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医療

アールノート(Ro)と集団免疫

アールノートの定義

感染症の感染性(伝播能力)の指標に,「基本再生産数」と呼ばれるものがあります。

集団にいる全ての人間が感染症にかかる可能性のある(感受性者)状態で、1人の患者が何人に感染させうるかを示す数字です。

この「基本再生産数」は、英訳すると、basic reproduction number となります。

R0で表されます。

Rは、reproduction の頭文字で、0はドイツ語でnull(ヌル)であり、その発音を受けて、アールノートと読まれます。

Roは,Ro≧1であれば,一定の確率で大規模流行が起こりえ、一方、Ro<1であれば、世代を経るごとに感染者数がしだいに減衰するので感染者の発生はごく少数に留まるそうです。

集団免疫

集団において、抗体保有率が高いと、感染症の伝播を防ぐことができます。

これにより、集団感染が防がれます。

この効果を集団免疫といいます。

ちなみに、集団免疫に対する言葉に、個人免疫という言葉があります。

ワクチンによる個人免疫は、予防接種を受けた人を感染から守ります。

なお、ワクチンのスケジュールは、国立感染症研究所のウェブサイトで見ることができます。

日本の予防接種スケジュール

集団免疫閾値(H)とは

集団免疫を獲得するためには、達成すべき、集団内における抗体保有者の割合があります。

それは、Roから求めることができます。

計算式はつぎのとおりです。

H={(Ro−1)/Ro}× 100

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Column

法改正により「会計年度任用職員」が誕生して官製ワーキングプア問題は解決!?

今回は、ある社会問題がテーマです。

それは、「非正規公務員」。

全国の自治体で働く非正規職員は、ものすごい勢いで増加しています。

彼/彼女らは、「非正規公務員」なんて呼ばれています。

主な原因は、自治体の「財政難」だそうです。

いま、全国でだいたい約70万人にまで増えています。

割合でいうと、職員の5人に1人くらいだそうす。

ただし、これは、『総務省の統計』によるものです。

統計には前提条件があるため、実際はもっと多いと予測されています。

※例えば、市役所の窓口で働いている委託業者の人達は考慮されていません

非正規公務員について問題なのは、その待遇です。

非正規公務員は、6割以上が正規職員に準じた勤務時間で働いているにもかかわらず、年収200万円以下がほとんどだそうです。

それゆえ、非正規公務員は、官製ワーキングプアと呼ばれています。

さらに問題なのは、自治体で働く非正規職員には、きちんとした法律が整備されておらず、雇い止めや通勤費、残業代の未支給、休暇制度なしなど、様々な問題があるようです。

法改正により「会計年度任用職員」が誕生

ところが、実は、2017年(平成29年)5月11日、地方公務員法・地方自治法の一部が改正されました。

これまで特別職非常勤職員、一般職非常勤職員や、臨時的任用職員として任用されてきた自治体に働く人が、新たに「会計年度任用職員」という名称で任用され直されます。

2020年4月から導入されるようです。

全ての問題が、この「会計年度任用職員」の制度で解決されるわけでは無く、課題も残されているようですが、待遇の改善に向けて、前に進んでいることは間違いないようです。

以上、身近な社会問題についてでした。

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Column

ブロックチェーン結婚のメリットとは?

結婚とブロックチェーンの話題をお届けします。

実は、最近は「ブロックチェーン結婚」がちょっとした話題なのです。

これは、カップルが、ブロックチェーン上に婚姻契約を記録するというものです。

スマートコントラクトは署名され、提出されると、その記録は、安全に永久保存されます。

婚姻契約を書き込めるプラットフォームはいくつか存在し、その中には、家族生活の諸条件を盛り込むことが可能なものもあるようです。

法律婚したカップルも、事実婚のカップルも、どちらも利用できます。

…ところで、この話を聞くと、

「ブロックチェーンに結婚の情報を記録して、いったい何になるの?」

「ただの自己満足?」

なんていうふうに思うかもしれません。

ところが、実は、これには、しっかりとしたメリットがあります。

それは、カップルが、婚前契約(結婚届を出す前の契約)をする場合です。

あまり一般的ではないかもしれませんが、結婚前に、財産や生活費の取り扱い、家事・育児・介護の分担、不倫や浮気があった場合の対応などについて、夫婦間の約束事を定める場合があります。

