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非糸球体型赤血球と糸球体型赤血球の違い

尿中の非糸球体型赤血球と糸球体型赤血球とについて解説します。

非糸球体型の赤血球

下部尿路系の出血(非糸球体性)では、赤血球は、同一標本上では、大きさにバラツキはあっても、形態がほぼ均一で単調です。

このような尿中赤血球形態を示すものは、非糸球体型赤血球あるいは均一赤血球(isomorphic RBC)と呼ばれます。

小分類には、『円盤状赤血球』、『球状赤血球』、『円盤•球状移行型赤血球』、『膜部顆粒成分凝集状脱ヘモグロビン赤血球』があります。

非糸球体型赤血球には、尿浸透圧や尿 pH などにより、萎縮状や膨化状、円盤状、球状などの形態を示すものも含まれます。

糸球体型の赤血球

糸球体からの出血(糸球体性)では、赤血球は、不均一な形態を呈し大小不同または小球性を示します。

形状はコブ状、ドーナツ状、標的状など多彩です。

このような尿中赤血球形態を示すものは、糸球体型赤血球あるいは変形赤血球(dysmorphic RBC)と呼ばれます。

小分類には、『有棘状不均一赤血球』、『ドーナツ状不均一赤血球』、『ドーナツ•有棘状不均一混合型赤血球』があります。

赤血球円柱をはじめ種々の円柱や蛋白尿を伴う場合が多くなります。

なお、糸球体糸球体型赤血球の出現機序については諸説あり、1)赤血球が糸球体基底膜を通過する際に赤血球膜に機械的損傷を受けるため変形するとの説、2)赤血球がネフロンを通過する際に急激な浸透圧変化を受けるために変形するとの説、3)その両方であるとする説があります。

鑑別のポイント

両者は、赤血球のくぼみの形状が均一か、そうでないかが、鑑別のポイントとなります。

一般的に、「非糸球体型」の赤血球は、赤血球の中央部分(くぼみ部分)の膜の形状が均一で、丸くくぼんでいます。

一方、糸球体型の赤血球は、くぼみの形状が、不均一でいびつな形状をしています。これは、糸球体型赤血球の多くが、脱ヘモグロビンの状態にあることと関連しています。

なお、判断が難しいものとして、『コブ赤血球』、『球状赤血球』がありますが、これらのうち、穴があいていないものや、穴があっても穴の小さいものは、「非糸球体型」の赤血球であり、それら以外は、「糸球体型」であると考えられています。

また、『ドーナツ型赤血球』については、辺縁が丸く均一なものは、「非糸球体型」の赤血球であり、穴が大きいものや、穴の形状がいびつなものは、「糸球体型」の赤血球であると考えられています。

