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液体ミルクのアレルギーを疑うとき

液体ミルクとアレルギーを簡単に解説します.

アレルギーを疑うとき

液体ミルクを飲ませたら、赤ちゃんが泣きやまない、ウンチに血が混じっていた、などの事例が多くあります。

それは、ミルクアレルギーによる腹痛と、腸管からの下血の可能性が大きいです。

もちろん、便に血が混じる場合に考える病気としては、さまざまなものがあります。

たとえば、「食中毒」、「出血性大腸炎」、「潰瘍性大腸炎」、「便秘に伴う孤立性直腸潰瘍」などです。

しかし、乳児ではミルクアレルギーを第一に考えます。

これは、液体ミルクを与えている赤ちゃんによく発生します。

代用ミルクの大豆乳でも起こります。

アレルギーを防ぐには

近年は、アレルギー症状の強い赤ちゃん向けに、すぐれた加水分解乳が開発されています。

これは、アレルギーを引き起こすタンパク質が、細かく分解されたミルクです。

アレルギーがかなり強い場合は、高度加水分解乳もオススメです。

また、アミノ酸調整乳という液体ミルクも存在します。

いずれも、小児科医と相談してから赤ちゃんに与えるようにすると良いでしょう。

心配しすぎる必要はない

なお、アレルギーを心配しすぎて、はじめから加水分解乳を与える必要はありません。

まれに、『両親がアレルギーだから・・・』といって、はじめから加水分解乳を赤ちゃんに与えるママやパパがいますが、心配しすぎは良くありません。

何らかの症状が出てからでも遅くはないのです。

もっと詳しく知りたい方へ

液体ミルクによるアレルギーは、いわゆる 「消化管アレルギー」です。

正確には、「新生児・乳児消化管アレルギー」と呼ばれます。

このアレルギーは、血便、嘔吐、下痢やそれに伴う栄養障害、体重増加不良を主体とします。

適切な治療が行われずに、症状が慢性化すると(長引くと)、乳児の発育不良になる危険があります。

発症する時期は、大部分が新生児期で、とくに生後1 間後での発症が多くなっています。

検査

消化管アレルギーを疑うときは、スクリー ング検査を行います。

血液検査として、「抗原特異的IgE抗体」の測定や、「ALST」の測定をします。

また、顕微鏡検査として、便粘液中の「好酸球」を確認します。

乳児への治療方法

ふつうの食物アレルギーと同様、治療は、原因となるミルクを飲まないことが基本です。

液体ミルクを中止して、アレルギー用ミルクを飲んだあとに症状が無いこと確認します。

また、仮にスクリーング検査の結果がすべてマイナス(陰性)であっても、症状などから消化管アレルギーを否定できないときは、アレルギー用のミルク(加水分解乳)に変更します。

なお、もしも加水分解乳に対してもアレルギー症状が認め られるときは、アミノ酸調製乳を使用します。

なお、これまでは、アレルギー乳児に、大豆ベースの液体ミルクを与えることがありましたが、同じようにアレルギー症状が認められることが分かってきており、使用を控えることが望ましいと言われています。

