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グループホームは退去(退所)させられることがあると聞きましたが本当ですか?

グループホームは認知症の方が入所する施設です。

しかし、グループホームによっては、認知症の症状が悪化して周囲に迷惑をかける度合いが大きくなると、その高齢者の退去を要求してくることがあります。

基準は施設ごと

実は、グループホームの退所条件について、法律では何も決められていません。

したがって、認知症が悪化して周囲に迷惑をかける高齢者をどうするのかについて、施設ごとに、独自の基準で判断されることになります。

きちんとした施設は、入所時の契約書にもとづいて退去をせまることになりますが、契約書に詳しい記載のない施設では、基準があいまいになりがちです。

事前の確認が重要

グループホームを選ぶときに、退去させられる条件や基準を確認しておきましょう。

一般的には、他人に暴力を振るったり、ひどい暴言を吐いたりする場合や、物を壊す場合があてはまります。

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入院患者や要介護者の身体拘束の条件

身体拘束

身体拘束は、基本的人権や人間の尊厳を害するため問題となります。

介護施設では、平成 11年 3月に厚労省から基準が示されて以降、身体拘束されるような事例は減っています。

この基準とは、「指定介護老人福祉施設は、指定介護老人福祉施設サービスの提供にあたっては、当該入所者または他の入所者等の生命または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他利用者の行動を制限する行為を行なってはならない」というものです。

具体的には、以下の行為が原則として禁止されています。

① 徘徊しないように車椅子や椅子、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。

② 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。

③ 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。

④ 点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。

⑤ 点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように、 手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。

⑥ 車椅子や椅子からずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y 字型抑制帯や腰ベル ト、車椅子テーブルをつける。

⑦ 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する。

⑧ 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。

⑨ 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。

⑩ 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。

⑪ 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。

(厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」2001より)

しかし、現場では「安全」を優先させて拘束しなければならない場面が、多数あることも事実です。

ここでは、例外的に身体拘束が可能となる条件について紹介します。

精神科病院や介護施設

認知症などが原因で暴れたり、他人に暴力を振るう高齢者は、精神科病院や、介護施設においては、一定の基準のもと、身体拘束することが許されています。

身体拘束の基準

身体拘束は、以下の3つの条件を満たす必要があります。

切迫性、非代替性、身体拘束の一時性です。

この3つの要件が満たされない時は、基本的に、入居者の身体を 拘束してはなりません。

なお、この基準を定める規定には、以下のものがあります。

・『精神科病院の入院患者に対する身体拘束に関する規定』

・『介護老人保健施設の人員, 施設及び設備並びに運営に関する基準』

・厚生労働省分科会執筆に係る 「身体拘束ゼロの手引き」

一般病院ではどうか

一般病院での患者の身体拘束については、法令や行政の基準は存在しません。

裁判例

ただし、過去の最高裁判例で、夜間せん妄の患者について、転倒や転落を防ぐため、夜勤帯にミトンで両手をベッドに2時間ほど固定した事例で、拘束が「適法」と判断されたケースが有ります(最高裁H22.1.26第三小法廷判決)。

この事案を参考にすると、「患者の安全確保のために必要」と明確にいえる場合は、拘束が許されると言えそうです。

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認知症で「食事はまだか」と言うときの対処法

認知症と食欲

認知症になると、いまさっき摂った食事の記憶をなくしてしまいます。

また、満腹中枢の働きが弱くなっているので、食欲をコントロールできなくなります。

たとえば、次のようなケースがあります。

困ったエピソード

認知症の父親を持つAさんは、異常なまでの食欲を持つ父親に困惑していました。

食事が終わってすぐに「まだ食べていない」と言い張ります。

夜中には冷蔵庫をあさるようになったり、食器棚を詮索したりもします。

さらに、デーサービスで他人の弁当に手をつけたり、お菓子を奪ってしまったりと、トラブルにもなったことまでありました。

体重は増え続けて、血糖値も上昇し、医師に注意をされるほどでした。

対応方法

認知症の人が「食事をしたい」と言ってきた場合に、注意したり怒ったりしても、認知症の高齢者が不満をもつだけで、解決にはならないことがほとんどです。

これについては、「いまご飯を作っています」、「わかりました」などと伝え、少しの時間を待たせるようにして様子を見ると良いとされています。

話をそらすのも有効で、なるべく食事の話題から遠ざけることが良いようです。

どうしても我慢できない様子のときは、簡単なお菓子を与えると、落ち着く場合もありますので参考にしてください。

なお、食べ物をあさる場合は、冷蔵庫にカギをしておくと良いでしょう。

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認知症で着替えを嫌がるお年寄りをどう誘導するか?

