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介護

介護での胃ろうのメリットとデメリット

自宅の介護でたびたび問題になるのが、「胃ろう(胃瘻)」を造設するかどうかです。

※胃瘻とは、お腹に穴をあけ、胃に直接、栄養を送り込む方法です

ここでは、介護での胃ろうのメリットとデメリットを紹介します。

胃瘻のメリット

胃瘻は、どうしても食べられない人のための技術であり、確実に栄養が取れるというメリットがあります。

たとえば、「脳の神経に異常があり食事を飲み込めない」、「口の筋肉が極端に衰えている」などの場合には、必要な技術です。

また、病気や手術後など、体力が回復するまでの間、栄養を補給する場合にも、効果的です。

胃瘻のデメリット

しかし、安易に造設すると、以下のようなデメリットが生じます。

・食べる楽しみが奪われる
・舌や喉の機能が低下する
・唾液がなくなり口に細菌が繁殖しやすくなる
・チューブをつなぐことがストレスになる

いずれも高齢者の生活の質に関わる問題ですので、慎重な判断が求められます。

終末期と胃ろう

たびたび、終末期に胃ろうで無理やり栄養を入れているケースが見受けられます。

重要なのは、介護される高齢者が苦痛に感じないことですから、延命のための胃ろうにならないよう、注意が必要です。

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遠隔医療

遠隔医療の関連銘柄

遠隔医療や遠隔診療の関連銘柄を紹介します。

オプティム(3694:東証一部)

オプティムは遠隔作業支援システム「Optimal Second Sight」を開発。

「Optimal Second Sight」を拡張したシステムが、下記のMRTの「ポケットドクター」のサービスで利用されています。

MRT(6034:マザーズ)

スマートフォンやタブレットを利用して、ビデオ通話を中心とした遠隔診療を実現しています。

いつものかかりつけ医に、スマートフォンで診療を受けることができるサービスです。

また、個人向けの健康相談サービスも実施していて、医師が健康相談を受け付けます。「予約相談」・「今すぐ相談」の二種類があります。

今後は、ウェアラブル機器やIOTヘルスケアデバイスからのデータとの連携が強化されていくとのことです。

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病気

熱が出る病気

発熱の主な原因を挙げます。

感染症

多くの場合、発熱の原因は細菌やウイルスによる感染症です。

感染症は、部位により様々な名称があります。

・上気道感染症(咽頭炎,喉頭炎,扁桃腺炎)

・下気道感染(COPD,気管支拡張症など)

・結核(肺結核,結核性胸膜炎,腸結核),非結核性抗酸菌症(MAC等)

・慢性中耳炎,慢性副鼻腔炎

・慢性尿路感染症,慢性前立腺炎,腎周囲炎

・循感染性心内膜炎,心外膜炎

・骨髄炎,関節炎

・肝膿瘍,胆嚢炎

・髄膜炎,脳炎,脳膿瘍

・腹腔内膿瘍

・歯性膿瘍,歯周病

・菌血症

・皮膚化膿症,褥瘡,肛門周囲膿瘍

・骨盤内感染症,Fitz-Hugh-Curtis症候群

・寄生虫感染症

感染症以外の原因

感染症以外で発熱する可能性のある代表的な原因は、以下の通りです。

・悪性腫瘍(癌)

・白血病

・悪性リンパ腫

・関節リウマチ

・SLE

・成人Still病

・リウマチ性多発筋痛症

・多発性筋炎/皮膚筋炎

・全身性硬化症(強皮症)

・Sjoegren症候群

・MCTD

・Wegener肉芽腫症

・各種の血管炎

・甲状腺機能亢進症,褐色細胞腫などの内分泌異常

・外傷,熱傷

・脱水

・貧血

・うっ血性心不全

・肝硬変

・体温中枢障害

・Crohn病,潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患

・熱射病,熱中症

・川崎病(MCLS)

・サルコイドーシス

・慢性疲労症候群

・心因性発熱(ストレス)

・本態性高体温症

・月経前熱

・薬剤熱

・妊娠

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遠隔医療

発熱で遠隔診療を受けられる?