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医療

目が痛い、目やにが出る性病

性交渉のあと、しばらくして目が痛くなる(眼痛)ことや、目やに(目脂)が多く出てくることがあります。

性病としては、淋菌(リン菌)やクラミジアへの感染が疑われ、結膜炎を起こしているかもしれません。

菌が付いた手指やタオルなどで眼をこするなどすると、感染します。

淋菌

成人の場合は、感染してから半日~3日の潜伏期で発症しますので、思い当たる場合は注意が必要です。

淋菌性結膜炎は化膿度が強く、めやに(眼脂)は膿があふれ出るようなクリーム状になります。

これは医学用語では『膿漏眼』と呼ばれています。

ほかには、結膜が充血する、水がたまり浮腫となる、まぶた(眼瞼)が腫れる、涙が出る、眼痛などの症状が出ます。

ほとんどが、左右の目に症状が出てきます(両眼性)。

ひどくなると、角膜潰瘍、角膜穿孔など重篤な合併症を伴 う可能性のある疾患です。

この病気は、抗菌薬の投与で治る病気です。

点眼薬(目薬)や、点滴で投与を行います。

ただし、重症の場合、視力の低下を伴うことがあります。

クラミジア

クラミジア結膜炎は、クラミジアによる尿道炎や子宮頚管炎から、菌が手指を経由して感染します。

結膜の充血や、膿のような目やに(粘液膿性の眼脂)、まぶたの腫れ(眼瞼腫脹)が主な症状となります。

医学用語では、『急性濾胞性結膜炎』と呼ばれている症状です。

リン菌と同じように、抗菌薬の投与で治る病気です。

自宅で検査

ネット上では、自宅で性病の検査ができる検査キットが、いくつも紹介されています。

匿名で(名前を知られずに)、郵送で結果が分かりますので、だれにも知られる心配はありません。

いずれの会社も、クラミジア、淋菌、トリコモナス、梅毒、HIV、ヒトパピローマウイルスなどに幅広く対応しています。

検査の値段を比べて、自分に合うものを選べばよいでしょう。

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医療

高齢者の脱水の症状,診断,合併症,治療

高齢者と脱水について、症状、診断、合併症、治療について解説します。

脱水とは

脱水とは体液量が減少した状態です。

具体的には、細胞外液量が減少した状態です。

体液の主要成分である水とナトリウムが体外に喪失します。

脱水の症状と診断

脱水の身体所見

口渇など

脱水になると、口渇感や倦怠感が生まれます。また、発汗量の減少や、口腔内や腋窩(えきか)の乾燥がみられます。

ツルゴール低下

皮膚を爪でつまみ上げてしわを作り、それが元に戻るまでの時間が長くなります(いわゆる皮膚のツルゴール低下)。

脈拍数と血圧

脱水が生じると体内の循環血液量を維持しようとするので、脈拍数と脈圧(最高血圧と最低血圧の差)が上昇します。

さらに脱水が進行すると血圧低下をきたします。ベッドを45度挙上した状態での右内頸静脈の拍動波が認められなくなります。

脱水の血液検査

ヘマトクリット(Hct)