認知症になると、なぜかお年寄りは、着替えを面倒に思ったり、衣服を選ぶことに抵抗を感じたりします。

本人は、「いま着ている服でいい」、「そのままで十分」と考えるようです。

これは、清潔さや不潔さについて、鈍感になるからだと言われています。

身だしなみも整えなくなるというケースもあります。

着替えを誘導するには

着替えが必要なときは、まず、介助者がいっしょになって、服を選んであげることが大切です。

そして、認知症の人は、順序よく着替えることが苦手ですから、手順を横でアドバイスしながら着替えてもらうのが良いでしょう。

また、放っておくと何日も着替えない場合がありますから、自発的に着替えてもらうように勧めます。

たとえば、外出(往診やデイサービスなど)の機会を設けたり、家にお客を呼んだりして、着替えをするきっかけをつくると良いでしょう。

さらに、自分ひとりで着替えてもらいたい場合には、マジックテープやゴムを使った着替えやすい服を用意しておく、衣装タンスに「ズボン」などと中身を書いた張り紙をする、などの工夫をするのも良いでしょう。

言ってはいけないこと

なお、着替えをしないことを、「みっともない」、「不潔だ」などと言うと、ネガティブな感情が残るため、本人をたしなめようとするのは控えましょう。

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認知症で「家に帰りたい」と言うとき(夕暮れ症候群)の対応方法

夕暮れ症候群

認知症のよくある症状に「夕暮れ症候群」といわれる症状があります。

「日没症候群」あるいは「たそがれ現象」ともいわれます。

これは、夕方から夜間にかけての時間帯に急に落ち着かなくなり「帰宅したい」と思ってしまう症状です。

こんな発言がでる

認知症の方は、記憶障害などにより、今いる場所を、知らない場所と感じていまいます。

そして、「ここは自分の家ではない」「自分の家に帰らなければいけない」などと発言します。

これは、生まれた家や、記憶の中の家に帰ろうとしているようです。

これに対して、正直に「ここが家だ」と否定するのは、不安や不信感などネガティブな感情にさせるだけで、実はよくありません。

また、「ここに居ろ」などと言うと、引き留められていると感じてしまいます。

対応方法

このようなときは、「そこまで送りましょう」などといい、近所をいっしょに散歩すると良いと言われています。

歩いているうちに気持ちが落ち着き、家に戻ってくれるようになります。

あるいは、「お茶を飲んでからにしましょう」などと言って、気をまぎわらす方法も良いでしょう。

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認知症の家族が「見捨てられた」「嫌われた」と言うときの対処法

見捨てられ妄想

認知症の症状のひとつに、「見捨てられ妄想」があります。

これは、家族から見捨てられたと感じてしまう被害妄想です。

たとえば、家族が会話をしているのを見て「家族が私を見捨てる相談をしている」、「どこかへ追い払おうとしている」と思い込むことがあります。

また、会話に入れないときに、「仲間はずれにされた」と感じることもあるようです。

原因

根本にあるのは、お年寄りの不安や寂しさです。

日頃、「家族に迷惑をかけている」という思いや、「家族に見捨てられたら生きていけない」という考えが、見捨てられ妄想を生み出してしまいます。

対応方法

妄想に対して否定したり、反論したりすると、ますます高齢者との関係は悪くなってしまいます。

きちんと「見捨てられたくない」という思いに向き合うことが重要です。

認知症の高齢者との会話を増やし、つらい気持ちや不安な気持ちを聞き取ってあげましょう。

耳を傾ける姿勢をみせることで、認知症の高齢者の安心に繋がります。

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認知症で便(ウンチ)を食べてしまうときの対策

認知症になってしまい、症状が進行すると、まれに、自分の便を食べてしまうことがあります。

便を便だと理解できないことが原因です。

対策法

対策法は、自立している場合は、排便を必ずトイレでさせることです。

オムツにさせてしまうと、そこから自分の便を取り出して食べてしまう可能性があります。

寝たきりの場合は、オムツに手が届かないなように工夫するしかありません。

たとえば、ミトンのようなもので、手にある程度の制限をかけてあげるのがよいと思われます。

食中毒にならないか

便を食べることから、衛生上の問題、とくに食中毒を起こして嘔吐や腹痛、下痢にならないかと心配される家族の方がいるかもしれません。

しかし、自分の便を食べて食中毒になることは基本的にはありません。

現在なにも症状がなければ、便の中に食中毒を起こす菌やウイルスはいないものと考えて良いでしょう。

むしろ肺炎が心配

しかし、便を食べることで一番怖いのは、便の中の細菌が、誤嚥などで気道へ入り、肺炎を起こすことです。

肺炎は、高齢者の主要な死因となっていますから、肺炎を防ぐという観点で見ると、便を食べる行為はやめさせなければいけません。

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認知症でトイレ以外で排尿や排便をしてしまうときの対処法は?

