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遠隔医療

遠隔診療サービス一覧

遠隔診療サービスを一覧で紹介します。

CLINICS

アプリを利用して遠隔診療を受けることができます。

診療メニューが豊富で、さまざまな診療科の専門医による診察を予約できます。

健康保険が使える保険診療から、健康保険が使えない自由診療まで、幅広く対応しています。

なお、保険診療のメニューは、原則として、初診は対面診察となります。

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運営は株式会社メドレーです。

遠隔診療ポケットドクター

ポケットドクターを導入している医療機関で使うことができるサービスです。

アプリで、かかりつけ医の遠隔診療を受けることができます。

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運営はMRT株式会社です。

なお、MRT株式会社は、個人向けの遠隔健康相談サービスにも取り組んでいます(予約相談・今すぐ相談)。

ポートメディカル

自宅からなるべく近くの医療機関にかかることができます。

診察は、ビデオ電話やテキストメッセージを組み合わせて行われます。

サービス内で処方薬を購入したときは、院内処方薬を配送してもらえます。

サービスは、健康保険が使えない自由診療となっています(全額自己負担)。

運営は、株式会社ポートです。

※現在は、医療機関を限定してサービスを行っています。

DoctorsCrowd

健康保険組合向けの遠隔医療サービスです。

すなわち、DoctorsCrowdを利用する会社の従業員が利用できるサービスです。

ビデオ通話で、重症化予防を目的とした遠隔診療などを受けることができます。

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運営はメドケア株式会社です。

リモートドクター

リモートドクターを導入している医療機関で使うことができるサービスです。

遠隔診療に対応している医療機関に申し込みをしてた後、アプリを使ってオンラインで診療を受けられます。

運営は、株式会社アイソルです。

curon

クロンを導入している医療機関で使うことができるサービスです。

必要に応じて、ビデオ通話等でオンライン診察・処方が可能です。

運営は、株式会社情報医療です。

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医療従事者向け

栄養要求性連鎖球菌NVSの種類と培養方法

NVSの種類

栄養要求性レンサ球菌(NVS:nutritionally variant streptococci)とは、発育にL-cysteineとpyridoxal hydorochloride(ビタミン B6)を要求する、通常の連鎖球菌とは栄養要求性が異なる菌です。

NVSは、ヒトの口腔内や消化管内に常在する viridans streptococciのグループに属する菌です。

具体的には、下記の4菌種があります。

Abiotrophia defectiva
Granulicatella adiacens
Granulicatella elegans
Granulicatella balaenopterae

NVSは、微好気性のグラム陽性球菌です。
性状は、カタラーゼ陰性、PYR陽性、LAP陽性です

感染性心内膜炎、敗血症、結膜炎、中耳炎、膵膿瘍、創部感染なとの原因菌として知られています。

NVSの培養方法

HIA血液寒天培地(以下、HIA)や、TSA血液寒天培地(以下、TSA)での好気培養では、発育しません。

しかし、HIAやTSAに、pyridoxalあるいはL-cysteine添加した培地では発育が認められます。

また、チョコレート寒天培地、GAM寒天培地、ブルセラHK寒天培地での炭酸ガス培養もしくは嫌気培養でも、発育が認められます。

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検査

プレセプシンとは?(Presepsin)

プレセプシンとは

プレセプシンはタンパク質であり、敗血症で血中レベルが上昇します。

血中レベルが上昇する仕組みとしては、細菌が顆粒球などに貪食された際、同時に取り込まれたCD14が、テプシンDなどの酵素作用により消化され、その一部がプレセプシンとして血中に放出されます。

プレセプシン測定のメリット

敗血症は、早期に積極的な治療を開始する ことが救命率を上げるために重要です。

そのためには、早期診断が欠かせませんが、臨床所見のみで敗血症の診断をするのは難しく、また、血液培養は確実な検査ができるが検査に時間がかかるという欠点があります。

さらに、炎症マーカーの『プロカルシトニン(PCT)』や、『C反応性蛋白(CRP)』は、敗血症を確実に診断できるという検査でもありません。

このような背景がある中で、敗血症時に特異的に上昇すると言われているのがプレセプシンです。

プレセプシンは、CRPやプロカルシトニン(PCT)よりも半日から数日は早く血中レベルが上昇する(陽性になる)ため、迅速な診断に役立ちます。

また、プレセプシンを測定するメリットとして、外傷や熱傷、手術などによる侵襲の影響が少ないため、CRPやPCTと比べ、偽陽性となることが少ないというメリットがあります。

