カテゴリー
仮想通貨

仮想通貨の定義とは-資金決済法

今回は、仮想通貨の定義がテーマです。

法上の「仮想通貨」にあてはまる通貨を取り扱う事業者は、「仮想通貨取扱事業者」に該当しうるという意味で、非常に重要な規定です。

仮想通貨の定義

資金決済法の第二条5項一号および二号に、仮想通貨の定義が規定されています。

この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

一号通貨

一号は、主にビットコインを想定して定められた条文です。

一号にあてはまる通貨は、「一号通貨」と呼ばれています。

たくさんの要件が定められていますが、それにより、ポイントや電子マネーなどが規制の対象から外されています。

この条文は、それほど難解な文章ではありませんが、分かりにくい用語を補足します。

「役務」とは「サービス」のことです。

「代価の弁済」は「支払い」と理解すればよいです。

「不特定の者」とは「誰にでも」ということです。

さらに、「不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値」とは、「取引市場があって価格がついている」という意味だと理解すればOKです。

また、「電子情報処理組織」とは、「インターネット」という意味くらいに理解しておけば大丈夫でしょう。

なお、条文の最後の「移転」という表現については、物理的な視点ではおかしな表現なのですが、まぁ観念的な表現なのだということで納得しておきましょう。

二号通貨

二号は、主にアルトコインを想定して定められた条文です。

二号にあてはまる通貨は、「二号通貨」と呼ばれています。

要件として、一号通貨と相互に交換を行うことができる財産的価値であることが定められています。

BTC⇔XRPというようなイメージですね。

なお、ひとつの仮想通貨が、一号通貨と二号通貨の両方の定義にあてはまることがありますが、法律上、そのことに何ら特に問題はありませんので、気にしなくて大丈夫です。

独自トークンについて

ちなみに、たびたび、個人や団体が発行する独自トークンが、法上の「仮想通貨」に該当するか否かが話題になります。

上記の法律に従えば、不特定のものを対象とした取引市場が存在せず財産的価値(価格)がついていない場合には、法上の「仮想通貨」に該当しないという結論になりそうです。

また、別の観点ですが、一号では「購入及び売却を行うことができる」という文言になっていることはポイントでしょう。「購入」と「売却」の両方ができない通貨は、一号通貨には該当しません。

さらに、二号では、相互に交換を行うことができる」という文言になっていることがポイントでしょう。交換が一方通行にとどまる通貨は、二号通貨には該当しません。

なお、一号通貨や二号通貨に該当しない独自トークンが取引所に上場したらどうなるのかという点ですが、取引所に上場すれば、その時点から、一号通貨や二号通貨に該当するという理解でよいと思います。

カテゴリー
仮想通貨

資金決済法の概要と、仮想通貨について改正されたときの背景の解説

資金決済法の概要と、仮想通貨について改正されたときの背景について解説します。

概要

まずは、資金決済法の概要です。

定義

資金決済法は、「資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)」の略称です。

内閣が提出し、第171回国会で制定されました。

※参考リンク 金融庁 衆議院 参議院

2010年に施行されました。

立法目的

資金決済サービスの拡充や適切な運営を目的として制定された法律です。

送金などの為替取引は、従来、銀行等の金融機関だけに認められていましたが、登録を行った資金移動業者にも、少額に限って送金などが認められるようになりました。

また、電子マネーなど前払い式の支払い手段に関しても、利用者保護の強化など、必要な法整備が行われました。

ちなみに、この法律の第一条に、法目的が規定されています。

(制定時の条文)第一条 この法律は、資金決済に関するサービスの適切な実施を確保し、その利用者等を保護するとともに、当該サービスの提供の促進を図るため、前払式支払手段の発行、銀行等以外の者が行う為替取引及び銀行等の間で生じた為替取引に係る債権債務の清算について、登録その他の必要な措置を講じ、もって資金決済システムの安全性、効率性及び利便性の向上に資することを目的とする。

