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病気

熱が出る病気

発熱の主な原因を挙げます。

感染症

多くの場合、発熱の原因は細菌やウイルスによる感染症です。

感染症は、部位により様々な名称があります。

・上気道感染症(咽頭炎,喉頭炎,扁桃腺炎)

・下気道感染(COPD,気管支拡張症など)

・結核(肺結核,結核性胸膜炎,腸結核),非結核性抗酸菌症(MAC等)

・慢性中耳炎,慢性副鼻腔炎

・慢性尿路感染症,慢性前立腺炎,腎周囲炎

・循感染性心内膜炎,心外膜炎

・骨髄炎,関節炎

・肝膿瘍,胆嚢炎

・髄膜炎,脳炎,脳膿瘍

・腹腔内膿瘍

・歯性膿瘍,歯周病

・菌血症

・皮膚化膿症,褥瘡,肛門周囲膿瘍

・骨盤内感染症,Fitz-Hugh-Curtis症候群

・寄生虫感染症

感染症以外の原因

感染症以外で発熱する可能性のある代表的な原因は、以下の通りです。

・悪性腫瘍(癌)

・白血病

・悪性リンパ腫

・関節リウマチ

・SLE

・成人Still病

・リウマチ性多発筋痛症

・多発性筋炎/皮膚筋炎

・全身性硬化症(強皮症)

・Sjoegren症候群

・MCTD

・Wegener肉芽腫症

・各種の血管炎

・甲状腺機能亢進症,褐色細胞腫などの内分泌異常

・外傷,熱傷

・脱水

・貧血

・うっ血性心不全

・肝硬変

・体温中枢障害

・Crohn病,潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患

・熱射病,熱中症

・川崎病(MCLS)

・サルコイドーシス

・慢性疲労症候群

・心因性発熱(ストレス)

・本態性高体温症

・月経前熱

・薬剤熱

・妊娠

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遠隔医療

発熱で遠隔診療を受けられる?

発熱で遠隔診療を受けられるか解説します。

発熱と遠隔診療

遠隔診療の対象は、現在のところ、生活習慣病などの症状が安定している病気です。

そして、はじめの診察は、対面で行うことが条件です。

よって、「熱が出た」,「体が熱い」という理由だけでは、遠隔診療を受けることはできません。

参考:遠隔診療を受けられる病気

救急医療相談なら利用可能

しかし、急な発熱については遠隔診療が無理でも、電話で救急医療相談をすることができる公的サービスがあります。

「病院へ行くべきか」や「どのように対処すればよいか」などの相談に乗ってもらえます。

地域によって、医師や看護師などが相談に応じてくれますので、ぜひ利用しましょう。

救急医療相談窓口の一覧
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医療従事者向け

薬剤耐性菌の種類

代表的な薬剤耐性菌としては、つぎのものが挙げられます。

グラム陽性球菌

グラム陽性球菌では、黄色ブドウ球菌、腸球菌、肺炎球菌が主に問題となり、以下のような耐性菌があります。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA)

mecA 遺伝子によりPBP2’(PBP2プライム)を産生します。β‐ラクタム系抗菌薬はこの PBP2’に対 する親和性が低いため、細胞壁の合成が阻害されません。

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA),バンコマイシン中等度耐性黄色ブドウ球菌(VISA)

バンコマイシン耐性遺伝子(van遺伝子)により、バンコマイシンの結合部位であるD-アラニル-D-アラニン(ペプチドグリカンの構成単位のムレインモノマー末端)が、D-アラニル-D-ラクテートに変異しています。そのため、細胞壁の合成が阻害されません。

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)

バンコマイシン耐性遺伝子(van遺伝子)の種類により9種類が確認がされています。VanA、VanB、VanC、VanD、VanE、VanG、VanL、VanM、VanNです。

ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP),ペニシリン中等度耐性肺炎球菌(PISP)