細胞外液量(循環血液量)の減少と比例して上昇します。

BUN

尿細管からの再吸収が高まるためBUNが上昇します。

BUN/Cre

Creに比べてBUNが上昇します(比が20-25を超える)。

尿比重

脱水があると尿中の水分を再吸収して循環血液量を増やそうとするので、尿量が減少し、尿比重が増加します。

1.020以上であれば脱水症と判断します。

尿ケトンと尿糖

脱水が有る場合には、体内でケトン体産生が高まり、尿の定性検査でケトン体が陽性となります。

このとき尿糖が陽性であれば、糖尿病性ケトアシドーシスを疑います。

血液ガス

重症の脱水では、末梢循環不全による代謝性アシドーシスが起こります。

電解質

ナトリウムの値によって、脱水の分類の診断に役立ちます。

脱水の分類には、水が欠乏する「高張性脱水」、ナトリウムが欠乏する「低張性脱水」、両方が欠乏する「等張性脱水」があります。

高齢者が脱水しやすい理由

ここで、高齢者が「脱水」になりやすい理由を挙げておきます。

筋肉量の減少

筋肉は多くの体液を含んでいるため、高齢者のように筋肉量が減少していると脱水のリスクが高くなります。

口渴中枢機能の低下

高齢者は、のどの渇きを感じる「口渴中枢」の機能が低下しています。

体液が減少してものどのかわきを自覚しにくく、水分摂取が遅れがちです。

腎機能の低下

高齢者は、腎機能が低下しています。

そのため、腎臓で水分や電解質を再吸収しにくくなる結果、水分や電解質が失われて、脱水のリスクが高まります。

食欲・嚥下機能の低下

加齢で食が細くなったり、食べものを飲み込む「嚥下機能」が低下したりすると、全体的な食事量が減り、水分と電解質が不足します。

水分摂取の抑制

高齢者は、ADHと呼ばれるホルモンに対する腎臓の反応が低下し、腎臓で水分と電解質の再吸収がうまくできなくなります。

その結果、尿がたくさん出るようになります。

高齢者が頻繁にトイレに行くことを嫌がったり、介護者に気を使ったりして、水分摂取を制限すると、脱水におちいりやすくなります。

薬剤の影響

高齢者は、基礎疾患に、高血圧や心不全をもっている人が多いです。

高血圧や心不全の治療薬の中には、血圧を下げ、心臓の負担を減らすために利尿効果のあるものがあります。

これらの治療薬を使用すると尿量が増え、体液を失いやすくなります。

合併症

脱水による循環血液量の減少は、さまざまな合併症を引き起こします。

たとえば、腎臓への血流が低下することで腎不全が生じます。

また、血液濃縮によって血栓塞栓を起こしやすく、 脳梗塞や心筋梗塞などのリスクも上がります。

また、喀痰の粘性が増加して、喀痰の喀出が困難になり、無気肺や肺炎のリスクが増加します。

重篤な場合は、循環血液量減少性ショックという低血圧性ショックを引き起こすこともあります。

脱水の治療

脱水症状が現れた場合には、脱水の程度に応じて、以下の処置を行います。

重篤な合併症の防止のためにも、脱水の早期発見と対策が重要です。

脱水が軽症の場合

のどのかわきを感じたり、食欲が減退する程度であれば水や、ミネラル類を含んだスポーツドリンクを飲むことで回復できます。

飲みものは10°C前後の冷たいもののほうが吸収が速くなります。

脱水が重症の場合

脱力感や眠気、頭痛などを起こすほどの脱水の場合には、医療機関で点滴による水分補給を受けると早く回復します。

チアノーゼ、低血圧、昏睡などがみられる極めて重症の脱水の場合は、医療機関で緊急の処置を受ける必要があります。

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医療

ステロイドの副作用

ステロイドには炎症を抑える働き(抗炎症作用)、免疫抑制作用などがあります。

しかし、糖・脂質の代謝や、骨の代謝、電解質バランスに影響を与える結果、副作用があります。

ステロイドの副作用は、投与直後から現れるものと、長期投与に伴って出現するものとがあります。

ここでは、時期に応じた副作用を紹介します。

投与直後の副作用

投与直後には、高血糖や精神症状などが現れます。

高血糖

ステロイドは血糖値を上昇させる働きをします。

このため、ステロイド投与後に急に血糖値が上昇することがあります。

したがって、糖尿病の患者には、できるだけステロイドは投与しないようにします。

ただし、糖尿病であっても、ステロイドが必要な患者には、インスリンで血糖コントロールをしながらステロイドを投与することがあります。

終末期

なお、終末期(ターミナル)の患者では、厳密な血糖コントロールは行ないません。血糖値か200~250mg/dLくらいの高血糖でも、問題にすることはありません。

精神症状(不眠・せん妄)

ステロイドのせいで、不眠やせん妄などの精神症状が現れることがあります。

不眠を防ぐため、ステロイドを投与するときは、なるべく午前中に投与します。

なお、高齢者や肝機能の低下した方は、ステロイドによるせん妄を起こしやすくなります。

1~2カ月後にみられる副作用

投与を、はじめて1ヶ月から2ヶ月経つと、消化性潰瘍、易感染、ムーンフェイスなどが現れます。

消化性潰瘍

ステロイドは消化性潰瘍の副作用があります。

さらに、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と併用すると消化性潰瘍のリスクが約15倍増加するといわれています。

易感染

ステロイドは免疫抑制作用があります。

したがって、長期投与になると感染症のリスクが上がります。

特に注意が必要なものとして、結核があります。

結核にかかったことのある患者は、免疫抑制によって、結核が再燃することがあります。

満月様顔貌(ムーンフェイス)

ステロイドによって、顔や体幹に脂肪が沈着します。

いわゆる中心性肥満です(クッシング症状)。

1カ月以上ステロイドを投与すると約3割の患者でムーンフェイスを生じると報告されています。

3カ月以降の副作用

ステロイドの投与が3ヶ月以上になると、つぎの問題が起こりえます。

骨粗鬆症

ステロイドを3ヶ月以上使用すると、骨粗鬆症による骨折のリスクが上がります。

ミオパチー

ステロイドの投与が3ヶ月続くと、ミオパチー(筋疾患)が問題になります。
ステロイドによって、筋肉細胞が分解され、筋肉が萎縮します。
ステロイドを長期間使用している患者が、筋力低下が目立ち動けなくなったときは、ステロイドミオパチーが疑われます。