資料

金融庁のサイトに、当時の資料がありますので、よければご参照ください。

法律の概要

パンフレット

改正

この法律の施行後の平成28年3月4日、内閣によって、改正法案が提出されます。

名称は、「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」です(法律第六十二号(平二八・六・三))。

この改正法案は第190回国会で成立しました。

この法律の第11条により、資金決済法が大きく改正されました。

俗に言う「改正資金決済法」は、この改正後の資金決済法を意味します。

改正資金決済法は、平成29年4月に施行されました。

関連法令

・資金決済に関する法律施行令(平成二十二年政令第十九号)

・前払式支払手段に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第三号)

・資金移動業者に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第四号)

・資金移動業の指定紛争解決機関に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第八号)

・前払式支払手段発行保証金規則(平成二十二年内閣府・法務省令第四号)

・資金移動業履行保証金規則(平成二十二年内閣府・法務省令第五号)

改正の背景

つぎに改正の背景について解説します。

仮想通貨は、資金決済法が改正される何年も前から存在していました。

ところが、法改正は、急ピッチで行われました。

これには、理由があります。

それは、マネーロンダリング対策・テロ資金供与対策について、国際的な要請があったためです。

具体的には、平成 27年6月8日、G7エルマウ・サミットで、「仮想通貨及びその他の新たな支払手段の適切な規制を含め、全ての金融の流れの透明性拡大を確保するための更なる行動をとる」という内容の首脳宣言が発出されました。

また、平成27年6月26 日、FATF(金融活動作業部会)にて、「各国は、仮想通貨と法定通貨を交換する交換所に、登録・免許制を課すとともに、顧客の本人確認や疑わしい取引の届出、記録保存の義務等のマネロン・テロ資金供与規制を課すべき」という内容などを含むガイダンスが公表されました。

資金決済法の改正には、このような背景があったのです。

改正法案の作成過程

資金決済法の改正法案は、内閣によって提出されたものでした。

この改正法案の原案は、金融庁における、金融審議会を経て、作成されました。

【参考:内閣が法案を提出するまでの流れ】
(1)省庁内における原案の作成
(2)各省協議(各省折衝)
(3)内閣法制局の審査
(4)与党審査
(5)事務次官等会議
(6)閣議

金融庁における金融審議会

当時、資金決済法について議論があった審議会は、この二種類です。

(ⅰ)決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ

(ⅱ)決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ

ちなみに、(ⅱ)のワーキング・グループは、(ⅰ)のスタディ・グループが改組(かいそ)されてできたグループのようですので、実質的には同じグループと考えてよさそうです。

こちらから、議事録や資料を見ることができます。

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/base_gijiroku.html

各グループの審議結果を取りまとめたものが、公表されています。

以下は、そのリンクです。

金融審議会「決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ」中間整理の公表について(平成27年4月28日)

金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」報告の公表について(平成27年12月22日)

この報告書には、仮想通貨取引について、以下の対応が適切であると記載されています。

登録制の導入

▸交換業者について、登録制を導入

マネロン・テロ資金供与対策規制

▸口座開設時における本人確認の義務付け 等

利用者保護のためのルールの整備

▸利用者が預託した金銭・仮想通貨の分別管理等のルール整備 等

この内容は、後に、金融審議会総会・金融分科会に報告されています。

そして、のちに作成された改正法案には、この内容が反映されています。

※参考リンク:金融庁 衆議院 参議院

 

以上、資金決済法の概要と、改正の背景についてでした。

カテゴリー
サイト制作

はてなブログでスマホの注目記事を非表示にして消す方法

はてなブログのスマホ版の表示には、デフォルトで「注目記事」が設定されています。

最近のアクセス数が多い記事が表示されていますが、デザイン的に不要と考える方は少なからずいると思います。

そこで、スマホのみ非表示にして消す方法を紹介します。

方法はシンプルで、以下のHTMLコードを、スマホのデザイン設定で、ヘッダのタイトル下のHTML入力欄にコピペします。

 

<style>

.hatena-module-entries-access-ranking{display:none}

</style>

 

「スマートフォン用にHTMLを設定する」にチェックを入れます。

これで、デフォルトの注目記事がスマホのみ非表示になります。

カテゴリー
化学

累積ジエン、共役ジエン、孤立ジエンの違いとは?