治療後の経過

液体ミルクによる消化管アレルギーは、発症しても、2、3歳にもなれば、大部分が乳タンパクへの耐性を身につけられます。

ただし、液体ミルクにアレルギーを示す子どもは、米や大豆にもアレルギーをもつケースがあることが分かっています。

離乳食をはじめるときは、米や大豆を食べさせたときには注意して見守る必要があります。

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医療

液体ミルクで食中毒-原因は保管方法

液体ミルクと食中毒について解説します。

液体ミルクの中に菌がいる

一般に、「加熱調理された食品は安心だ。」と思っている人が多いようです。

たしかに、加熱することで、食中毒菌をはじめ、多くの微生物を殺すことができます。

液体ミルクは、法律で加熱殺菌が義務づけられていますから、大腸菌などの一般的な細菌は死滅します。

しかし、液体ミルクの殺菌方法では、数は少ないものの、乳酸菌をはじめとする何種類かの菌が生き残っています。

ですので、液体ミルクは冷蔵での流通が基本であり、もしも室温で放置すると、じつは、数日で腐敗します。

ただし、中には、完全な殺菌をして無菌充填された液体ミルクも存在し、これは室温での流通が可能です。

どんな菌が残っているか

加熱でも生き残る菌のうち、有毒なものは、いわゆる芽胞菌がほうきんと呼ばれる菌です。

熱に対してきわめて強い菌です。

聞きなれない名前かもしれませんが、たとえば、バチルス属(Bacillus)やクロストリジウム属(Clostridium)に属する菌があります。

もっと具体的には、「セレウス菌」、「炭疽菌」、「破傷風菌」、「ガス壊疽菌(ウエルシュ菌)」、「ボッリヌス菌」などです。

中でも、液体ミルクで、赤ちゃんの食中毒の原因にもっともなりやすいのは、セレウス菌です。

セレウス菌中毒は、嘔吐、下痢などを引き起こし、日本では焼飯やスパゲティーなどが主な原因になっていますが、牛乳に潜んでいるケースが報告されています。

セレウス菌は、加熱でほかの菌が死滅した環境では、むしろ増殖しやすくなります。

つまり、液体ミルクを室温で放置すると、セレウス菌が増殖しているという状態になってしまいます。

菌が混入することもある

ふつう、液体ミルクは、開封して、哺乳瓶に移します。

しかし、その間に、空気中の菌や、手についていた菌が混入したりする場合があります。

たとえば、上に述べた芽胞菌もそうですが、特にやっかいなのは、食中毒を起こす「黄色ブドウ球菌」です。

黄色ブドウ球菌は、増殖のスピードが非常に早く、液体ミルクを室温で放置すると、あっという間に増えてしまいます。

食中毒対策は

液体ミルクによる食中毒を防ぐには、液体ミルクの開封後に赤ちゃんに飲みきってもらうのがベストです。

もし全部を飲みきれない場合は、冷蔵庫に保管しますが、やはり、長時間の保存はせず、数時間以内に飲みきってしまうのがよいでしょう。

なお、室温放置してしまったときの取り扱いには注意が必要です。

まちがって室温放置してしまったものを、どうしても飲ませなければいけないときは、再加熱して飲ませるのが良いでしょう。

芽胞菌は熱に強いとすでに述べましたが、じつは、液体ミルクの中で増えている間は、熱に弱い状態になっているからです。

まとめ

液体ミルクは、母親と父親にとって、とても便利なものです。

しかし、液体なので、菌が増えやすくなってしまうデメリットがあります。

できるだけ清潔な状態にして、数時間以内にすばやく赤ちゃんに飲んでもらうのがベストです。

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遠隔医療

遠隔健康医療相談サービス一覧

オンラインで健康相談や医療相談(あわせて健康医療相談という)ができるようになってきました。

遠隔健康医療相談とは

遠隔健康医療相談えんかくけんこういりょうそうだんとは、自宅でインターネットを利用して、医師や看護師などに健康医療相談ができるサービスです。

どこからでもアクセスできますので、「忙しくて病院に行けない」,「病院に行くべきか悩んでいる」,「旅行先で急に体調が悪くなった」などのときに大きく役立ちます。

ただし、あくまでも相談サービスですので、診断や薬の処方はありません。

オンライン診療(遠隔診療)とオンライン健康相談やオンライン医療相談は、明確に異なります
つまり、オンライン診療(遠隔診療えんかくしんりょう)とは異なります。

また、診療ではないので健康保険は使えません(全額自己負担)。

なお、遠隔診療サービスの一覧については、こちらからご覧ください。