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医療

血清リンの代謝,基準範囲,測定法

血清中のリン(P)の代謝、基準範囲、測定法について解説します。

代謝

リンは小腸からの吸収、細胞内外の移動、腎からの排出によって調節されています。

通常、副甲状腺ホルモン活性型ビタミンDが作用し、カルシウム(Ca)値と連動します。

ヒトの体内では、リンは「無機リン」あるいは「有機リン酸化合物」として存在します。

無機リン

無機リンは、自由に細胞の内外を移動します。

血清中の無機リンの約1/4は、蛋白質に吸着し、約3/4は、遊離型で存在しています。

また、体液中の遊離型無機リンは、PH調節、組織細胞内でのエネルギー代謝、窒素代謝などの基礎的代謝に重要な役割を果たしています。

有機リン酸化合物

有機リン酸化合物は、その大部分がカルシウム(Ca)マグネシウム(Mg)と結合し、骨組織や、骨格筋の構成成分として多量に存在します。

また、細胞成分として、リン脂質、核酸、高エネルギーリン酸化合物などの多くのリン酸エステルとして体内に存在します。

基準範囲

血清中の無機リンを検査対象とします。

正常範囲は、2.5~4.8mg/dl (0.81~155mmol/L)です。

日内変動や、日差変動はありません。

ただし、年齢差があります。小児から思春期にかけて成人より高くなりがちです。

また、男女差もあります。中年では女性の方が男性より高くなります。

測定法

化学的測定法と、酵素的測定法があります。

化学測定法

化学測定法は、還元法(モリブデン酸法)です。

血清を除蛋白後、リン酸が酸性溶液中でモリブデン酸塩と反応することで形成するリン・モリブデン酸錯体を、還元剤(アミノナフトールスルホン酸など)で還元(Mo6+ → Mo3+)します。

そして、生成したモリブデンブルー(青色)を、比色定量します(フィスケ・サバロウ法)。

また、リン・モリブデン酸と塩基性色素マラカイトグリーンとを反応させて、緑色の複合体を生成させ、578nmで比色する方法もあります(マラカイトグリーン法)。

酵素的測定法

酵素的測定法には、①グリコーケンからグルコース1-リン酸を生成させ、ホスホグルコムターゼでグルコース6-リン酸とし、グルコースー6-リン酸デヒドロゲナーゼでNADP十をNADPHにして340nmの吸光度変化としてとらえる方法(PL-PGM-G6PD法)、および、②イノシンと未知量のリン酸とでヒポキサンチンを生成させ、キサンチンオキシダーゼで酸化し、過酸化水素を生成させて発色させる方法(NP-XOD+POD法)があります。

