BET比表面積について解説します。
そもそも、比表面積とは?
ある物体の単位質量あたりの表面積のことを、「比表面積」といいます。
単位は「m2/g」や、「mm2/g」、あるいは「nm2/g」などです。
物体が粒子の場合、一般的には、比表面積が大きいほど粒子は細かいことになります。ただし、表面の構造が複雑なものほど、比表面積の値は大きくなるため、必ずしも、比表面積の値が、粒子の大きさを反映するとは限りません。
粒子の比表面積の測定法には、
・BET法
・液体吸着法
・浸漬熱法
・透過法
などがあります。
では、BET比表面積とは?
BET法で求めた比表面積を、「BET比表面積」といいます。
BET法は、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、酸化炭素(CO)などの気体分子を固体粒子に吸着させ、吸着した気体分子の量から固体粒子の比表面積を測定する気体吸着法です。
具体的には、まず、圧力(P)と吸着量(V)との関係からBET式(Brunauer,Emmet and Teller’s equation)によって、単分子吸着量(Vm)を求めます。なお、Vmは、固体粒子の表面に吸着した気体分子の質量です。
そして、気体分子の吸着断面積(Am)などを用いて、固体粒子の比表面積を求めます。なお、吸着断面積は、分子1つあたりの占有面積のことで、「分子占有面積」とも呼ばれます。
比表面積は、下記の式により算出できます。
比表面積 =(Vm×N/M)×Am
なお、Nはアボガドロ数(6.02×1023mol−1)、Mは気体分子の分子量(=気体分子1つの質量×N)です。
この式では、吸着した分子数(Vm×N/M)に、分子1つあたりの占有面積Amを掛けています。
なお、窒素(N2)の場合、吸着断面積は、0.162nm2であり、窒素を用いて測定したBET比表面積は、「窒素吸着比表面積」と呼ばれます。