トロンビンとは
トロンビンは、血液凝固因子Ⅱaであり、フィブリノゲナーゼともいいます。
プロトロンビンが凝固因子Xaにより切断されることで、活性をもつトロンビンになります。
トロンビンは、フィブリン生成や、血小板凝集、細胞増殖、ホルモン分泌などを誘導する機能を持ちます。
酵素について
- オキシターゼ・・・酸素を付加する
- キナーゼ・・・燐酸を付加する
- デヒドロゲナーゼ・・・脱水素酵素類
- アンヒドラーゼ・・・水をとる
- プロテアーゼ・・・タンパク質を分解
- リパーゼ・・・脂質を分解
腎機能検査
腎臓の機能は、①不要な最終代謝産物、老廃物、薬物などの排泄、②電解質バランス、浸透圧、酸塩基平衡の調節、③エリスロポエチン、ビタミンDなどの物質の産生、④レニンーアンギオテンシンーアルドステロン系の活性化と制御、⑤糖や薬物の代謝などです。
腎疾患
腎疾患はおもな障害部位によって、糸球体疾患、尿細管性疾患、腎間質性疾患に大別されます。
腎検査
・BUN、クレアチニン、尿酸
→腎機能低下に伴って上昇します
・β2ミクログロブリンやαミクログロブリン(尿細管性蛋白質)
→糸球体障害では血中濃度が増加し、尿細管障害では尿中濃度が増加します
・N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)
→近位尿細管上皮細胞中に存在する蛋白質分解酵素であり、尿細管障害により逸脱し尿中に増加します
・内因性クレアチニンクリアランス
・フェノールスルホンフタレイン排泄試験(PSP試験)
・フィッシュバーグの濃縮試験
心電図検査
・肢誘導
心臓を、垂直方向で分析しています。
Ⅱ、Ⅲ、aVFは、心臓の下部を見ています。
Ⅰ、aVLは、心臓の左側(側壁)を見ています。
・胸部誘導
V1~V4は、心臓の前壁を見ています。
V5、V6は、心臓の側壁を見ています。
・P波、QRS波、T波
P波は、心房の興奮を表します。
上向きの波は、すべてR波です。
R波の手前で、下向きの波はQ波です。
R波より後で、下向きの波は、S波です。
S波とT波の間のスロープをST波といいます。
・波形
上向きの波は、電極に対して向かってくる波です。
下向きの波は、電極から遠ざかる波です。
・心拍数
記録紙の小さな四角は、0.04秒であり、5つの四角で0.2秒。
・正常心電図
QRS波は、波形では、V1からV5にかけて、R波が徐々に高くなります。
一方、S波は、徐々に低くなります。
P波(心電図)
洞房結節は、右房の右端にあります。
右房がまず興奮し、左房の興奮は少し遅れます。
右房負荷
右房成分が大きく、尖鋭化します。
肺疾患で見られることが多く、肺性P波ともいいます。
左房負荷
Ⅱ 左房成分が大きく、二峰性となります。
V1 左房成分は下向きと成り、P波は二峰性となります。
電解質異常(心電図)
・低カリウム血症
U波の出現
・高カリウム血症
テント状T波、WideQRS、洞停止、心室細動
・低カルシウム血症
QT延長
・高カルシウム血症
QT短縮
膵臓について
膵臓は、内分泌の機能、および、外分泌の機能を持ちます。
内分泌部分は、膵島(ランゲルハンス島)と呼ばれる細胞の集まりからなります。
α細胞は、グルカゴンを分泌し、β細胞は、インスリンを分泌しています。
グルカゴン
グルカゴンは、肝細胞に働き、グリコーゲンのグルコースへの分解を促進したり、乳酸やアミノ酸からのグルコース形成の促進をしたりします。これらの働きにより、血中グルコース濃度が上昇します。
なお、高血糖は、α細胞のグルカゴン分泌を抑制します。
インスリン
インスリンは、細胞に作用し、グルコースが細胞に拡散するのを促進します。
また、グルコースからのグリコーゲンの合成を速め、細胞によるアミノ酸の取り込み及びタンパク合成を促進します。これらの働きにより、血中グルコース濃度は低下します。
なお、低血糖は、β細胞のインスリン分泌を抑制します。
内分泌
内分泌腺には、下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、松果体があります。
これらから分泌されるホルモンは、特定の標的細胞に作用を及ぼします。
脂溶性ホルモンは、標的細胞の中にある受容体に結合することで、作用を及ぼします。
また、水溶性ホルモンは、標的細胞の細胞膜の一部に結合することで、作用を及ぼします。
なお、水溶性ホルモン自身は一次メッセンジャーであり、ホルモンの作用により、細胞内では二次メッセンジャーであるcAMPが産生されます。