口頭では「うやむや」にされてしまう危険があるので、しっかりと記録に残しておきたいという事情があるからです。

この婚前契約をするときに、紙の契約書の代わりにブロックチェーン上の記録を使えるのです。

さらに、例えば、イーサリアムを利用すると、毎月一定額を夫婦共有のウォレットに送るようにするなど、スマートコントラクトを利用して契約を自動で履行することができます。

ちなみに、いいことづくめに思える、このブロックチェーン結婚ですが、注意が必要なパターンがあります。

それは、結婚後に契約を結ぶ場合です。

なぜなら、日本では、結婚後に夫婦でした契約は、いつでも、夫婦の一方から取り消す事が出来るからです。

民法第754条

『夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。』

この法律があるので、婚姻届を出した「後」の夫婦間の契約については、ブロックチェーン上の記録を盾にして契約の履行を迫っても、無意味に終わる可能性があります。

たとえば、結婚後に、「浮気をしたら百万円払う」と夫婦間で契約して、ブロックチェーンに記録したとしても、夫が実際に浮気したら、どうなるでしょう?

夫が契約を取り消してしまえば、妻は、いくらブロックチェーン上に記録があっても、法的には、夫に百万円を請求することはできないのです(つまり裁判しても妻は負けます)。

もちろん、別途、慰謝料を請求することはできます。

したがって、法律的な観点から言えば、ブロックチェーン結婚が、本当の意味で役に立つのは、「婚前契約」に限られるということが言えます。

なお、事実婚カップルの場合は、民法第754条は関係ないので、特に注意することはありません。

以上、結婚×ブロックチェーンの話題でした。

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医療 医療従事者向け

ジェネリック医薬品の市場予測

今回は,ジェネリック医薬品のお話です.

ジェネリック医薬品は,特許が切れた先発医薬品と,基本的な品質,効き目,安全性が同等なお薬です.

「後発医薬品」とも呼ばれています.

近ごろ,社会保障費を抑える観点で,国は,様々な取り組みをし,ジェネリック医薬品の使用割合を高めてきました.

いま,使用割合は60%くらいになっています.

そして,H32年には80%にまで高めようとしています.

 

そんな背景がある中,国内ジェネリック市場は,今後,年率5~7%のペースで市場が拡大していくと見られています.

今後,みなさんがジェネリック医薬品を服用する機会は,ますます増えていくことでしょう.

安全性 ちなみに,ジェネリック医薬品に関して,たびたび「安全性」が話題になります.

その理由は,ジェネリック医薬品は,

  • 先発医薬品と添加剤が異なる場合が多い
  • 先発医薬品とは違って大規模な臨床実験をしていない※

などの事情があるからですね.

※ジェネリック医薬品は,先発医薬品と同一の有効成分を同一量含有していることから,薬物動態が生物学的に同等であれば有効性および安全性も同等であるとみなされます.そのため,ジェネリック医薬品では有効性と安全性を確認するために臨床試験を行う必要はありません.

ここで,安全性に関する国の立場は,「原則としてジェネリック医薬品の安全性には問題がない」というものです.

ただし,ざっと私が調べてみたところ,薬剤に含まれる添加剤によっては,アレルギーをもつ人がアレルギー反応を起こすケースが報告されているのを見つけたので,その点は,注意が必要だろうと思います.

なお,ジェネリック医薬品を適正に使用したにもかかわらず,その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じたときは,「医薬品副作用被害救済制度」という公的な制度が利用できます.

ジェネリック医薬品に不安がある人でも,万が一のときの救済制度があるんだと知っていれば,多少は抵抗感が薄れるかもしれませんね.

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ビジネス

フランスがGoogleに罰金.理由はGDPR違反.

ヨーロッパで,昨年施行されたプライバシー規則があります.

それが一般データ保護規則(GDPR)です.

少し前の2019年1月,フランスでGoogle(グーグル)が最初の罰則対象となりました.