遠隔診療のサービス一覧をみる

遠隔健康医療相談サービス

現在ある遠隔健康医療相談サービスの一覧を紹介します。

ポケットドクター

個人向けの健康相談サービスを実施しています。

スマートフォンやタブレットを使ったビデオ通話で、医師が健康相談を受け付けます。

「予約相談」・「今すぐ相談」の二種類があります。

アプリをみる

運営会社は、MRT株式会社です。

なお、MRT株式会社は遠隔診療サービスにも取り組んでおり、別のアプリで利用可能です(遠隔診療ポケットドクター)。

小児科オンライン

子育て中の親に向けた遠隔健康医療相談サービスです。

LINEやSkypeなどのアプリを使用し、テレビ電話やチャットなど保護者の好きな方法で、小児科医が相談を受け付けます。

運営は株式会社キッズパブリックです。

CLINICS

アプリを利用して医療相談を受けることができます。

さまざまな診療科の専門医による相談サービスを予約できます。

アプリをみる

運営は株式会社メドレーです。

なお、株式会社メドレーは遠隔診療サービスにも取り組んでおり、同じアプリで利用可能です。

緊急のときは

なお、「すぐに病院にいったほうがよいか」などを質問できる、救急用の相談窓口が行政に設置されています。
そのような緊急の相談窓口は、別に紹介しています。

救急医療相談の窓口をみる

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医療

電解質の検査(Na,K,Cl)を解説

血清電解質の検査を解説します。

電解質

生体に含まれる無機質として検出されているものは、60種類程度あります。

無機質は、体重の約5%を占め、Ca、Mg、K、Na、P、Clが、その60~80%を占めます。

一方、ヒトの血液検査の対象として重要なのは、Na、K、Ca、Mg、Fe、Cuなどの陽イオンであり、また、Cl、HCO3、HPO4などの陰イオンです。

中でも、ヒトの生体内で重要な働きをする血中の無機質が、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)などの電解質です。

ナトリウム、カリウム

代謝について

ナトリウム(Na)は細胞外液、カリウム(K)は細胞内液中の無機質の大部分を占めています。

ナトリウムの生理的役割は、下記の4つがあります。

1)酸塩基平衡の維持
2)細胞外液の浸透圧の維持
3)神経,筋肉の興奮性の維持

また、カリウムの生理的役割は,下記の4つがあります。

1)酸塩基平衡の維持
2)細胞内浸透圧の維持
3)細胞膜電位の維持
4)筋収縮の因子となる

ナトリウムおよびカリウムの代謝は、主に、腎臓で調節されています。

副腎皮質から分泌される鉱質コルチコイドが関係しています。

たとえば、アルドステロンは、近位尿細管および遠位尿細管におけるナトリウムの再吸収を促進したり、遠位尿細管におけるカリウムおよび水素生オンの排出を促進したりします。

検体について

血清中のナトリウム濃度やカリウム濃度を測定します。

血液検体は、採血後に、直ちに血清分離することが望ましいです。

一定時間、全血のまま放置すると、ナトリウムは血球中に移行し、後に血清分離したときに、Na濃度の低下となるからです。

また、溶血によって血清K 値は高くなり、さらに、凝固阻止剤としてNaを含むもの(ヘパリンNaやクエン酸Naなど)を用いると、血清Na値が高くなります。

基準範囲

血清Naおよび血清Kの基準範囲は下記のとおりです。
・血清Na 135~145mEq/L (135~145mmol/L)
・血清K 3.5~5.0mEq/L (3.5~5.0mmol/L)

臨床的意義

ナトリウム

高ナトリウム血症は、糖尿病、尿崩症、原発性アルドステロン症、クッシング症候群などに見られます。

低ナトリウム血症は、激しい下痢、嘔吐、腎不全、粘液水腫などに見られます。

カリウム

高カリウム血症は、腎不全や、高度の脱水、アジソン病などに見られます。なお、高カリウム血症が生ずると、心臓・中枢袖経系の興奮が異常に高まり、最後に心臓が停止します。

カリウムが高値になる原因は、Kの摂取増加、腎臓のK排出低下、Kの細胞内から細胞外への移動などがあります。

低カリウム血症は、手術後や、栄養不足の場合、あるいは、,副腎皮質ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンが過剰に投与されたときなどに見られます。なお、低カリウム血症になると、筋肉に脱力感や弛緩性麻揮が起こり、ついで神経過敏、昏睡、深部腱反射消失などが認められます。