累積ジエンとは、累積二重結合(C=C=C)を含むジエンのことです。

共役ジエンとは、共役二重結合(C=C-C=C)を含むジエンのことです。

孤立ジエンとは、相互の二重結合が孤立しているジエンのことです。

カテゴリー
化学

化学当量とグラム当量の違いとは?

化学当量

化学当量とは、化学反応性に基づいて定められた元素や化合物の一定量です。

「水素原子の1mol」または「酸素分子の1/2mol」と、化合または置換しうる他の元素の量をグラムで表し、1当量とします。

グラム当量

グラム当量とは、元素または化合物の化学当量の数値にグラムをつけた量です。

たとえば、Naは22.99gであり、H2SO4は49.04gです。

カテゴリー
ビジネス

自宅から会社のパソコンに接続する方法

自宅から会社のパソコンに接続するために、「VPN」という方法があります。

VPNは、仮想回線のことです。

「SoftEther」などのソフトを使います。

SoftEtherを使う場合、自宅のPCと、会社のPCの両方に、SoftEtherを導入します。

すると、導入したパソコンには、「SoftEther仮想LAN」という仮想的なLAN接続が追加されます。

ソフトイーサのHPはこちらからhttp://www.softether.co.jp/jp/

カテゴリー
散録

削除されてしまったホームページを見る方法

削除されてしまったホームページを見るためには、2つの方法があります。

ひとつは、グーグルの検索結果から見れる「キャッシュリンク」をクリックする方法です。

キャッシュリンクについては、こちらから詳細を確認お願いします。

Google 検索結果でキャッシュされているウェブページの表示

もうひとつは、Internet Archaiveというサイトを使用することです。

カテゴリー
サイト制作

インターネットとは

インターネットとは、「世界中のコンピュータを、通信ネットワークで相互接続し、大きなネットワークをつくろう」という考えを実現したものです。

インターネットが生まれたのち、電子メールや、FTPというファイル転送サービスが登場しました。

ワールドワイドウェブ

しかし、特定のデータを、他人からもらうためには、直接、その他人にメールで送ってもらうか、FTPサーバにアクセスする必要がありました。

これを改善するため、インターネット上に、webサーバが多数配置され、そこにデータを置く方式が採られました。

webサーバには、Apache(アパッチ)、nginex(エンジンエックス)などがあります。

また、webサーバと通信するときは、HTTPというプロトコルが用いられます。

そして、ネット上のデータには、URIという、場所を示す情報が与えられました。

URIは,web上にあるあらゆるファイルを認識するための識別子の総称で,URLと URNの総称です.

ファイルの「住所」を示すのが URL,「名前」を示すのがURNです.

ウェブブラウザ

ウェブブラウザは、ウェブ上のデータを見るためのプログラムです。

ウェブブラウザに、URIを指定すると、該当するデータを取得してくれます。

ウェブブラウザには、Internet Explorer、GoogleChrome、Firefox、Safariなどがあります。

言語

ウェブで標準的に用いられる言語は、HTMLです。

文書の論理的な構造を表現するための文書記述言語です。

HTMLは、純粋なテキスト(プレーンテキスト)に、タグという、文書以外の情報を付け加えたものです。

たとえば、本文を表す<body>タグや、見出しを表す<h1>タグ、段落を表す<p>タグなどがあります。

さらに、HTMLと組み合わせて使用される言語に、CSSやJavaScriptがあります。

CSSは、色やサイズといった表現をするための文書修飾言語です。

また、JavaScriptは、文書に動きを与えるための言語です。
JavaScriptを用いることで、インタラクティブなユーザーインターフェースが実現可能です。

別に、webサーバと連動して動作するプログラムをつくるときに使用される言語として、PHP、Ruby、Python、Javaなどのプログラミング言語があります。

これらの言語で作られたプログラミングは、ユーザー側ではなく、webサーバ側で動作します。

これらのプログラムは、通称、「サーバサイドプログラム」あるいは「webアプリケーション」と呼ばれます。

以上,かんたんなまとめでした.