罰則金は巨額で,5680万ドル(約62億円)とのことです.

GDPRって何?

GDPRとは,EU議会が発行した一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)のことです.

EUで,2018年5月25日から施行されています.

GDPRをざっくりというと,EUの個人情報保護法です.

この保護規制の根底には,「データの管理を個人に委ね,企業の支配を終わらせる」というイデオロギーが存在します.

GoogleやFacebookをはじめとする,個人データを扱う企業には,大きな影響があります.

EU域外に本拠地のある企業であっても,EU市民のデータを扱うのであれば,基本的には,この規制の対象になります.

違反に対しては,制裁金と行政罰があります.

なお,GDPRが対象とする「個人データ」は広範です.名前,写真,メールアドレス,銀行口座,SNSの投稿やウェブサイトの更新情報,場所の詳細,医療情報,IPアドレスや,身体的,生理学的,遺伝子的,精神的,経済的,文化的なことなど,さまざまなものが含まれます.

今回は, Googleがその対象になってしまったということですね.

理由は,「ユーザーからの適切な同意を得ずに、パーソナライズされた広告を制作するためにプライベートなデータを使った」ということのようです.

Googleは不服申し立てへ

これに対して,グーグルは不服申し立てをして争うようです.

どちらの言い分が認められるのでしょうか.

フランスはGoogleが嫌い?

ちなみに,以前,こんな報道がありました.

『フランス政府は,政府内でのGoogleの検索エンジンのデフォルトでの利用を停止し,その代わりに,フランスの検索エンジンであるQwantを利用する可能性が高い』という報道です.

Googleは,ユーザーの個人情報を追跡するのですが,これに対して,Qwantは追跡をしないからだそうです.

ソースは,fossBytesに11月21日(米国時間)に掲載された記事「France Government Will Stop Using Google Search Engine」です.

その後どうなったのかは調べられませんでしたが,フランス vs Google は今後も注目ですね.

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Column

プリキュア最終回で,主人公が出産!

プリキュア出産
プリキュア出産

 

昨今のプリキュアは,ダイバーシティ(多様性)を重視しています。

たとえば、「HUGっと!プリキュア(はぐっと プリキュア)」では、男の子プリキュアが誕生しました。

男子プリキュア「キュアアンフィニ」です。

また、その次の作品「スター☆トゥインクルプリキュア」では、黒ギャルが登場しています。

そんな,プリキュアですが…

本日は,今作のHUGっと!プリキュア(はぐっと プリキュア)の最終回でした.

『最終回だし,見てみようかな?』 そんなふうに思って,ふとテレビを付けて何となく見ていると, 舞台は未来の2030年… なんと,

エンディングに「出産シーン」が!!!

テレビ画面より撮影したもの

かなり攻めてました。

この作品では、第27話で先生が出産するシーンがあり、それが前フリだったのかもしれませんね。

ちなみに、この作品は、プリキュア15周年を記念して制作されたもので、テーマが「赤ちゃん」、「支え合う育児」、「お母さん」などであり、そのメッセージ性が注目を集めたそうです。

子供向けだからと侮ることなかれですね。 今後も、プリキュアに注目ですね。

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ビジネス

EUで,リンク税が導入!?

いま,EUでは,メディアと,GoogleやFacebookなどのサービスとの関係についての,重要な話題があります.

それは,EUの著作権法の改正です.

いわゆる“リンク税”の導入が問題となっています.

参考になる記事をピックアップしてみました.

正確には,『税』ではなく,メディアが,Googleや Facebookにコンテンツの使用料を求めることができるようになるそうです.

『税』というのは,反対派がつけた呼称のようです.

興味があれば,調べてみてください!

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ビジネス

EUで,リンク税が導入!?

いま,EUでは,メディアと,GoogleやFacebookなどのサービスとの関係についての,重要な話題があります.

それは,EUの著作権法の改正です.

いわゆる“リンク税”の導入が問題となっています.

参考になる記事をピックアップしてみました.

正確には,『税』ではなく,メディアが,Googleや Facebookにコンテンツの使用料を求めることができるようになるそうです.