Kが低値になる原因は、Kの摂取や吸収の不足、腎臓のKの排出増加、Kの細胞外から細胞内への移動などがあります。

薬剤の影響

ACTHや、コルチコステロイドの投与により血潰Na値は高くなり、血清K値は低くなります。

また、アセタゾラミド、クロロサイアザイド、ジギタリスなどの投与により、低カリウム血症となることがあります。

測定法

測定法としては、イオン選択電極法、炎光光度分析法、酵素法などがありますが、検査室で最も使用されているのはイオン選択電極法です。

イオン選択電極法は、Na電極として硝子電極やクラウンエーテル電極を使い、K電極としてニュートラルキャリア膜電極やクラウンエーテル電極を用います。

クロール

代謝について

人の体内のClイオンは、主に体液中に存在します。約70%が細胞外液中に、約30%が細胞内液中に存在します。

Clイオンは、水分代謝や浸透圧の調節、酸塩基平衡の維持を担っています。

生体内のClは、ナトリウムとほぼ並行して増減する場合が多いです。

ただし、酸塩基平衡障害の場合には、Clイオンは、Naと独立して、重炭酸イオンと反対方向に増減します。

なお、血漿中のCO2が放出され、CO2の圧が変化すると、陰イオンの不足を補うために赤血球中のClイオンが、血漿中に移動します(塩素移動と呼ばれます)。

検体について

血清中のクロール濃度を測定します。

なお、全血で室温放置すると、CO2の放出により、塩素移動が起こりますが、反対に血球から血漿中にH2Oの移動が生じて相殺されるため、放置して1時間ぐらいはCl値に変動はないといわれています。

基準範囲

血清Clの基準範囲は、96~107mEq/L (96~107mmol/L)です。

なお、食事後、胃液の分泌が促進されると血清Clは低値となりますが、血清中の重炭酸イオン(HCO3-)が増量することでバランスが保たれます。

臨床的意義

Clが高値を示す疾患には、過呼吸呼吸性アルカローシス、高ナトリウム血症、低蛋白血症、クッシング症候群、腎炎などがあります。

Clが低値を示す疾患には、呼吸性アシドーシス、低ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、嘔吐、アジソン病などがあります。

なお、Clは、Naとほぼ同じように変動しますが、 Naの変動や酸塩基平衡の異常に伴う二次的な変化が主体であり、Cl自 体の異常値が臨床上問題になることはあまりありません。

薬剤の影響

炭酸デヒドロケナーゼ抑制剤や塩化アンモニウムの過剰投与によって、高値を示すことがあります。

また、利尿剤の投与により低値を示すことがあります。

測定法

Clの測定法には、比色法(ハミルトン法:チオシアン酸第2水銀法)、モール法、滴定法(シャールズ・シャールズ法)、電量滴定量(クロライドメーター法:銀電極法)、イオン選択電極法、酵素法などがあります。