発熱で遠隔診療を受けられるか解説します。

発熱と遠隔診療

遠隔診療の対象は、現在のところ、生活習慣病などの症状が安定している病気です。

そして、はじめの診察は、対面で行うことが条件です。

よって、「熱が出た」,「体が熱い」という理由だけでは、遠隔診療を受けることはできません。

参考:遠隔診療を受けられる病気

救急医療相談なら利用可能

しかし、急な発熱については遠隔診療が無理でも、電話で救急医療相談をすることができる公的サービスがあります。

「病院へ行くべきか」や「どのように対処すればよいか」などの相談に乗ってもらえます。

地域によって、医師や看護師などが相談に応じてくれますので、ぜひ利用しましょう。

救急医療相談窓口の一覧
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医療従事者向け

薬剤耐性菌の種類

代表的な薬剤耐性菌としては、つぎのものが挙げられます。

グラム陽性球菌

グラム陽性球菌では、黄色ブドウ球菌、腸球菌、肺炎球菌が主に問題となり、以下のような耐性菌があります。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA)

mecA 遺伝子によりPBP2’(PBP2プライム)を産生します。β‐ラクタム系抗菌薬はこの PBP2’に対 する親和性が低いため、細胞壁の合成が阻害されません。

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA),バンコマイシン中等度耐性黄色ブドウ球菌(VISA)

バンコマイシン耐性遺伝子(van遺伝子)により、バンコマイシンの結合部位であるD-アラニル-D-アラニン(ペプチドグリカンの構成単位のムレインモノマー末端)が、D-アラニル-D-ラクテートに変異しています。そのため、細胞壁の合成が阻害されません。

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)

バンコマイシン耐性遺伝子(van遺伝子)の種類により9種類が確認がされています。VanA、VanB、VanC、VanD、VanE、VanG、VanL、VanM、VanNです。

ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP),ペニシリン中等度耐性肺炎球菌(PISP)

PBPをコードする遺伝子(pbp1a、pbp2x、pbp1a、pbp2b)の変異により、PBPが変異しています。そのため、細胞壁の合成が阻害されません。

グラム陰性球菌

グラム陰性球菌では、淋菌(リン菌)が問題となります。

ペニシリン耐性菌として、ペニシリナーゼ産生淋菌(PPNG)と染色体性ペニシリン耐性淋菌(CMRNG)とに分類されます。

前者はペニシリナーゼの産生により、後者はPBP2の産生を支配するpenA遺伝子の変異により、細胞壁の合成が阻害されません。

グラム陰性桿菌

グラム陰性桿菌では、さまざまな菌種が問題となります。

インフルエンザ菌

アンピシリン耐性菌として、βラクタマーゼ陽性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLPAR)、βラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)、βラクタマーゼ陽性アモキシシリン/クラブラン酸耐性インフルエンザ菌(BLPACR)に分類されます。

メタロβラクタマーゼ(MBL)産生菌

さまざまな抗菌薬を分解する酵素を産生する菌として、IMP型メタロβラクタマーゼ産生菌、NDM-1型メタロβラクタマーセ産生菌などがあります。

セリンβラクタマーゼ産生菌

さまざまな抗菌薬を分解する酵素を産生する菌として、基質特異性拡張型βラクタマーゼ (ESBL)産生菌、KPC型βラクタマーゼ産生菌、AmpC型βラクタマーゼ産生菌、OXA型βラクタマーゼ産生菌などがあります。

そのほか

上記のほか、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(MDRAB)などが問題となります。

抗酸菌

抗酸菌では、多剤耐性結核菌などが問題となります。

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遠隔医療

医療情報のクラウドサービス

クラウドを利用した医療情報サービスについて解説します。

医療情報×クラウド

従来、電子カルテシステムなどの医療情報システムは、セキュリティの観点から、外部との接続が遮断されていました。

しかし、現在は、インターネット技術の進歩などを受けて、民間企業のデータセンターが電子カルテなどの診療情報を保管できるようになっています。

診療情報を遠隔地で保管・蓄積することは、医療情報のクラ ウド化 と呼ばれ、現在では、医療情報のクラウド化を利用したシステム は、電子カルテにとどまらず、地域連携システム、在宅医療システム、多職種間連携システム、予約システムなど多岐にわたって展開されています。