『税』というのは,反対派がつけた呼称のようです.

興味があれば,調べてみてください!

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サイト制作

【WORDPRESS】ログインユーザー名を隠す必要はない(Edit Author Slugは不要)

今回は,ワードプレスに関する小話をお届けします.

それは,『ログインユーザー名を隠すほうが良いの?』という話です.

この図でいうところの,上の欄に入力する文字列ですね.

wordpress user login

ここで少し説明すると…

通常の状態のWordPressでは,サイト内のいろんなページに,管理画面にログインするときに入力する「ユーザー名」が,そのまま見える状態になっています.

仮に,「ユーザー」>「あなたのプロフィール」からブログ上の表示名を変えたとしても,ソースコードには,しっかりとユーザー名が出力されてしまいます.

また,ワードプレスで作成されたサイトURLの末尾に,

/?author=1

とつければ,ログインユーザー名が見れてしまいます.

このようなユーザー名の丸見え問題について,ネット上では,『ユーザー名を隠したほうがよい』という記事がとても多いです.

ユーザー名が分からないほうがセキュリティは向上するというのが理由としてあげられています.

特に,プラグインの導入を推奨する記事が多くあります.

有名なのが,Edit Author Slug(エディットオーサースラッグ)です.

Edit Author Slug(エディットオーサースラッグ)
Edit Author Slug(エディットオーサースラッグ)

ところが,話はそう簡単にうまくいかないようです.

WordPress 4.4 以降では,サイトのURLの末尾に,

/wp-json/wp/v2/users

を付加したアドレスでアクセスすると,表示されたデータの中にユーザー名が含まれてきます.

また,コメント欄のソースコードのclass名からも,ログインユーザー名が分かってしまう場合があります.

なので,Edit Author Slugの導入”のみ”では,完全にユーザー名バレを防ぐことはできません.

ユーザー名をがんばって完璧に隠そうとすると,かなり面倒くさいのです.

ちなみに,このユーザー名の丸見え問題の件については,ワードプレス公式は,こちらで,問題ないと言っています.

強力なパスワードを使うことを奨励しようとしています.

Why are disclosures of usernames or user IDs not a security issue?

The WordPress project doesn’t consider usernames or user ids to be private or secure information. A username is part of your online identity. It is meant to identify, not verify, who you are saying you are. Verification is the job of the password.
Generally speaking, people do not consider usernames to be secret, often sharing them openly. Additionally, many major online establishments — such as Google and Facebook — have done away with usernames in favor of email addresses, which are shared around constantly and freely. WordPress has also moved this way, allowing users to log in with an email address or username since version 4.5.
Instead of attempting to hide a public identifier, WordPress attempts to encourage users to choose strong passwords instead, through both user interface as well as education.
Note that WordPress is not the only open source project to believe this. Drupal has similar arguments for the same thing.

なお,前に,セキュリティ向上のためのログインURLの変更を記事にしましたが,ユーザー名を隠すより.こちらの対策のほうが重要です.

以上,WORDPRESSの小話,「ログインユーザー名を隠す必要はない」でした.

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サイト制作

【WORDPRESS】画像の遅延読み込みする方法(a3 Lazy Loadを使う)

今回のテーマは,非常にシンプル.

画像の遅延読み込みです.

みなさんも,ウェブサイトで,スクロール中に,フワッと画像が表示されたり…

こんなクルクルが表示された後に画像が表示されたり,経験があるでしょう.

これをワードプレスで実現させます.

まぁ,種を明かせばプラグインを使うだけなのですが.

たとえば,有名なプラグインに,「a3 Lazy Load」があります.

a3 lazy load

遅延読み込みのメリットとデメリット

このような,画像の遅延読み込みを利用すると,アクセス直後,画面の下の方に隠れて表示されていない画像は読み込まず,画面のスクロールに応じてあとから読み込まれます.

これにより,ページ表示の体感速度を向上させ、サイト訪問者の閲覧の心地よさがアップします.

しかし,画像の遅延読み込みは,SEOには不向きという見解もあり,このあたりはトレードオフです(なお,回避手段はあるが設定は面倒なようです).

気になった方は,一度お試しください.