留意点

検体を全血のまま長時間放置したり、溶血状態であったりすると、高値を示します。

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医療

滅菌の種類(加熱・濾過・ガス・紫外線・放射線)と消毒

滅菌の種類と消毒について解説します。

滅菌とその種類

滅菌とは、物質などに含まれる微生物を完全に死滅させるか除去することです。

すなわち、無菌状態にすることです。

医療現場で国際的に求められる無菌性 保証水準(sterility assurance level:SAL)は、10−6個です。

これは、1,000,000 個の菌を滅菌したときに、生存する菌が1個しかないという水準を意味します。

滅菌には、加熱、濾過、ガス、放射線による方法などがあります。

1 加熱

高圧蒸気滅菌法

滅菌法のなかで最も汎用されている滅菌方法です。

運転コストが安いのが特徴です。

高温・高湿に耐えられる器材に対しては高圧蒸気滅菌が第 1 選択となります。

方法としては、オートクレーブを用いて、2気圧、121度の状態で、15~20分保持します。

飽和水蒸気で加熱することで、微生物の蛋白質を変性させて 微生物を殺滅します。

たとえば、培地類、包帯、汚物などの滅菌に使用されます。

医療機器など、蒸気の流入が不十分になる物体の滅菌には、いったん装置内の空気を抜き、温度を126~135度の範囲とします。

耐水性のないもの、無水油、粉末などは適用外となります。

なお、高圧蒸気滅菌に耐えられない器材に対しては、後述するガスによる低温滅菌法が行われます。

乾熱滅菌法

耐熱性の金属製品、ガラス器具、陶器製品などの滅菌に使用されます。

乾熱滅菌器で、160度以上、30分以上、温度を維持します。

火炎(焼却)滅菌法

汚染微生物を丸ごと焼却する方法です。

例えば、細菌検査に使する白金耳、白金線、試験管の口などの滅菌に用いられます。

なお、結核菌などの、細胞壁に脂質成分を多量に含む菌は、火炎に入れることで菌の飛散を起こす場合があり、フェノールなどによる前処理をするなど、注意が必要となります。

2 ガス

耐熱性のない容器には、殺菌作用の強いガス状の化学薬品を用いた滅菌法を使います。

高圧蒸気滅菌法と対比して、低圧滅菌法と呼ばれることがあります。

内視鏡、カメラ、麻酔器材など、さまざまな医療器具の滅菌に用られます。

以下のような滅菌方法があります。

EOG:エチレンオキサイドガス(酸化エチレンガス)

EOG によって、微生物の蛋白質や核酸酵素分子をアルキル化することで微生物を殺菌します。

なお、EOG は発癌性があるため、滅菌後には残留ガスの除去(エアレーション)が必要です。

過酸化水素ガスプラズマ

過酸化水素に高周波エネルギーを組み合わせて低温プ ラズマ状態を作り出し、活性種フリーラジカルにより微生物を殺滅します。

ホルムアルデヒド

十分に空気を除去して予備加熱をしたあと、飽和水蒸気と、ホルムアルデヒドとを混合し、微生物の蛋白質や核酸酵素分子をアルキル化することで微生物を殺菌します。

3 濾過

血液や、糖類溶液などの医薬品の滅菌に用いられます。

一般細菌よりも小さな孔をもつ濾過膜により細菌を除去します。

ウイルスは除去できませんが、通常の医薬品の滅菌方法としてはほとんど問題はありません。

4 紫外線、電離放射線

紫外線は、核酸に損傷を起こし、強い殺滅作用を示します。

なお、物質透過作用が低いため、物体表面や、空気の殺菌に使われます。

一方、電離放射線(ガンマ線や電子線)は、電離作用による核酸損傷が殺滅作用を引き起こします。

電離放射線は、プラスチック製の、注射器、ピペット、フラスコなど、使い捨てプラスチック容器などに用いられます。

消毒

「消毒」は、人体に有害な微生物の感染性を、物理的・化学的手段を用いて除去するか、その菌量を減少させることです。

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生物

細胞の形質膜を解説.