現在は、イオン選択電極法が一般的です。

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生物

上皮の分類について

上皮の分類は、以下のようになります。

大きくは、単層上皮と重層上皮に分類されます。

単層上皮

単層上皮とは、一層の細胞からなる上皮です。

拡散、浸透、透過、分泌、吸収を行う部位にみられます。

単層上皮は、詳細には、単層扁平上皮、単層立方上皮、単層円柱上皮に分けられます。

単層扁平上皮

単層扁平上皮とは、扁平な上皮細胞が1層に並んだものです。

心臓、血管、リンパ管、肺胞、腎臓のボーマン嚢や鼓膜の内側などの表面を覆います(内皮)。

また、腹膜のような漿膜の上皮層をなします(中皮)。

単層立方上皮

単層立方上皮とは、丈の低い六角柱状の細胞が1層に並んだものです。

縦断像では、四角形の細胞の中央に円形の核が見られます。

卵巣の表面や、眼の水晶体の前面を覆います。

また、眼の網膜色素上皮や、腎尿細管や分泌腺などの小さな導管を形成します。

さらに、甲状腺のような腺の分泌部を形成します。

単層円柱上皮

非線毛単層円柱上皮

分泌と吸収の役割をもち、消化管、腺の導管、胆嚢の内面を覆います。

吸収上皮細胞(微繊毛を持つ)と、杯細胞(頂上部から粘液を分泌)とに分類されます。

線毛単層円柱上皮

上部気道系の一部、卵管、子宮、副鼻腔、脊髄の中心管の内面を覆います。

重層上皮

重層扁平上皮

角化重層扁平上皮

皮膚の表面をなします。

非角化重層扁平上皮

口腔、食道、口頭蓋の一部、膣の内面、舌の表面などを覆います。

重層立方上皮

成人の汗腺、食道腺の導管、男性尿道の一部を覆います。

重層円柱上皮

尿道の一部、食道腺などの太い腺の導管、肛門部の粘膜の一部、眼の結膜の一部を覆います。

移行上皮

移行上皮は腎盂、尿管、膀胱の上皮です。

形態は多列を示しますが内容積に応じて上皮の高さを変化させます。

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生物

ホメオスタシスとフィードバックシステム

ホメオスタシスを分かりやすく解説します。

ホメオスタシスとは

人体は、外部環境が変化しても、内部環境を一定の状態に維持します。

これを「ホメオスタシス」あるいは「恒常性」といいます。

つまり、生体では、外部環境が変化しても、内部環境の浸透圧、PH、温度、糖、タンパク質濃度などが一定に保たれます。

特に、細胞は、体液で囲まれているので、外部環境の直接の影響を受けません。

ホメオスタシスを支える仕組み

ホメオスタシスは、ネガティブフィードバックシステムと、ポジティブフィードバックシステムとにより支えられています。

ネガティブフィードバックシステム

外部の刺激に対して、逆の反応が起きる場合のシステムを、ネガティブフィードバックシステムといいます。

たとえば、血管壁に存在する圧感受性神経細胞は、血圧の上昇を感知し、神経インパルスを脳に送ります。

その後、脳から心臓へ、心拍数を低下させる神経インパルスが送られます。

ネガティブフィードバックシステムが働く対象の主なものには、血圧のほかにも、血糖や、体温などがあります。

ボジティフフィードバックシステム

外部の刺激によって反応が促進されたり、強められたりする場合のシステムを、ボジティブフィードバックシステムといいます。

つまり、効果器は、調節されている状態に生じた最初の変化を、さらに増強する生理学的反応を引き起こします。

ボジティフフィードバックシステムが働く対象の主なものには、排卵、出産、血液凝固などがあります。

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生物

細胞の構成要素の解説

細胞の構造は、「形質膜(細胞膜)」、「細胞質」、「核」に分類できます。

形質膜(細胞膜)

形質膜は、主に、リン脂質と膜タンパク質とからなり、ほかに少量のコレステロ-ルと糖脂質を含みます。

形質膜は、脂質二重層であり、細胞外の環境から細胞内の環境を区別する役割を持っています。

形質膜は、細胞内外への物質の流れを調節したり、細胞と細胞との伝達や、細胞と細胞外環境との連絡をしたりします。

細胞質

形質膜と核との間にある細胞内物質からなる部分です。
ここでいう細胞内物質には、溶液部分(サイトゾルと呼ばれます)と、細胞小器官とがあります。

サイトゾル

サイトゾルは、細胞小器官を取り巻く細胞質の溶液部分で、全細胞容積の55%を占めます。

サイトゾル中には、さまざまなイオン類、グルコース、アミノ酸類、脂肪酸類、タンパク質類、脂質類、ATP、老廃物などが含まれています。

細胞小器官

細胞骨格

マイクロフィラメント、中間径フィラメント、微小管の3種類の異なるタンハク質のフィラメントからなる網状構造です。

中心体

核の近くには、一対の中心子、および、中心子周辺物質から構成される「中心体」が存在します。

中心子は、円筒構造で、各中心子は、3つ組の微小管(トリプレット)9つが円形に配列されています。

中心子周辺領域は、細胞分裂時に、紡錘体の成長を調節します。また、中心子周辺領域は、非分裂細胞において、微小管の形成を調節します。

線毛・鞭毛

線毛や鞭毛は、細胞表面に突き出た運動性の突起です。

リボソーム

リボソームは、タンパク質の合成の場です。

リボソームは、リボソームRNAおよびリボソームタンパク質を含みます。

リボソームは、大小二つのサブユニットからなります。なお、大サブユニットと、小サブユニットは、核小体で作られます。

リボソームには、核膜の外表面や小胞体の膜に付着しているもの、他の細胞質の構造物とは接着せずに遊離しているもの(遊離リボソーム)、ミトコンドリアの中に存在するものがあります。

