食(成分栄養剤,消化態栄養剤,半消化態栄養剤,特殊な組成の栄養剤)に分かれます。

分類の仕方は、ほかにも、健康保険の適応できるもの(薬品タイプ)と、健康保険の適応できないもの(非薬品タイプ:食品タイプ)があります。

半固形化経腸栄養剤の普及

ちなみに、今後は、半固形化された栄養剤が普及してくと見込まれています。半固形化された経腸栄養剤は、短時間で注入できるため、患者自身の時間的制約がなくなり、リハビリや、入浴のための時間を確保できる(QOL や ADL の向上)ことや、介護者の負担軽減ができるなどのメリットがあります。

また、液体の経腸栄養剤に比べて、胃食道逆流や、嘔吐、瘻孔からのリーク(漏れ)などの合併症を減らすこともできます。

 

経腸栄養の副作用

経腸栄養剤による栄養管理を行うと、さまざまな合併症が起こります。

代表的なのは、「下痢」と「便秘」です。

下痢対策

経腸栄養による下痢の対策は、栄養剤の滴下速度を遅くする、栄養剤を半固形化する、食物繊維入りの経腸栄養剤を選択するなどで改善できることがあります。

なお、乳糖不耐症が原因の場合もあり、そのような患者では、乳糖を含まない経腸栄養剤を選択するとよいでしょう。

便秘対策

水分を投与する、食物繊維を追加する、下剤の投与、あるいは、マッサージをするなどがよいでしょう。

カテゴリー
医療

肝臓の構造と機能

肝臓は横隔膜下の右上腹部に位置する。

肝臓は、腹部実質臓器のなかで最大の容積を有する。

肝臓には 2 種類の血管が流入している。

肝動脈と、門脈(腸管で吸収された栄養分を肝臓に送る血管)である。

そして、肝静脈によって血液が下大静脈に戻される。

 

肝臓の機能

腸管から吸収された栄養素は、肝臓に送られて代謝される。たとえば、小腸で吸収されたブドウ糖の一部は、グリコーゲンにされ、肝臓に貯蔵される(貯蔵されたグリコーゲンは低血糖時に、再びグルコースに変えられる)。