また、PCT 濃度は敗血症の重症度 や死亡率と相関しないのに対して、プレセプシンについては、敗血症が重症であるほど高い値を示すため、重症度判定と予後の予測に役立ちます。

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Column

免疫細胞の種類

免疫に関わる細胞を紹介します。

病原体を食べる細胞

好中球

好中球は、体内に入ってきた病原体を食べて消化する細胞です。

好中球は、成人の白血球のうち、最も多く存在する細胞です。

感染が起こると、反応して一気に数が増えます。

通常は、末梢白血球のうち、約50~70%を占めます。

分葉型の核が特徴で、2~3カ所のくびれの入った核となっています。

強い貧食能を有し,細胞質内にはミエロペルオキシダーゼなどの活性酸素を産生する酵素や、蛋白分解酵素を含んだ順粒が多く存在しています。

感染および炎症部位にすみやかに集積することから、感染の初期防御に重要な細胞です。

単球、マクロファージ

好中球と同じく、体内に入ってきた病原体を食べる役割のある細胞です。

単球は、リンパ球より大型の単核細胞です。

血液中を循環しており、脾臓や肺胞などの組織に移行・定着することで、最終的にマクロファージと呼ばれる食細胞に分化します。

マクロファージには強い貧食能、殺菌能および抗原提示能があり、病原体(外来抗原)の直接的排除ならびにリンパ球への抗原の受け渡しを主な役割としています。

病原体に侵入された細胞を破壊する細胞

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)

NK細胞は、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を破壊する細胞です。

NK細胞は、穎粒を有したリンパ球様細胞で、末梢血には15%前後存在します。

自然免疫に関与し、大きさはリンパ球よりも大きいです。

強いインターフェロン‐γ産生能を有しています。

NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)

NKT細胞は、NK細胞と同様に、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を破壊する細胞です。

NKT細胞は胸腺外で分化し、NK細胞とT細胞の両方の性質をもっています。

腫瘍免疫に重要な役割をしており、NK細胞抗原レセプターとT細胞抗原レセプターの両方を発現しています。

そのほかの細胞

リンパ球

リンパ球は、小型の単核細胞です。

核の占有率は高く、細胞質はわずかです。

また、穎粒を有しません。

さらに、リンパ球の細胞表面には、病原体の一部(抗原)を特異的に認識する抗原受容体が発現しています。

リンパ球の分類

リンパ球は、胸腺(thymus)で分化・成熟する「Tリンパ球」、および、骨髄(bonemarrow)で分化・成熟する「Bリンパ球」の2種類に大別されます。

Tリンパ球は、常者末梢血中リンパ球の70~80%を占め、Bリンパ球は、健常成人末梢血リンパ球の5~15%を占めます。

・Tリンパ球

Tリンパ球は、さらに、いくつかのグループに分類されます。

例えば、抗体の産生や他の免疫担当細胞の活性化を補助する「ヘルパーTリンパ球(Th)」や、感染細胞や腫瘍細胞を攻撃する「細胞傷害性Tリンパ球(Tc)」や、過剰な免疫応答を抑制する「調節性Tリンパ球(Tr)」などです。