カテゴリー
仮想通貨 投資

ダウ理論の解説

今回のテーマは、ダウ理論です。

ダウ理論

ダウ理論は、「どんな分析手法も、ダウ理論に由来する」と言われているほど有名な理論です。

ダウ理論は、ダウジョーンズ社の設立者であるチャールズ・H・ダウ(1851〜1902年)による理論です。

ダウ理論は、100年以上前から存在する理論ですが、理論のほとんどは、今もなお現役と言われています。

ダウ理論の大前提となっているのは、「株価は需要と供給のすべてを織り込んでいる」ということです。

つまり、チャートは、将来に起きることを全て取り込んで動いているから、チャート分析で、将来の価格を予測できるということです。

その理論には、いくつかの基本原則があります。

その柱は、「市場には3つの動きがある」というものです。

主要トレンド(primary trend)

第1の動きは主要トレンドです。

大きな方向性で、強気(ブル)と呼ばれる上昇トレンドと、弱気(ベア)と呼ばれる下降トレンドがあります。

二次的調整(secondary reaction)

主要トレンドが強気の中での下落、あるいは、主要トレンドが弱気の中での上昇を、二次的な調整といいます。

日内変動(daily fluctuation)

一日の中での動きを、日内変動といいます。

 

さらに、ダウ理論は、上記の「主要トレンド」の形成について、つぎのように説明しています。

強気のトレンド

まず、強気のトレンドは、株価が前につけた高値を更新し、その後、いったん株価が下がっても、前回の高値を下回らずに、再び上昇し、高値を更新する動きです。

そのプロセスは、第1段階〜第3段階の三つのプロセスからなります。

かんたんに言えば、「先行投資家が参加する第1段階」→「多くの投資家が追随する第2段階」→「初心者が殺到する第3段階」という流れです。

第3段階では、勝っている投資家が、いつ売り抜けようかとタイミングを探っています。

その売り抜けがどんどん連鎖すると、相場は一気に急落していきます。

つまり、強気トレンドの最終局面です。

2017年のビットコインの強気のトレンドは、まさに、この3段階のプロセスを経ていましたね。

弱気のトレンド

一方、弱気のトレンドは、株価が前につけた安値を下回って下がり、いったん株価が上昇しても、前回の高値を上回らずに、再び下落し、また安値を更新する動きです。

弱気のトレンドも、第1段階〜第3段階の三つのプロセスからなります。

「株価の上昇を諦める第1段階」→「ビジネスの悪化で株価の価値が下がり売られる第2段階」→「もはや株を持っていたくないと投げ売りされる第3段階」という流れです。

カテゴリー
仮想通貨

国産コインSKILLCOIN

今回は、スタートアップの株式会社SKILL(6月4日に法人設立)の発行するSKILLCOIN(スキルコイン)の紹介です。

ブロックチェーンを技術を活用した人材サービスを展開する予定です。

このサービスでは、「リファレンス機能」が重要です。

リファレンス機能とは、ある人物を知る第三者が、プロフィールや、スキル、職務経歴などの記載内容が、「真実である」と保証する仕組みだそうです。

承認された情報はブロックチェーンに記帳されます(改ざん不可)。

承認した第三者には、トークン発行というカタチで「報酬」が提供されます。

公式サイト:https://skillcoin.foundation/

ホワイトペーパーが公開されていますので、興味があれば、ぜひ読んでみてください。

2018年内にも実証実験のスタートを計画、2019年には人材マッチングサービスをローンチする予定だそうです。

SKILLCOIN

執筆時点でのスキルコインの上場先はこちらです。

・CoinExchange.io

・Stocks.exchange

・MERCATOX

確認時点の価格は、1枚あたり、0.00000002BTCです(めちゃめちゃ安い)。

スペックはこうです。

公式のTwitterはこちら:https://twitter.com/SKILLCOIN_JP

Discordへの参加はこちら:https://discordapp.com/invite/uWxddKh

これからに期待が持てそうな通貨ですね。

いまの価格なら、少額で大量保有が可能でしょう。

なお、スキル社は、ビジネスモデルに関する特許出願をするなど、プロジェクトの進捗状況は良好なようです。