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寝たきりの要介護者を陰部洗浄する方法

ベッドで寝たきりの要介護者の陰部を洗浄する方法を解説します。

一日一回は洗浄する

寝たきりの方の陰部は、非常に汚れやすいです。

不衛生な状態が続くと尿路感染などの原因になりますので、できれば、一日一回は、陰部の洗浄をしましょう。

手順

防水シートなどを敷く

まず、ベッドが濡れないよう、要介護者の下半身の下に、ビニールシートなどを敷きます。

吸水シートやフラットタイプの紙おむつでも良いでしょう。

ぬるま湯をかけて拭く

空のペットボトルなどを利用して、お湯をかけます。

ガーゼや柔らかい布で陰部を丁寧にふきます。

なお、ペットボトルの蓋に小さい穴を開けて簡易シャワーを作れば、少しずつお湯をかけることが簡単にできます。

水分をふき取る

最後に仕上げとして、乾いたタオルで水分をふき取ります。

強く拭き取ると、皮膚を傷つけてしまいますので、やさしく拭き取ります。

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寝たきりでもベッドでオムツを使わずに排泄してもらう方法

要介護者が寝たきりでも、ベッドで排泄してもらう方法を解説します。

尿器と便器で排泄してもらう

高齢者などが衰えや病気によりトイレに移動できなかったり、ポータブルトイレが使えない場合、ベッドの上で排泄をしてもらうしかありません。

しかし、体は不自由でも、意識はしっかりしているとき、要介護者がオムツを嫌がることもあるでしょう。

そんなときは、尿器や便器で排泄してもらうのが良いと思います。

使い方

尿器や便器は置き場所を決めておくと良いでしょう。

尿意や便意を感じた時に自分ですぐに取れるように、ベッドの頭側の近くに置くのがおすすめです。

寝まきを腰まで上げて、尿器や便器を差し込んで排泄してもらいます。

介助

ただし、寝たきりの人にとっては難しいことがあるので、多少は尿や便がこぼれることが想定されます。

介助者による後始末は少なからず必要になりますので、防水シートを引いておくなどしておくのが良いでしょう。

また、排泄中は、その場を離れる、あるいは、バスタオルをかけておくなど、羞恥心への配慮が欠かせません。

なお、冬場は尿器や便器が冷たくなりますので、事前にお湯やストーブで温めてから渡すようにしましょう。

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ひとりで要介護者がトイレに移動できる方法

介護をしているときに、排泄のたびに呼びつけられてトイレへ連れて行くのは大変です。

排泄介助ではなく、できるだけ、ひとりで移動してもらう方法を実践してもらうのがよいでしょう。

たとえば、以下の工夫ができます。

なんとか歩ける場合

物につかまれば何とか歩けるという場合、トイレまでの動線の中に、手すりを設置したり、重たい家具を置いたりしましょう。

これにより、高齢者はつたい歩きができるようになり、ひとりでトイレに行けるようになります。

また、トイレに一番近い部屋を寝室にすることも有効です。

立つことはできる場合

歩けないが立つことはできる場合、室内用の車椅子で移動すると良いでしょう。

トイレに車椅子が入れない場合は、トイレまで手すりで移動できるように手すりを設置すると良いでしょう。

また、トイレを広く回収し、車椅子が入れるようにするのもオススメです。

なお、この場合、ベッドから車イスに移動しやすいよう、ベッドサイドに手すりを設ける、重たい家具を置いて手をつけられるようにする等の方策が有効です。

歩けもせず立てもしない場合

歩けないし立てないというときは、お年寄りには難しいですが、這って(はって)トイレに行ってもらいます。

また、ベッド横にポータブルトイレを置くこともできます。

まとめ

ひとりで排泄する期間をなるべく伸ばすことで、要介護者の尊厳を保つことができます。

また、体の機能が衰えるのを防ぐこともできます。

要介護者と話し合い、介助者の負担を減らせるよう協力しあうことが大切です。

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介護

排泄介助に疲れたときにオムツを強制するデメリットと対策

高齢者にトイレのたびに呼ばれると、介護者である家族は大変な苦労をします。

トイレが頻繁にあるときは、なおさらです。

体力面・精神面ともに疲れてしまうので、オムツに変えたいと思ってしまうのは無理もありません。

オムツにはデメリットがある

しかし、自ら進んでオムツを履きたがる人はおらず、「トイレだけは最後まで自分でしたい」と考えている高齢者は意外に多いものです。

そうすると、つい、介助者がオムツを強制してしまいがちです。

ところが、オムツの強制は悪い結果をもたらすことが多いため、勧められません。

ここではオムツのデメリットを紹介します。

認知症のきっかけになる

オムツをつけることは、高齢者の自尊心を傷つけ、生きる意欲を減退させます。最悪の場合、うつ状態になることがあります。

また、オムツによってトイレへの移動が無くなるので、活動量が低下します。

これらが認知症の発症を促してしまいます。

皮膚に負担をかける

おむつの内部は湿りますから、それだけで皮膚に負担をかけます。

特に高齢者の皮膚はもともと乾燥気味ですから、荒れやすくなってしまいます。