PBPをコードする遺伝子(pbp1a、pbp2x、pbp1a、pbp2b)の変異により、PBPが変異しています。そのため、細胞壁の合成が阻害されません。

グラム陰性球菌

グラム陰性球菌では、淋菌(リン菌)が問題となります。

ペニシリン耐性菌として、ペニシリナーゼ産生淋菌(PPNG)と染色体性ペニシリン耐性淋菌(CMRNG)とに分類されます。

前者はペニシリナーゼの産生により、後者はPBP2の産生を支配するpenA遺伝子の変異により、細胞壁の合成が阻害されません。

グラム陰性桿菌

グラム陰性桿菌では、さまざまな菌種が問題となります。

インフルエンザ菌

アンピシリン耐性菌として、βラクタマーゼ陽性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLPAR)、βラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)、βラクタマーゼ陽性アモキシシリン/クラブラン酸耐性インフルエンザ菌(BLPACR)に分類されます。

メタロβラクタマーゼ(MBL)産生菌

さまざまな抗菌薬を分解する酵素を産生する菌として、IMP型メタロβラクタマーゼ産生菌、NDM-1型メタロβラクタマーセ産生菌などがあります。

セリンβラクタマーゼ産生菌

さまざまな抗菌薬を分解する酵素を産生する菌として、基質特異性拡張型βラクタマーゼ (ESBL)産生菌、KPC型βラクタマーゼ産生菌、AmpC型βラクタマーゼ産生菌、OXA型βラクタマーゼ産生菌などがあります。

そのほか

上記のほか、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(MDRAB)などが問題となります。

抗酸菌

抗酸菌では、多剤耐性結核菌などが問題となります。

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遠隔医療

医療情報のクラウドサービス

クラウドを利用した医療情報サービスについて解説します。

医療情報×クラウド

従来、電子カルテシステムなどの医療情報システムは、セキュリティの観点から、外部との接続が遮断されていました。

しかし、現在は、インターネット技術の進歩などを受けて、民間企業のデータセンターが電子カルテなどの診療情報を保管できるようになっています。

診療情報を遠隔地で保管・蓄積することは、医療情報のクラ ウド化 と呼ばれ、現在では、医療情報のクラウド化を利用したシステム は、電子カルテにとどまらず、地域連携システム、在宅医療システム、多職種間連携システム、予約システムなど多岐にわたって展開されています。

そして、今後、さらなるクラウドサービスの普及が見込まれています。

代表的なクラウド型サービス

医療情報のクラウド型のサービスの例として、つぎのものが挙げられます。

電子カルテシステム

院内にサーバを設置せず、企業のサーバにアクセスして利用できるシステムです(院内にバックアップサーバーを置くこともできます)。

地域連携システム

複数の医療機関の診療情報を連携させ、地域医療ネットワー クを構築できるシステムです。

在宅医療システム

医療スタッフが、訪問先でタブレットなどで電子力ルテなどを利用できるシステムです。

多職種連携システム

医師、看護師、薬剤師などの多職種間で、タブレットやスマートフォンを介して情報連携を行えるシステムです。

診療予約システム

患者がインターネットでアクセスして、診療予約をすることができるシステムです。

クラウド型のメリット

いつでも、どこでも

クラウド型サービスのメリットは、時間や場所に限定されずに医療情報を利用できることです。

たとえば、クラウド型の電子カルテを使用すれば、複数の医療機関で同時にカルテを開くことが可能です。

どの医療機関でも、過去のカルテをいつでも閲覧でき、か つそのカルテに記事やデータを継続的に追加入力する ことができます。

とくに、クラウド型の電子カルテは、災害時に病院の医療情報が失われたり参照できなかったりするときでも、インターネットさえ繋がれば、病歴や、薬剤の処方歴などが分かるという点で大いに役立ちます。

コスト・セキュリティ対策に

また、医療機関内のサーバが不要なため、サーバー費用など、設備投資を抑えたい医療機関にとって、クラウド型のサービスの利用は、コスト削減につながります。

また、不正アクセスなどに対するセキュリティ対策を独自にする必要がありません。

企業が提供するセキ ュリティーレベルの高いサーバを利用することができるため、個人情報が漏洩するリスクが低減します。

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医療従事者向け

最小発育阻止濃度MICと最小殺菌濃度MBCの違いとは?