そして、今後、さらなるクラウドサービスの普及が見込まれています。

代表的なクラウド型サービス

医療情報のクラウド型のサービスの例として、つぎのものが挙げられます。

電子カルテシステム

院内にサーバを設置せず、企業のサーバにアクセスして利用できるシステムです(院内にバックアップサーバーを置くこともできます)。

地域連携システム

複数の医療機関の診療情報を連携させ、地域医療ネットワー クを構築できるシステムです。

在宅医療システム

医療スタッフが、訪問先でタブレットなどで電子力ルテなどを利用できるシステムです。

多職種連携システム

医師、看護師、薬剤師などの多職種間で、タブレットやスマートフォンを介して情報連携を行えるシステムです。

診療予約システム

患者がインターネットでアクセスして、診療予約をすることができるシステムです。

クラウド型のメリット

いつでも、どこでも

クラウド型サービスのメリットは、時間や場所に限定されずに医療情報を利用できることです。

たとえば、クラウド型の電子カルテを使用すれば、複数の医療機関で同時にカルテを開くことが可能です。

どの医療機関でも、過去のカルテをいつでも閲覧でき、か つそのカルテに記事やデータを継続的に追加入力する ことができます。

とくに、クラウド型の電子カルテは、災害時に病院の医療情報が失われたり参照できなかったりするときでも、インターネットさえ繋がれば、病歴や、薬剤の処方歴などが分かるという点で大いに役立ちます。

コスト・セキュリティ対策に

また、医療機関内のサーバが不要なため、サーバー費用など、設備投資を抑えたい医療機関にとって、クラウド型のサービスの利用は、コスト削減につながります。

また、不正アクセスなどに対するセキュリティ対策を独自にする必要がありません。

企業が提供するセキ ュリティーレベルの高いサーバを利用することができるため、個人情報が漏洩するリスクが低減します。

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医療従事者向け

最小発育阻止濃度MICと最小殺菌濃度MBCの違いとは?

最小発育阻止濃度:MICと、最小殺菌濃度:MBCについて解説します。

MIC

最小発育阻止濃度MICは、試験管内(in vitro)で菌の発育が阻止される最小の薬剤濃度を意味します。

MICを確認するには、抗菌薬を二倍連続希釈した培地を用意して、各培地に菌を接種し、培養して発育の有無を確認します。

MBC

一方、最小殺菌濃度MBCは、試験管内(in vitro)で菌が殺菌される最小の薬剤濃度を意味します。

測定

MIC値とMBC値は、同時に測定することができます。

すなわち、MIC以上の濃度(発育阻止されている濃度)において、細菌が殺菌されているのかどうかを、追加検査で明らかにします。

具体的には、発育阻止されている培地のうち、薬剤濃度が最も低い培地の一部を、別の液体培地に接種し、培養します。

培養の結果が陰性(菌が増殖しない)

培養結果が陰性であれば、その薬剤の濃度においては、菌が殺せているということで、薬剤の効果が「殺菌的」と評価され、その濃度はMBC値となります。

つまり、MIC = MBCとなります。

培養の結果が陽性(菌が増殖した)

逆に、培養結果が陽性であれば、その濃度においては、菌が殺せていないということで、薬剤の効果は「静菌的」と評価され、その濃度よりも高い濃度がMBC値となります。

つまり、MIC < MBCとなります。

この場合、MBCを確認するための追加試験として、発育阻止されている培地のうち、薬剤濃度が二番目に低い培地を使って、培養試験を行います(培養が陰性になるまで、薬剤濃度を上げていきます)。

なお、MIC値とMBC値に大きな差がある菌の場合、その薬剤に対する耐性を獲得しやすいと言われています。

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Column

オプソナイズとは?

補体や抗体が、微生物などの異物に結合し、結果、異物が好中球・単球・マクロファージなどの食細胞に食されやすくなることを、「オプソナイズ」と呼びます。

補体や抗体が、貧食対象に目印をつける働きをしているということです。

なお、好中球・単球・マクロファージなどの食細胞には、リソゾームと呼ばれる穎粒が存在し、リソゾーム中に含まれるリゾチーム、デフェンシン、カテプシンG、リン脂質分解酵素などが、殺菌・破壊に貢献をします。

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Column

アダプター仮説とは?

アダプター仮説とは、DNA情報をアミノ酸に変換するときに仲介因子が存在するという仮説で、CriCkが提唱したものです。

クリックは、アダプターの一端は特定のアミノ酸に結合し、他端は特定のDNA塩基配列に結合すると考えていました。

研究の結果、このアダプターは存在することが判明しました(tRNA)。

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生物

シャルガフの法則とは?

シャルガフの法則とは、核酸において、アデニンとチミンの量比、および、グアニンとシトシンの量比が、常に1:1である法則のことです。

この法則は、米国のE・Chargaffが、ヒトや大腸菌などの様々な生物の組織由来のDNAを抽出し、ギ酸で分解した後、戸紙クロマトグラフィー(paper chromatography)で分画定量することで、四つの塩基の量を測定して発見されました。