Tリンパ球は、細胞表面にT細胞受容体(TCR)を発現し、さらに、CD4またはCD8分子を発現しています。

Tリンパ球は、それ自体では抗原を直接認識することはできず、マクロファージ・樹状細胞などによる抗原提示が必要です。

・Bリンパ球

Bリンパ球は、細胞表面に、Tリンパ球とは異なった抗原受容体(BCR)が存在します。

Bリンパ球は、BCRを介して抗原を直接認識して活性化し、最終的に形質細胞に分化して免疫グロブリン(抗体)を分泌します。

リンパ球の循環

リンパ球は骨髄で生まれ、リンパ節、胸腺、扁桃、脾臓、腸管のバイエル板(これらの器官は「リンパ組織」と呼ばれています)に多く存在します。

リンパ球はひとつの場所にとどまっておらず、リンパ球は各リンパ組織から血管(またはリンパ管)というふうに絶えず体内を循環しています。

このリンパ球の循環(特にあるリンパ組織から循環し、再びもとのリンパ組織に戻ってくること)をリンパ球の「ホーミング:homing」といいます。

参考:リンパ管について

ヒトの体には血管のほかにもう一つ、リンパ管という管が、組織のすみずみまで分布しています。

リンパ管には、小さい穴が多数あり、まわりの組織から出た水分、分泌物(組織液)、組織中のリンパ球・マクロファージ・樹状細胞などがその穴からリンパ管に入ります。

末梢のリンパ管は体の中心部に向かっていくうちに合流し、リンパ本幹に集められ、リンパ液は、最後に太い静脈に注ぎ込まれます。

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病気

感染症の定義

定義

感染(infection)とは、微生物が、付着した場所で定着し、分裂・増殖することです。

微生物が、ヒトの排除能力(免疫など)を超えて侵襲するとき、「感染」が成立します。

生体にさまざまな障害が現れた場合、発病(発症)となり、この状態を「感染症」といいます。

参考

潜伏期

感染してから発病(発症)に至るまでの時期を、潜伏期(incubation period)」といいます。

ただし、感染した場合でも、すべて発病(発症)するわけではありません。感染しているが発病していない状態を特に「不顕性感染」といいます。

日和見感染

正常のヒトに感染しないが、排除能力の低下に伴い侵襲能力の弱い微生物が感染することは「日和見感染」と呼ばれ、また、日和見感染を受けやすい宿主は、「易感染宿主」と呼ばれます。

病原体

ヒトに侵襲能力をもつ微生物は、病原体(病原菌)と呼ばれます。

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医療従事者向け

カルバペネマーゼとは?

βラクタマーゼ

βラクタマーゼは、βラクタム環をもつ薬を分解する酵素で、様々な種類があります。

Amberの分類によれば、遺伝学的に、クラスAからDまで4分類されています。

カルバペネマーゼ

βラクタマーゼのうち、カルバペネムを分解できるβラクタマーゼを、カルバペネマーゼと呼びます。

なお、カルバペネマーゼは、基本的に、カルバペネム以外のβラクタム薬も分解できます。

カルバペネマーゼの種類

カルバペネマーゼは、活性中心の構造により、メタロβラクタマーゼに分類されるものと、セリンβラクタマーゼに分解されるものとに分けられます。

メタロβラクタマーゼに分類されるものには、IMP型、NDM型、VIM型などがあります。

一方、セリンβラクタマーゼに分類されるものには、KPC型、OXA-48型、GES型、IMI/NMC-A型などがあります。

なお、カルバペネマーゼの日本での検出数は、IMP型が多いようです。具体的には、IMP-1や、IMP-6です。

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医療

自然免疫と獲得免疫

免疫とは

免疫とは、「一度、ある病原微生物が原因で感染症になったら、同じ病原微生物に対する抵抗力が飛躍的に上がる(二度とその感染症にはかからない)」という現象のことをいいます。

免疫という言葉の由来

たとえば、麻疹(はしか)や水疱瘡(みずぼうそう)に一度かかったら、二度目はかからないことが多いです。

このような現象を確認し、一般化したのは、「免疫学の父」といわれるルイ・パスツールです。

彼はそれを「二度なし現象」と表現し、それが「免疫」という言葉の元来の意味です。

自然免疫と獲得免疫

私たちが接触する病原微生物は、おおまかに、「細菌」、「ウイルス」、「真菌(カビ)」、「寄生虫」に分類できます。

そして、それらの感染(体内への侵入・増殖)によって何らかの症状が出るのが、「感染症」と呼ばれる病気です。

感染の原因である病原体を排除するため、ヒトは、自然免疫(先天免疫)と、獲得免疫(後天免疫)の防御機構をもっています。

自然免疫

自然免疫は、ヒトがもともと備えている防御機構で、主につぎの因子が関与します。

・補体
・インターフェロン
・好中球
・マクロファージ

たとえば、皮膚に傷つき、そこから細菌が侵入してきた場合、皮下組織まで侵入してきた細菌は、マクロファージに食べられます。

細菌などの異物の侵入を察知したマクロファージは、他のマクロファージや、好中球を近くに呼び寄せる物質(ケモカイン=遊走因子)を放出します。

この非特異的な防御が自然免疫(自然抵抗性)と呼ばれます。

なお、マクロファージは体内の各組織に点在しているのに対し、好中球のほとんどは、血管中に存在するため、好中球が組織中に移動するためには、ケモカインの働きが重要になります。