最小発育阻止濃度:MICと、最小殺菌濃度:MBCについて解説します。

MIC

最小発育阻止濃度MICは、試験管内(in vitro)で菌の発育が阻止される最小の薬剤濃度を意味します。

MICを確認するには、抗菌薬を二倍連続希釈した培地を用意して、各培地に菌を接種し、培養して発育の有無を確認します。

MBC

一方、最小殺菌濃度MBCは、試験管内(in vitro)で菌が殺菌される最小の薬剤濃度を意味します。

測定

MIC値とMBC値は、同時に測定することができます。

すなわち、MIC以上の濃度(発育阻止されている濃度)において、細菌が殺菌されているのかどうかを、追加検査で明らかにします。

具体的には、発育阻止されている培地のうち、薬剤濃度が最も低い培地の一部を、別の液体培地に接種し、培養します。

培養の結果が陰性(菌が増殖しない)

培養結果が陰性であれば、その薬剤の濃度においては、菌が殺せているということで、薬剤の効果が「殺菌的」と評価され、その濃度はMBC値となります。

つまり、MIC = MBCとなります。

培養の結果が陽性(菌が増殖した)

逆に、培養結果が陽性であれば、その濃度においては、菌が殺せていないということで、薬剤の効果は「静菌的」と評価され、その濃度よりも高い濃度がMBC値となります。

つまり、MIC < MBCとなります。

この場合、MBCを確認するための追加試験として、発育阻止されている培地のうち、薬剤濃度が二番目に低い培地を使って、培養試験を行います(培養が陰性になるまで、薬剤濃度を上げていきます)。

なお、MIC値とMBC値に大きな差がある菌の場合、その薬剤に対する耐性を獲得しやすいと言われています。

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Column

オプソナイズとは?

補体や抗体が、微生物などの異物に結合し、結果、異物が好中球・単球・マクロファージなどの食細胞に食されやすくなることを、「オプソナイズ」と呼びます。

補体や抗体が、貧食対象に目印をつける働きをしているということです。

なお、好中球・単球・マクロファージなどの食細胞には、リソゾームと呼ばれる穎粒が存在し、リソゾーム中に含まれるリゾチーム、デフェンシン、カテプシンG、リン脂質分解酵素などが、殺菌・破壊に貢献をします。

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Column

アダプター仮説とは?

アダプター仮説とは、DNA情報をアミノ酸に変換するときに仲介因子が存在するという仮説で、CriCkが提唱したものです。

クリックは、アダプターの一端は特定のアミノ酸に結合し、他端は特定のDNA塩基配列に結合すると考えていました。

研究の結果、このアダプターは存在することが判明しました(tRNA)。

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生物

シャルガフの法則とは?

シャルガフの法則とは、核酸において、アデニンとチミンの量比、および、グアニンとシトシンの量比が、常に1:1である法則のことです。

この法則は、米国のE・Chargaffが、ヒトや大腸菌などの様々な生物の組織由来のDNAを抽出し、ギ酸で分解した後、戸紙クロマトグラフィー(paper chromatography)で分画定量することで、四つの塩基の量を測定して発見されました。