細胞の形質膜について解説します。

形質膜の概要

形質膜(plasmamembrane)は、「原形質性の膜」あるいは「原形質(細胞質)をとり囲んでいる膜」という意味の用語です。

形質膜は、細胞膜とも呼ばれます。

形質膜は、細胞の内外を隔てる膜で、脂質二重層の生体膜からなり、疎水基を膜の中央部に向け、かつ、親水基を膜の内面および外面に向けています。

ヒトの細胞膜は、物性的には、厚さ2nmの親水性の内層と外層、および、厚さ3.5nmの疎水性の中間層の3層構造です。

形質膜に関するタンパク質

形質膜は、主に、リン脂質と膜タンパク質とからなります。

ほかには、少量のコレステロ-ルと、糖脂質があります。

形質膜の構造

脂質二重層

リン脂質、コレステロール、糖脂質の3種類の脂質分子で構成された層が、脂質二重層です。

膜タンパク

膜タンパクは、実際には、タンパク質に糖が結合した糖タンパク質です。

膜タンパク質には、内在性タンパク質と、表在性タンパク質の2種類があります。

内在性タンパク質は、脂質二重層の中に伸び、あるいは、貫いて伸びています。

表在性タンパク質は、膜の内表面あるいは外表面にゆるく結合しています。

膜タンパクの多くは、脂質二重層の中を自由に移動できます。

形質膜と輸送

物質が形質膜を横切る方法(輸送方法)には、受動輸送、能動輸送、小胞による輸送の3種類があります。

受動輸送

受動輸送には、「拡散」と「浸透」があります。

拡散は、物質がもつ運動エネルギーにより、物質が移動することです。 高濃度から、低濃度へ、濃度勾配に従って移動します。

拡散は、単純拡散と促進拡散に分類されます。

単純拡散には、脂溶性物質の拡散(脂質二重層を通ることによる移動)や、イオンの拡散(イオンチャンネルを通ることによる移動)があります。

促進拡散は、内在性膜タンパク質の手助けによる物質の拡散のことです。促進拡散で移動する物質としては、たとえば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、尿素があります。

浸透は、形質膜を通る、水の移動を意味します。

水分子は、脂質二重層や、水チャンネル(内在性タンパク質)を介して、形質幕を横切って移動します。

能動輸送

能動輸送は、「ポンプ」呼ばれるタンハクでできたトランスポーターの形を変化させ、細胞膜を横切って、物質の濃度勾配と逆方向に、物質を運び出す輸送のことを意味します。

能動輸送される主な物質は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、ヨウ素イオン、塩化物イオンなどのイオン類です。

もっとも重要なポンプは、細胞からNaを吐き出し、K+を取り込むポンプ(ナトリウム-カリウムボンプ)です。

すべての細胞は、多数のナトリウム-カリウムホンプをもっており、これらのホンフは、Naの濃度勾配に逆らって、Naを細胞外に排出することで、サイトゾルのNaの濃度を低く保っています。同時に、ポンプは、Kの濃度勾配に逆らって、Kを移動きせます。

なお、シアン化物のようなATPの賛成を阻害する薬物は、細胞の能動輸送をとめてしまいます。

小胞輸送

小胞は、細胞膜がちぎれててきた小さな袋です。

その役割は、細胞のある場所から、別の場所へ物質を移送すること、細胞外液から物質を取り入れること、細胞外液に物質を放出することです。

小胞の移動には、物質が細胞内に移動する「エンドサイトシートス(細胞内取り込み)」と、小胞が形質膜に融合して小胞内の物質を細胞外に出す「エクソサイトシートス(細胞外放出)」の2種類があります。