さらに、尿や便による刺激が一層の負担となります。

姿勢が崩れる

おむつには厚みがあるため、股が閉じにくくなったり、骨盤が傾いた姿勢になったりします。

それにより、呼吸を深くしにくくなったり,食事の時にご飯を飲み込みにくくなったりしてしまいます。

また、身体の動きに少し制限がかかり、膝を立てる動作や寝返りがしづらくなる問題も起こります。

対策

おむつは,排泄トラブルへの対策に有効ですが、『排泄介護が大変だからおむつを着ければいい』というものではありません。

安易にオムツに頼らないで、自分ひとりでトイレにいける方法を模索することが大切です。

ただし、介助者の疲れが限界に達しているような場合で、どうしても介助の負担を減らしたいというときは、上に挙げたデメリットを認識した上で、高齢者とオムツの着用についてしっかりと話し合うことが重要でしょう。

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介護

介護と便秘の対策

在宅介護の現場で多いのが、高齢者が便秘になってしまうことです。

便秘になると、ストレスがかかり、感情が荒くなるなど介護者の負担にもなります。

できれば薬などに頼らずに便秘を解消したいところですので、対策をいくつか紹介します。

便意を感じたらトイレへ

お年寄りに多いのが、立ちあがるのが大変などの理由で、便意を感じてもトイレに行かないケースです。

人間の体は、トイレを我慢しているうちに、便意をだんだん感じにくくなってしまいます。

そこで、便意を感じたときは、必ず伝えてもらうようにし、その都度トイレへ連れて行きましょう(排泄最優先の原則)。

介助者にとっては面倒ですが、便秘を解消できれば、その他の介護もスムーズにいきますので多少の辛抱を受け入れましょう。

決まったタイミングでトイレへ

たとえば、便意を感じていなくても朝食後にトイレへ行くなど、決まった時間にトイレへ行ってもらいましょう。

踏ん張って排便するのを繰り返してもらうことで、排泄の習慣がつきやすくなるので、オススメです。

なお、一度に全ての便を出し切ろうと思うと、肛門に負担をかけてしまいます。

一部の便を出すだけでも良いので、習慣化することが大切と考えましょう。

食物繊維の多い食べ物を食べる

食物繊維の多い食べ物を摂ることで、排便を促すことができます。

たとえば、胚芽米(はいがまい)やオートミールを食べたり、繊維の多い果物や野菜を摂ると良いでしょう。

水分摂取を多くする

水分を多めにとると、便を柔らかくすることができ、便秘の解消につながります。

とくに、朝食前に冷たい水を飲むと、腸の運動を活発にできるのでオススメです。

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介護

介護での胃ろうのメリットとデメリット

自宅の介護でたびたび問題になるのが、「胃ろう(胃瘻)」を造設するかどうかです。

※胃瘻とは、お腹に穴をあけ、胃に直接、栄養を送り込む方法です

ここでは、介護での胃ろうのメリットとデメリットを紹介します。

胃瘻のメリット

胃瘻は、どうしても食べられない人のための技術であり、確実に栄養が取れるというメリットがあります。

たとえば、「脳の神経に異常があり食事を飲み込めない」、「口の筋肉が極端に衰えている」などの場合には、必要な技術です。

また、病気や手術後など、体力が回復するまでの間、栄養を補給する場合にも、効果的です。

胃瘻のデメリット

しかし、安易に造設すると、以下のようなデメリットが生じます。

・食べる楽しみが奪われる
・舌や喉の機能が低下する
・唾液がなくなり口に細菌が繁殖しやすくなる
・チューブをつなぐことがストレスになる

いずれも高齢者の生活の質に関わる問題ですので、慎重な判断が求められます。

終末期と胃ろう

たびたび、終末期に胃ろうで無理やり栄養を入れているケースが見受けられます。

重要なのは、介護される高齢者が苦痛に感じないことですから、延命のための胃ろうにならないよう、注意が必要です。

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遠隔医療

遠隔医療の関連銘柄

遠隔医療や遠隔診療の関連銘柄を紹介します。

オプティム(3694:東証一部)

オプティムは遠隔作業支援システム「Optimal Second Sight」を開発。

「Optimal Second Sight」を拡張したシステムが、下記のMRTの「ポケットドクター」のサービスで利用されています。

MRT(6034:マザーズ)

スマートフォンやタブレットを利用して、ビデオ通話を中心とした遠隔診療を実現しています。

いつものかかりつけ医に、スマートフォンで診療を受けることができるサービスです。

また、個人向けの健康相談サービスも実施していて、医師が健康相談を受け付けます。「予約相談」・「今すぐ相談」の二種類があります。

今後は、ウェアラブル機器やIOTヘルスケアデバイスからのデータとの連携が強化されていくとのことです。

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病気

熱が出る病気

発熱の主な原因を挙げます。

感染症

多くの場合、発熱の原因は細菌やウイルスによる感染症です。

感染症は、部位により様々な名称があります。

・上気道感染症(咽頭炎,喉頭炎,扁桃腺炎)

・下気道感染(COPD,気管支拡張症など)