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病気

排尿が痛いときの性病

おしっこをするときの痛み(排尿時の痛み)には、さまざまな原因がありますが、性病としては、男性でも女性でも、淋菌(リン菌) やクラミジアへの感染が疑われます。

リン菌

淋菌(リン菌)は、感染すると、尿道炎を起こします。

排尿時痛のほかに、尿道がかゆくなったり、おしっこのときに焼けるような感じがしたり(排尿時灼熱感)、尿道の出口が赤くなったり(発赤)します。

感染してから発症するまで(潜伏期間)が、2 ~ 7 日間と言われていますのて、思い当たる場合は注意が必要です。

淋菌は、女性の場合は症状があまり無いケースが多く、男性でも、排尿痛が少ないものや尿道からの膿が目立たないものがあります。

したがって、排尿時に、激しい痛みがなくても、リン菌を疑うケースもあります。

クラミジア

一方のクラミジアも、リン菌と同じように、尿道に炎症を引きおこします。

高い感染率のある性病ですが、症状が現れる割合は低く、無症状なのは、男性で約50%、女性で約75%と言われていま。

したがって、不快感や、軽度の腹痛、腰痛などがあるだけでも、疑うことができる性病です。

淋菌の検査と治療

男性は、尿道の分泌物をスライドグラスに塗って標本をつくり、顕微鏡で見ることで診断できます。

また、女性は、子宮頸部と尿道の分泌物を綿棒で採取してスライ ドグラスに塗って標本をつくり、顕微鏡で見ることで診断できます。

治療は、抗菌薬が処方されます。

たとえば、セフトリアキソン、セフォジジム、スペクチノマイシンといった薬になります。

クラミジアの検査と治療

クラミジアは、顕微鏡で診断できないため、基本的には、遺伝子検査を行います。

クラミジアの遺伝子を検出できれば、診断できます。

治療としては、抗菌薬の投与になります。

一般的には、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、レボフロキサシン、トスフロキサシン、シタフロキサシンなどを処方してもらいます。

かかるべき診療科

淋菌やクラミジアは、いずれも簡単な検査ですぐに結果がわかりますので、積極的に『泌尿器科』の診察を受けることがよいでしょう。

自宅用の検査キット

ネット上では、自宅で性病の検査ができる検査キットが紹介されています。

匿名で(名前を知られずに)、郵送で結果が分かりますので、だれにも知られる心配はありません。

クラミジア、淋菌、トリコモナス、梅毒、HIV、ヒトパピローマウイルスなどに幅広く対応しています。

値段などを比べて、申し込むと良いでしょう。

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病気

のどが痛くなる性病

のどが痛いときに考えられるのは、風邪ですが、咳が出ていないようなときは、性病の可能性もあります。

性行動の多様化や、風俗サービスの増加を背景に、喉(のど)についての性感染症患者が増えていますので、のどが痛くなる性感染症を紹介します。

ちなみに、医者にかかる場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

梅毒

梅毒は、口の中(口腔)や、のど(咽頭)が痛くなります。

性器や皮膚にも、病変が現れる場合があります。

梅毒は、粘膜や体液を介して他者へ感染する病気です。

1回の性行為で相手が感染する確率は約30パーセントとされています。

顕微鏡検査や、血液検査で診断できます。

抗菌薬の投与で治る病気です。

梅毒について

淋菌とクラミジア

淋菌(リン菌)とクラミジアは、のどに感染します。

尿道や、女性の子宮にも感染します。

症状のない場合が多いです。

女性は、性器への感染が放置されると不妊の原因になりえますので、早めの治療が必要です。

血液検査や、菌の培養検査で診断できます。

抗菌薬の投与で治る病気です。

単純ヘルペスウイルス(HSV)

単純ヘルペスは、キスなどの性的接触によってうつる性病です。

のどに強い痛みが出る場合があります(咽頭炎や扁桃炎)。

感染の疑われる細胞を採取して検査することで診断可能です。

抗ウイルス薬を投与して治る病気です。

ヒトパピローマウイルス(HPV)

ヒトパピローマウイルスは、性交経験者の 60% が少なくとも1 回以上は感染すると言われています。

このウイルス(HPV)は、生殖器(性器)にイボができる『尖圭コンジローマ』という病気を発症することがあるウイルスです。

この人パピローマウイルスは、生殖器だけではなく、のどへの感染により、のどが痛くなる場合があります。

この病気は、感染の疑われる細胞を採取して検査することで診断できます。

現在のところ、治療方法は確立されていないようです。

なお、癌(がん)の原因として注目されているため、感染があるかどうか確認するのは重要です。

自宅用の検査キット

ネット上には、自宅で性病の検査ができる検査キットが、いくつも紹介されています。

匿名で(名前を知られずに)、郵送で結果が分かりますので、だれにも知られる心配はありません。

いずれの会社も、クラミジア、淋菌、トリコモナス、梅毒、HIV、ヒトパピローマウイルスなどに幅広く対応しています。

検査の値段を比べて、自分に合うものを選べばよいでしょう。