リソソーム

ゴルジ装髄でつくられた小胞で、消化酵素を含んでいます。

小胞に融合し内容物を消化する役割があり、古い細胞小器官を消化〈自食作用)し、細胞全体を消化し(自己融解)、また、細胞外物質を消化します。

ペルオキシソーム

酸化酵素をもった小胞です。危険物質を無毒化する働きをします。

酸化酵素としては、たとえば、オキシターゼや、カタラーゼがあります。

プロテアソーム

タンパク質を切断する酵素であるブロテアーゼ含む小さな構造物です。不要なタンパクなどを小さなペプチドに分解します。

ミトコンドリア

外膜、内膜、クリスタ、マトリックスからなり、細胞のほとんどのATPを産生する反応が起る場所です。

核は、細胞の構造や、活性を調節する遺伝子を持っています。

核の内部は、主に3つの要素からなります。

・クロマチン(染色質)
・核小体
・核質

さらに、核の外側は、「核膜」に覆われています。

クロマチン

クロマチンはDNAとタンパク質の複合体で、「染色体」がほどけて脱コイル化した状態のものです。

なお、染色体とは、クロマチンが有糸分裂や減数分裂が起こるときに高度に凝縮して密にコイル化したものです。

核質

核質は、クロマチン間果粒、クロマチン周辺果粒、核マトリックスからなります。

核小体

核小体は、核内にある濃染構造物です。

膜に包まれておらず、細胞分裂のときに消失し、間期のときのみ観察可能です。

rRNA合成と、大小リボソームサブユニットの構成に関わります。

核膜

核膜は、内核膜および外核膜の2枚の単位膜からなります。

内核膜は、中間径フィラメントからなる網目構造(核ラミナ)によって裏打ちされています。

外核膜は、中間径フィラメントからなる網状構造に囲まれています。

内核膜と外核膜の間は、核周囲槽というスペースで隔てられています。

核膜には、核膜孔という穴があり、核と細胞質の物質移動に用いられます。

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人体の構成について

人体の構成について、やさしく解説します。

人体の構成

人体の構成は、6つのレベルで語ることができます。

物質レベル、細胞レベル、組織レベル、器官レベル、器官系レベル、個体レベルです。

1.物質レベル

原子としては、たとえば、炭紫、窒素、水素などがあります。
また、分子の例として、DNAや、ヘモグロビン、グルコース、ビタミン類などがあります。

2.細胞レベル

細胞は、分子が結合したものであり、構造的・機能的な基本単位です。
体内には、細胞が約60兆もあります。筋細胞、神経細胞、血液細胞などの、様々なタイプの細胞が存在します。
なお、細胞の中には、核、ミトコンドリア、リソソームなどの、細胞小器官(オルガネラ)という特別な構造があります。

3.組織レベル

組織は、細胞と、その周囲の物質をあわせたものです。
体内の組織は、「上皮組織」、「結合組織」、「筋組織」、「神経組織」の4種類に分けられます。

4.器官レベル

複数の組織により、器官が形成され、特定の機能を果たしています。
たとえば、「心臓」、「肺」、「胃」「肝臓」、「脳」は、器官です。

5.器官系レベル

器官系は、共通の機能をもつ関連する器官で構成されます。
たとえば、消化器系は、食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、小腸、大腸などから構成されます。
ほかには、外皮系、骨格系、筋系、神経系、内分泌系、心臓血管系、リンパ・免疫系、呼吸器系、生殖器系、泌尿器系があります。