認知症になったお年寄りが、トイレ以外で排尿(おしっこ)、排便(うんち)をしてしまうことがあります。

トイレ以外で排泄してしまうのが、自宅で介護している家族だと大変です。

ひとたびこのような事件があると、介助者は一日中、心配していなければならず、夜も安心して眠れません。

原因

原因のひとつとして、本人が、トイレの場所を思い出せないか、理解できなくなっている可能性があります。

対策

毎回トイレ誘導するというのもひとつの手ですが、現実的には難しいかと思います。

そこで、対処法として、トイレまでの廊下に、「トイレはこっち」などと矢印を書いた張り紙や、トイレの扉に「トイレ」と書いた張り紙をする方法があります。

また、廊下や部屋に排尿や排便してしまったときに備えて、防水シートを敷いておくと、少し安心することができます。

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弄便(便いじり、便こね)の対策は?施設入所を考えるべき?

排泄に関する不潔な行為として、弄便(ろうべん)があります。

主に認知症のお年寄りに見られる行為です。

在宅介護をしていて、弄便が施設に入れるきっかけになったという方は多いようです。

原因

弄便の原因には、つぎのようなものがあります。

排便後のオムツが気持ち悪い

排便後のオムツが不快なため、便を手で取り出してしまいます。

すると、手が汚れたことを嫌って、便を壁や衣服などにこすり付ける等してしまいます。

便秘

便秘が続くと、不快感が持続し、便を自分で取り出そうとすると言われています。

失禁を知られたくない

認知症になっても羞恥心はあります。

オムツに便をしてしまったことを知られるのが嫌で、家族にこっそり片付けようとして、家の中に隠したり、壁や衣類などに塗り込んでしまうことがあります。

施設入所は必要!?

弄便は、治せないものと思われがちです。

いったん、治せないと思ってしまうと、手をミトンで拘束したり、つなぎ衣服を着せたりと、悪い方向にいってしまいます。

また、家族が見切りをつけて、施設入所を検討するといったことにもなってしまいます。

しかし、実は、対策をすることで、治すことが可能と言われています。

治すことで、在宅介護を続けることが可能になります。

対策

排泄パターンを把握して、積極的にトイレ誘導を行うのが良いと言われています。

たとえば、「トイレへ行きましょう」と声をかけてから数メートル歩いてもらうことにより、「トイレへ行く」ことの認識ができるようになります。

また、トイレの中では、そこがトイレ だと認識できないことがあるため、まずはトイレと認識してもらう必要があります。

具体的には、衣類の着脱など、できないところを介助しながら、ひとつひとつの動作について、声かけしてから数秒待つようにします。

それにより、次第に、自分で「ズボンに手をかける」「トイレットペーパーをとる」などの動作ができるようになります。

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認知症で「盗んだ」「盗まれた」と言われたときの対処法は

もの盗られ妄想

認知症のお年寄りを介助していると、たびたび、お年寄りが妄想にとらわれる場面に出くわします。

中でも、「ものを取られた」、「お金を取られた」、「財布を盗まれた」などと被害を訴えるケースがあります。

その多くは、家族やヘルパーを犯人扱いするものです。

これは、「もの盗られ妄想」と呼ばれています。

原因は、財布などの大事なものを自分で片付けたのに、片付けたことや、片付けた場所を忘れてしまっているのが原因です。

対応策は

認知症の人も普通の人と同じ心の動き

認知症の人が示す心の動きは、実は普通の人が本来もっているものと同じと言われています。

失敗すれば周りの目が気になるし、言い訳もします。

否定されれば、反発したり被害妄想的になったりもします。

したがって、「私は盗ってはいません」と返事をするのはよくありません。

また、「訳のわからないことを言うな」、「お前が忘れているだけだ」などと非難してしまうのはもっとよくありません。

うまく聞き流すことが大事

そんな時は、「何か困っているの?」とか、「一緒に探そう」と声をかけてあげるのが良いでしょう。

やわらかい態度で接すると、認知症の人でも、少しは落ち着きを取り戻します。

そして、しばらくしたら、「見つからないので後でまた探しましょう」と言い、ひとまず諦めさせると良いでしょう。

あるいは、似たような財布を別に用意しておき、財布を探し始めた時に、目につきやすい場所に置くという手もあります。