・結核(肺結核,結核性胸膜炎,腸結核),非結核性抗酸菌症(MAC等)

・慢性中耳炎,慢性副鼻腔炎

・慢性尿路感染症,慢性前立腺炎,腎周囲炎

・循感染性心内膜炎,心外膜炎

・骨髄炎,関節炎

・肝膿瘍,胆嚢炎

・髄膜炎,脳炎,脳膿瘍

・腹腔内膿瘍

・歯性膿瘍,歯周病

・菌血症

・皮膚化膿症,褥瘡,肛門周囲膿瘍

・骨盤内感染症,Fitz-Hugh-Curtis症候群

・寄生虫感染症

感染症以外の原因

感染症以外で発熱する可能性のある代表的な原因は、以下の通りです。

・悪性腫瘍(癌)

・白血病

・悪性リンパ腫

・関節リウマチ

・SLE

・成人Still病

・リウマチ性多発筋痛症

・多発性筋炎/皮膚筋炎

・全身性硬化症(強皮症)

・Sjoegren症候群

・MCTD

・Wegener肉芽腫症

・各種の血管炎

・甲状腺機能亢進症,褐色細胞腫などの内分泌異常

・外傷,熱傷

・脱水

・貧血

・うっ血性心不全

・肝硬変

・体温中枢障害

・Crohn病,潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患

・熱射病,熱中症

・川崎病(MCLS)

・サルコイドーシス

・慢性疲労症候群

・心因性発熱(ストレス)

・本態性高体温症

・月経前熱

・薬剤熱

・妊娠

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遠隔医療

発熱で遠隔診療を受けられる?

発熱で遠隔診療を受けられるか解説します。

発熱と遠隔診療

遠隔診療の対象は、現在のところ、生活習慣病などの症状が安定している病気です。

そして、はじめの診察は、対面で行うことが条件です。

よって、「熱が出た」,「体が熱い」という理由だけでは、遠隔診療を受けることはできません。

参考:遠隔診療を受けられる病気

救急医療相談なら利用可能

しかし、急な発熱については遠隔診療が無理でも、電話で救急医療相談をすることができる公的サービスがあります。

「病院へ行くべきか」や「どのように対処すればよいか」などの相談に乗ってもらえます。

地域によって、医師や看護師などが相談に応じてくれますので、ぜひ利用しましょう。

救急医療相談窓口の一覧
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医療従事者向け

薬剤耐性菌の種類

代表的な薬剤耐性菌としては、つぎのものが挙げられます。

グラム陽性球菌

グラム陽性球菌では、黄色ブドウ球菌、腸球菌、肺炎球菌が主に問題となり、以下のような耐性菌があります。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA)

mecA 遺伝子によりPBP2’(PBP2プライム)を産生します。β‐ラクタム系抗菌薬はこの PBP2’に対 する親和性が低いため、細胞壁の合成が阻害されません。

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA),バンコマイシン中等度耐性黄色ブドウ球菌(VISA)

バンコマイシン耐性遺伝子(van遺伝子)により、バンコマイシンの結合部位であるD-アラニル-D-アラニン(ペプチドグリカンの構成単位のムレインモノマー末端)が、D-アラニル-D-ラクテートに変異しています。そのため、細胞壁の合成が阻害されません。

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)

バンコマイシン耐性遺伝子(van遺伝子)の種類により9種類が確認がされています。VanA、VanB、VanC、VanD、VanE、VanG、VanL、VanM、VanNです。

ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP),ペニシリン中等度耐性肺炎球菌(PISP)

PBPをコードする遺伝子(pbp1a、pbp2x、pbp1a、pbp2b)の変異により、PBPが変異しています。そのため、細胞壁の合成が阻害されません。

グラム陰性球菌

グラム陰性球菌では、淋菌(リン菌)が問題となります。

ペニシリン耐性菌として、ペニシリナーゼ産生淋菌(PPNG)と染色体性ペニシリン耐性淋菌(CMRNG)とに分類されます。

前者はペニシリナーゼの産生により、後者はPBP2の産生を支配するpenA遺伝子の変異により、細胞壁の合成が阻害されません。

グラム陰性桿菌

グラム陰性桿菌では、さまざまな菌種が問題となります。

インフルエンザ菌

アンピシリン耐性菌として、βラクタマーゼ陽性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLPAR)、βラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)、βラクタマーゼ陽性アモキシシリン/クラブラン酸耐性インフルエンザ菌(BLPACR)に分類されます。

メタロβラクタマーゼ(MBL)産生菌

さまざまな抗菌薬を分解する酵素を産生する菌として、IMP型メタロβラクタマーゼ産生菌、NDM-1型メタロβラクタマーセ産生菌などがあります。

セリンβラクタマーゼ産生菌

さまざまな抗菌薬を分解する酵素を産生する菌として、基質特異性拡張型βラクタマーゼ (ESBL)産生菌、KPC型βラクタマーゼ産生菌、AmpC型βラクタマーゼ産生菌、OXA型βラクタマーゼ産生菌などがあります。

そのほか

上記のほか、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(MDRAB)などが問題となります。

抗酸菌

抗酸菌では、多剤耐性結核菌などが問題となります。