6.個体レベル

個体レベルは、もっとも大きな構築レベルであり、体内の器官系の全てにより構成されます。

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医療

麻しん(はしか)のやさしい解説

麻疹(ましん)、別名「はしか」について、やさしく解説します。

定義

麻しんは急性の熱性発疹性ウイルス感染症です。

疫学

ワクチンを接種する前の乳幼児と、麻疹との接触機会が少ない成人は、麻しんにかかる可能性が高くなります。

なお、麻疹/風疹の混合生ワクチンを2回接種した効果が出るまでには、数年を要します。

病態

麻疹の病期は,カタル期、発疹期、回復期に分類されます。

(1)カタル期

感染してから10~12日後に発症します。

発熱や、咳、咽頭痛、鼻汁などの上気道炎症状、結膜炎症状、消化器症状、全身倦怠感などがあります。

発疹出現1~2日前より、Koplik斑(周囲が赤く中心が白色の点状斑)と呼ばれる細かな斑点が認められます。

カタル期の終わりに、一時、熱が下降します。

(2)発疹期

熱がいったん下降した後,再び高熱が3-4日間、持続します。

これは、始めの発熱とあわせて「二峰性発熱」と呼ばれます。

発疹期には、頭部、頸部より発疹が出現し、体幹や四肢へと拡大します。

発疹は紅斑性丘疹で始まり、しだいに融合して大小不同の斑状となり、特有の麻疹様顔貌を呈します。

3~4日間持続した後に褐色の色素沈着を残します。

(3)回復期

微熱となってやがて解熱します。

全身倦怠感や咳が持続する場合には,肺炎の合併を疑います。

診断

診断は、主に麻疹IgM抗体により診断されます。IgG抗体の有意な上昇により診断も可能です。

また、高熱,皮疹,眼球結膜の充血、Koplik斑の出現は麻疹の特徴的所見であるため、診断に有用です。

PCR法によるRNAの検出なども有用です。

なお、風疹、パルボウイルスB19感染症、薬疹、染性単核球症〔EBウイルス,サイトメガロウイルス)、急性HIV感染症、リケッチア症などとの鑑別が重要です。

合併症

肺炎、脳炎、亜急性硬化性全脳炎(SSPE:subacute sclerosing panencephalitis)、内耳炎,中耳炎,副鼻腔炎などがあります。

治療

対症療法

特異的治療はないため,安静,補液,解熱鎮痛薬などの対症療法が主体となります。

接触後発症予防

麻疹抗体価の陰性者が麻疹ウイルスに感染したと考えられる場合、72時間以内に麻疹生ワクチンを緊急で接種します。

法律関係

感染症法により麻疹は全数報告となっています(五類感染症)。

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医療

採血管の抗凝固剤の種類

抗凝固剤には、後述するように、様々なものがあります。

これらは、血漿を得るために、採血管に入れられています。

抗凝固剤は、作用により、2種類に大別されます。

脱Ca作用の抗凝固剤

EDTA塩

エチレンジアミンテトラアセテートを略してEDTAと呼びます。

EDTA塩は、キレート剤として、血液1mlに対し約1mgが添加されています。

特にカルシウム、銅、鉄(3価)に強く結合します。

血漿中の遊離Ca++イオンが EDTAによりキレート化することでトロンビンの形成が阻止されて血液凝固を阻害します。

2Na塩、2K塩、3K塩などがあります(血球検査には、2K塩が広く用いられます)。

EDTA塩の用途は、血球計算(血算)やアンモニア測定です。

白血球の形態がよく保たれる点にメリットがあります。

しかし、脱Ca作用が強く、凝固検査には不適です。

なお、EDTAは、in vitroで血小板の凝集を引き起こし、偽血小板減少となる場合がある点がデメリットです。

クエン酸ナトリウム

3.2%の等張液として用います。

血液9に対して、1の割合で添加します。

用途は凝固検査です。

検査時に、Ca添加で凝固させることが可能です。

希釈されるので、血球計算(血算)や生化学検査に不適です。

フッ化ナトリウム

用途は、血糖検査です。

解糖の阻止ができます。

二重シュウ酸塩

二重シュウ酸塩は、シュウ酸カリウムとシユウ酸アンモニウムを混合したものです。

血液1ml当り2mgを用います。

なお、二重シュウ酸塩は血小板凝集、白血球減少作用が強く、血球形態変化も高度で、近年は用いられません。

抗トロンビン作用の抗凝固剤

ヘパリン

ヘパリンは、アンチトロンビン皿(AT-III)を活性化することで凝固系を抑制します。

AT-Ⅲは、トロンビン、第Xa因子のセリンプロテアーゼを阻害します。

通常は、ナトリウム(Na)塩や、リチウム(Li)塩として採決管に添加されています。

ヘパリンの添加量は、血液1mlに対し0.1~0.2mgです。

なお、ヘパリンは白血球・血小板の凝集を起こしやすいです。

代表的な用途は、血液ガス測定です。

留意点

血漿中には、抗凝固剤の成分が残存したままとなり、検査データに影響を与えます。

成分は採血管の種類によりますが、カリウム、ナトリウム、リチウム等が影響を受けます。

また、EDTA等のキレート作用がある抗凝固剤を使用した採血管では、カルシウム、マグネシウム、鉄等の金属成分が低値となります。

それらの金属を補酵素とする酵素活性についても、著しい低下をきたします。