アミノ酸は、血液凝固因子や、アルブミン、免疫グロブリンなどの蛋白質の合成に使われる。

脂肪酸とグリセリンからは、中性脂肪やコレステロールなどが合成される。

解毒作用

腸管では、栄養素だけでなく、有毒物質も吸収される。

肝臓は有害物質を酸化、還元、抱合によって水に溶けやすいかたちにし、尿中や胆汁中に排泄する。

たとえば、赤血球が破壊されてできる間接ビリルビンは、肝臓でグルクロン酸抱合を受けて直接ビリルビンとなって胆汁中に排泄される。

また、腸内細菌によって生成されるアンモニアは肝臓で無害な尿素に変換され、尿中に排泄される。

アルコールや多くの薬剤も肝臓で代謝され、体外へ排出される。

胆汁の生成

肝臓は、胆管を介して、十二指腸とつながっており、産生した胆汁を消化管に排出する。

胆汁は肝細胞で生成される。

胆汁は、コレステロールからつくられた胆汁酸を含み、脂肪を乳化し、膵酵素であるリパーゼの脂肪分解を助ける。

肝障害

肝臓はウイルス(B肝ウイルスやC肝ウイルス)、薬剤、アルコール、自己免疫によって障害を受ける。

肝臓は、障害を受けたとき、肝細胞が炎症を起こす。いわゆる肝炎である。

肝炎の経過とともに肝臓の線維化は進行する。

最後には萎縮した硬い肝臓となる。肝硬変である。なお、肝硬変から肝臓がんへと至る場合もある。

肝硬変になると門脈圧の亢進により、脾臓が腫大し、血小板の減少などを起こす脾機能亢進症がみられる。

食道や胃に静脈瘤を形成することもある。

タンパク質の代謝障害は、アルブミンの合成低下を引き起こし、血漿膠質浸透圧を低下させ、腹水の貯留や、浮腫を生じさせることがある。

また、血液凝固因子の生成が低下して、出血傾向がみられることもある。

解毒作用が障害されると、血中アンモニアや芳香族アミノ酸が増加して、精神症状や意識障害などが認められる「肝性脳症」が引き起こされる場合がある。

肝細胞のビリルビン処理が障害されると、黄疸となる。

黄染を認める場合は、一般的に
は血中の総ビリルビン値が31ng/dL以上であると考えられている。

肝臓と血液検査

⑴肝細胞障害を反映する項目

AST, ALT, LDH

⑵タンパク合成能を反映する項目

PT,アルブミン, ChE

⑶胆汁うっ滞を反映する項目

ALP,γ一GTP,ビリルビン

⑷代謝を反映する項目

アンモニア

⑸肝線維化を反映する項目

血小板

※慢性肝炎から肝硬変になると徐々に血小板数が低下する。原因の1つ目は、脾機能亢進により血小板の破壊が元進すること、2つ目は、肝臓で合成されるトロンボポエチン(骨髄巨核球を増殖させ,血小板を増加させる役割)の活性が減少することである。

カテゴリー
医療

食中毒

大規模食中毒は、多く発生してきた。

最近では、「きゅうりのゆかり和えによる腸管出血性大腸菌O157食中毒事件」

「刻みノリによるノロウイルス食中毒事件」など。

食中毒の発生動向は、厚労省のページで見ることができる。

食中毒の発生件数、患者数、1 件当たりの患者数の年次推移などが把握できる。

健康・医療 >食品 >食中毒

1998 ~ 1999 年はサルモネラ属菌と腸炎ビブリオによる食中毒が最も多かった(年間800件前後)が、その後、年間数十件までに減少。

近年の発生数が多いのはカンピロバクターとノロウイルスによる食中毒(両者で全発生件数の60% 前後を占める)。

病院内で食中毒事件が起こることはめったにない。

毒素型

細菌によるものは毒素型の場合がある。

食品中に原因菌が産生した毒素を、経口摂取することで発症する。

症状発現までの時間が数時間から半日程度と短い。黄色ブドウ球菌や、セレウス菌によるものが代表的。

大量調理施設衛生管理マニュアル

食中毒事例の大規模化などを受け、厚生労働省( 当時厚生省) は平成 9(1997) 年に各都道府県に対して「大規模食中毒対策について」(衛食第85 号) を通知し、そのなかで、大量調理施設に対してHACCPの概念に基づいた「大量調理施設衛生管理マニュアル」を示した。

カテゴリー
医療

病院で働く栄養士のための新しい資格の創設が必要

高齢者の増加により、病院の入院患者の平均年齢も上がっている。

高齢者は回復が遅いため、入院期間が長くなる。

すると、ベッドの回転率が落ちる(病院の収益を圧迫する)。

回転率を上げるためには、早く退院させるため、早期の栄養管理とリハビリが欠かせない。

しかし、栄養管理は、ふつうの医者はあまり関与しない。

関与するのは、栄養士だ。

しかし、患者の栄養管理は、実はふつうの栄養士にとって、とても難しい。

なぜなら、栄養士は、「人の体」や、「病気」について学校で全く学ばないからだ。

つまり、医学については、一般人並みの知識しかないのに、患者の栄養管理を担当しなければならない。

ここでいくつか重要なことがある。

患者は、必ずしも出されたご飯を全部食べられるわけではないから、栄養コントロールが難しい。

一方で、嚥下能力が低いなどの理由でそもそも食べられない患者は、鼻からチューブを使ったり、胃ろうを作ったりして栄養を入れる。

場合によっては、血管に直接栄養を入れる。

さらに、心臓、腎臓、肝臓などに病気があれば、それに合わせた栄養管理をしなければならない。

以上が意味することは、医学を学んで初めて、医者や看護師をサポートできる栄養士になることができるということだ。

しかし、前述のように、学校では医学のことは学ばないから、現状では、就職してから病院の中で学ぶことになる。

したがって、病院の栄養管理に対する取り組み姿勢によって、栄養士への教育内容に違いが出る結果、病院ごとに栄養管理の質は大きく異なってくる。

ベッド回転率の向上のため、あるいは病院間の栄養管理の質の差を是正するためには、医学の分かる栄養士が必要である。

今後、病院で働く栄養士に、医学知識を担保できるような、何らかの資格を創設してはどうかと考える。