獲得免疫

獲得免疫は、病原体に感染することにより、初めて獲得される免疫応答です。

獲得免疫は、さらに体液性免疫と細胞性免疫とに分類されます。

前者は「Bリンパ球」と「抗体」が、後者は「Tリンパ球」が中心的に関与します。

自然免疫と獲得免疫の違い

自然免疫(自然抵抗性)は、その感染をくり返しても、抵抗力が強くなるわけではありません。

これに対して、獲得免疫の特徴は、異物に対する反応が特異的・長期間に記憶され、同一の病原体に再度感染した場合に、素早く対応できる点です。

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病気

血小板が減少する疾患

末梢血中には、約15~35万/μLの血小板が循環しています。

循環血液中の血小板数は、産生、破壊、分布のバランスにより一定数に保たれています。

しかし、バランスが崩れることにより血小板減少をきたします。

一般的には、血小板数が10万/μL未満に減少した場合、血小板減少とされています。

血小板数が5万/μL未満に減少すると、皮下出血、歯肉出血、鼻出血、性器出血など皮膚粘膜の出血症状が現れます。

血小板数が1万/μL 未満に減少すると、消化管出血や頭蓋内出血の危険性が高くなります。

下に、出血小板が減少する疾患の例を挙げます。

先天性血小板減少症

常染色体劣性遺伝形式

・先天性無巨核球性血小板減少症

・模骨欠損に伴う血小板減少症

・Bernard-Soulier症候群

常染色体優性遺伝形式

・May-Hegglin異常(MYH9異常症)

・Bernard-Soulier症候群のキャリアー

・GPIIb-llla異常症(GPIIb-lllaの活性化変異)

・Gray platelet症候群(血小板α穎粒欠損)

伴性劣性遺伝

・Wiskott-Aldrich症候群

後天性血小板減少症

血小板産生低下

・骨髄異形成症候群

・再生不良性貧血

・放射線,抗がん剤などの薬剤による骨髄抑制

・骨髄浸潤(癌,白血病など)

・巨赤芽球性貧血(ビタミンB12または葉酸欠乏症)

・発作性夜間血色素尿症(PNH)

血小板破壊・消費の亢進

・特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

・二次性免疫性血小板減少症(SLE,リンパ増殖性疾患など)

・薬剤性免疫性血小板減少症(キニジン,ヘパリンなど)

・播種性血管内凝固症候群(DIC)

・血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

・溶血性尿毒症症候群(HUS)

血小板分布異常または希釈

・脾機能冗進症(肝硬変,Banti症候群など)

・大量輸血

その他

・EDTA依存性偽性血小板減少症

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医療従事者向け

McFarland法の解説

McFarland法は、微生物検査で、菌数を調整するときに便利な方法です。

McFarland法の標準溶液は、1パーセントの塩化バリウムと、1パーセントの硫酸でつくられています。

MacFarland No.は、含まれている1パーセント塩化バリウムの百分率を意味します。

たとえば、1%硫酸と1%塩化バリウムを、容積比で99対1で混ぜたものは、MacFarland No.1となります。

また、1%硫酸と1%塩化バリウムを、容積比で95対5で混ぜたものは、MacFarland No.5となります。

通常よく使用されるのは、MacFarland No.0.5です。

この濃度のとき、大腸菌の菌液なら、約1〜2×10^8CFU/mlとなります。

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医療従事者向け

臨床的ブレイクポイントとは

定義

臨床的ブレイクポイントとは、希釈法により測定したMIC値において、臨床的に治療効果が期待できるMIC値と、期待できないMIC値との分岐点を意味します。

また、ディスク拡散法により阻止円直径を測定した場合では、臨床的に治療効果が期待できる阻止円直径と、期待できない阻止円直径との分岐点を意味します。

補足

検査室では、マイクロプレートなどを用いた希釈法により、抗菌薬のMIC(最小発育阻止濃度)を測定したり、あるいは、ディスクを用いたディスク拡散法により、発育阻止円直径を測定しますが、これは、in vitro (試験管内)条件での測定結果にすぎず、簡単には、in vivo(臨床)に適用できません。

なぜなら、ヒトの組織中での細菌および薬剤の挙動は、in vitroと同一では無いため、感染部位において抗菌薬の濃度をMIC値と同じ濃度にしたからといって、組織内での発育が阻止できるとは限らないからです。

そこで、臨床試験などの結果を基に、臨床的な観点からブレイクポイントを決定します。

臨床的ブレイクポイントは、希釈法で設定する場合は、MIC値(μg/ml)で表されます。また、ディスク拡散法で設定された場合は、阻止円直径(mm)で表されます。

なお、臨床的ブレイクポイントの数値を提唱する団体として有名なものに、EUCASTがあります。