なお、小胞の移動には、ATPによるエネルギーが必要です。

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医療

ノカルジア症の感染経路,病態,診断,治療

ノカルジア症(nocardiosis)の感染ルートや、病態・診断・治療について解説します。

定義

ノカルジア症は,放線菌目に属するノカルジア属菌の感染によって発症する感染症です。

感染ルート

ノカルジアは、土壌などの自然界に広く分布しています。

外傷などにより皮膚に感染したり、経気道的に肺に感染したり、血流を介して中枢神経系や腎などの全身の臓器に播種性感染を生じたりします。

日和見感染症として発症することが多いです。

なお、ノカルジアには、Nocardia asteroides、N. farcinica、N. brasiliensis、N. novaなどの菌種がいます。

ヒトに感染し、発症する代表的なものは、Nocardia asteroidesです。

病態

一般的に、ノカルジアは、膿瘍を形成し組織を壊死させます。

したがって、発熱、疼痛などがみられます。

とくに、肺ノカルジア症では、咳や痰などがみられ、また、胸部X線所見では,多発もしくは孤立性の結節影や塊状影が特徴的で,空洞形成がみられることもあります。

また、中枢神経系の感染では、神経症状がみられます。

診断

膿瘍の穿刺液や喀痰などの検体から塗抹鏡検します(ノカルジアはグラム陽性桿菌)。

さらに、好気培養で菌の検出を試みます(ノカルジアは好気性菌)。

なお、Nocardia asteroidesは、40度から45度で培養すると、他の菌の発育を抑制できると言われており、培養には2週間以上を要することもあります。

レジオネラ選択培地であるWYO培地に発育可能であることから、WYO培地に喀痰を塗布して培養すると、分離率が向上します。

治療

抗菌薬の第一選択は、ST合剤(バクタ)です。

ミノマイシンや、アミカシン、イミペネムなども使用できます。

なお、皮膚ノカルジア症では、膿瘍の切開、排膿が重要です。

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医療

風疹の感染経路,病態,診断,治療

風疹の感染ルートや、病態・診断・治療について解説します。

定義

風疹は、トガウイルス科(Togaviridae family)の風疹ウイルスによる発疹性ウイルス感染症です。

感染ルート

感染経路は、鼻汁や気道分泌液の接触または飛沫感染です。

病態

潜伏期は2〜3週間で、全身性に斑状丘疹状の淡紅色紅斑が出現します。

ふつう、色素沈着や落屑を残さず(麻疹と異なる点)、数日の経過で消退します。

発疹出現数日前から3~6週間程度持続する耳介後部・後頭部・頸部を中心としたリンパ節腫脹が特徴です。

なお、症状が認められない不顕性感染は約15~30%程度存在するといわれています。

成人の場合、重症になる場合が多く、39℃以上の発熱と発疹が1週間程度持続したり、脳炎や血小板減少性紫斑病をまれに合併します。

診断

症状発現時から症状消失後5~6週間程度であれば,、enzyme immunoassay(EIA)による風疹特異IgM抗体が検出されます。

なお、偽陰性や偽陽性があることに注意する必要があります。

また、HI(hemagglutination inhibition)法により,急性期と回復期のペア血清で4倍以上抗体価の上昇があれば風疹と診断できます。

なお、軽症の麻疹,伝染性紅斑,溶血性連鎖球菌感染症、エンテロウイルスなどの種々のウイルス感染による発疹症などとの鑑別が重要です。

治療

風疹ウイルスに対する特異的治療法はなく,対症療法となります。

法律関係

感染症法では、5類感染症に属し全数報告とされています。

学校伝染病の第2種伝染病で、発疹が消失するまで登校停止となります。

検査に関しては、検体からの風疹ウイルスの分離培養や、RT-PCR法などによる風疹ウイルスの遺伝子検出は、健康保険適用がありません。

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医療

Q熱の感染経路,病態,診断,治療

Q熱について解説します。

定義

Q熱とは、偏性細胞内寄生菌であるCoxiella burnetiiのヒトへの感染に起因する人獣共通感染症です。

感染ルート

ウシやヒツジなど家畜からの感染例が多いと言われています。

また、保菌動物は多彩であり、都市型の発症例ではイヌ・ネコ・ハトなどが感染源となります。

感染経路は保菌動物由来の分泌物や排泄物の経気道吸入が中心となります。

ヒトからヒトへの感染は成立しないので隔離などは不要です。

病態

急性Q熱は、曝露後1〜3週間の潜伏期に続いて発症します。

曝露後の発症率は約50%と言われています。

高熱、頭痛、倦怠感、筋痛などの症状を呈し、インフルエンザ様の上気道炎や気管支炎・肺炎・肝炎・不明熱などの多彩な病像を呈します。

急性Q熱症例のうち、一部は心内膜炎などの病像を呈して治療抵抗性な慢性Q熱に移行する可能性があると言われています。

急性Q熱は予後良好な一過性の熱性疾患ですが、脳炎・心筋炎などの併発による死亡例も報告されています。

診断

血清抗体価の測定により診断します。ただし、IgG抗体価の上昇には1〜2か月かかる場合が多く、確定に時間がかかるようです。

治療

急性Q熱の第1選択薬はテトラサイクリン系薬です。

βラクタム薬やアミノグリコシドは無効です。

法律関係

抗体検査は保険適用外であるが、疑わしい症例に関しては検査会社を介しての外注、あるいは国内の研究施設、地域の衛生研究所などに依頼をすることも可能です。