患者さんの経過を追っていると、突然、CRPが大きく低下するのを見かけることがあります。
(炎症が改善したのかな?)
と思って見てみると、ステロイド(例:プレドニン)を使っているケースがあります。
調べてみると、ステロイドを使っていると、CRPは下がりやすく、好中球数は上がりやすくなるそうです。
CRPが下がりやすいのは、炎症性サイトカイン(IL-6 など)の産生が低下するからで、好中球数が上がりやすいのは、好中球の組織への移行が低下するからだそうです。
検査は奥深いですね。
患者さんの経過を追っていると、突然、CRPが大きく低下するのを見かけることがあります。
(炎症が改善したのかな?)
と思って見てみると、ステロイド(例:プレドニン)を使っているケースがあります。
調べてみると、ステロイドを使っていると、CRPは下がりやすく、好中球数は上がりやすくなるそうです。
CRPが下がりやすいのは、炎症性サイトカイン(IL-6 など)の産生が低下するからで、好中球数が上がりやすいのは、好中球の組織への移行が低下するからだそうです。
検査は奥深いですね。
コロナの騒動の中で改定された診療報酬。
その中でも、ちょっとだけ注目なのが、診療情報提供料(Ⅲ) 150点です。
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000605491.pdfより
[算定要件]のところに、こうあります。
(1) 他の保険医療機関から紹介された患者について、他の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した 場合に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき3月に1回に限り算定する。
(2) 妊娠している患者について、診療に基づき、頻回の情報提供の必要性を認め、患者の同意を得て、当該患者を紹介した他の保険医療機関に 情報提供を行った場合は、月1回に限り算定する。
(2)に注目です。
これは、過去に問題となった「妊婦加算」に置き換わるものなんですね。
「妊婦加算」は、平成30年の診療報酬改定の改定で追加された制度です。
「妊婦への慎重な対応」や「胎児への配慮」に対するインセンティブを医療機関に与える目的で導入されました。
内容ですが、初診料に75点(750円)の加算、再診料38点(380円)の加算とされていました。
当時は、妊婦さんの自己負担額が増えたということです。
妊婦加算の凍結
はじめは「うまくいくかも」と思われていたようですが、、、
この妊婦加算、ある時から凍結(一時停止)されました。
理由は、妊婦に加算分を負担させたことから「事実上の妊婦税だ」「少子化対策と逆行する」という非難の声がネット上で大きくなったからです。
とくに、産婦人科以外の科(たとえば眼科)にかかっても「妊娠というだけで,お金をとられる」という事例が目立ち、制度への疑問の声が多く上がったのです。
ただし、これについては、実は、厚労省が、疑義紹介資料において、「妊娠に直接関連しない傷病(感冒等)について診察を行った場合にも算定できる」という事務連絡をしていた等の事情があるので、医療機関が悪いわけではないのです…。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000202132.pdfより
その後、妊婦加算のあり方について、改めて中央社会保険医療協議会で議論されることになりました。
そして、昨年の12月、この妊婦加算は廃止が決まり、同時に、代替案として、妊婦に限らず、患者の同意を得た上で、医療機関同士が治療内容や検査結果について情報共有した場合に加算する仕組みを新設することが決まったのです。
というわけで、上記の診療情報提供料(Ⅲ) 150点は、今年の4月から実施されることになたわけです。
(参考https://www.sankei.com/life/news/191220/lif1912200018-n1.html )
制度設計の難しさが分かる事例でしたね。
前に話題だった、この研究。
すごいですよ!
朝日新聞:「人工血液、動物実験に成功 1年以上の常温保存も可能」
これは,大量出血した患者に対して,応急処置的に使うことを想定した人工血液とのことです.
魔法みたいですね!!
この研究の業績を知りたい方は,こちらの科研のサイトをご覧ください.
↑ 科研費の助成を受けているようです(JSPS科研費16K11435).
個人的には,日赤(日本赤十字)の利権が,少しですが,脅かされている点にも,注目(?)です.
エホバの証人(The Jehovah’s witness)とよばれるキリスト教の一宗派の方々がいらっしゃいます.
聖書は,創造者であるエホバ神が人の内面の美しさを高く評価することを示しているそうです.
おそらく,このことと無関係ではない話として,「エホバの証人」の信者の方々は,輸血を拒否することで知られています.
過去,救命の為に輸血をした医師と「エホバの証人」の信者との間で,いくつもの裁判がありましたが,平成12年2月29日,「エホバの証人」の信者に対して輸血した医師の不法行為責任を認める最高裁判決が出たのは有名です(平成10(オ)1081).
患者は「輸血を受けない」という信条を有しており,病院(東京大学医科学研究所附属病院)に対して,「輸血をすることなく治療・手術をしてほしい」という願い出をしていました.
担当医師は「本人の意思を尊重する」と約束しました.
しかし,手術後,患者の容態管理が難しいと考えた医師は,患者の意思に反して輸血をしました.
その後,輸血の事実を知った患者は,精神的ショックを受けました.
患者は,輸血した医師と,その使用者の国に対して,患者の自己決定権や信教の自由を侵害し,甚大な精神的苦痛を強いられたということで損害賠償責任を求め提訴しました.
東京地裁は原告患者の請求を棄却しました.
東京高裁は原告患者勝訴の逆転判決を言い渡しました.
最高裁(第三小法廷)は,上告棄却の判決を言い渡しました。
最高裁の判決要旨はつぎの通りです.
医師が、患者が宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を受けることは拒否するとの固い意思を有し、輸血を伴わないで肝臓のしゅようを摘出する手術を受けることができるものと期待して入院したことを知っており、右手術の際に輸血を必要とする事態が生ずる可能性があることを認識したにもかかわらず、ほかに救命手段がない事態に至った場合には輸血するとの方針を採っていることを説明しないで右手術を施行し、患者に輸血をしたなど判示の事実関係の下においては、右医師は、患者が右手術を受けるか否かについて意思決定をする権利を奪われたことによって被った精神的苦痛を慰謝すべく不法行為に基づく損害賠償責任を負う。
以上,ご参考まで.
みなさんも,おそらくご存知の映画でしょうか.
レオン,そして,ニューシネマパラダイス.
この2つの映画には,共通点があるのをご存知でしょうか?
それは,どちらも,劇場公開版と,完全公開版の2つのストーリーがあるということです.
どちらも最近は地上波で流れることはなくなりましたが,地上波で見れていたのは,たぶん劇場公開版の方です.
レオン レオンでは,完全版の方が,主役2人の交流が多くなっています.
それにより,2人の関係性についての見方がけっこう変わります.
ニューシネマパラダイス ニューシネマパラダイスでは,完全版では,まさかの◯◯◯が起き,×××の描写があるなど,とんでもないことになります.
しかし,それが,180度,エンディングの解釈を変えてしまうくらいのエピソードになります.
私は,どちらも完全版が好きですね.
以前,子どものハロウィン衣装の制作に布が必要ということで,家族で布屋に行く機会がありました.
色々な布が売っていて,服の型紙も売っていたりしました.
そこで,ふと思ったんですね.
つくろうと思えばつくれるのに,
なぜ,私たちは,自分の服をつくらないのか?
と.
布ってめっちゃ安いので,服をつくれるスキルを身につければ,服を買うのに使うお金は,かなり節約できますよね.
…しかし,私たちは服を自分で作らないわけです.
まぁ,「面倒だから」「自分にはできないと思うから」などが理由になると思いますが.
人間の心理を考えるには,面白いテーマだなぁと思いました.
その日は,日曜日でした.
駅のエスカレーターを昇ると,
「緑の募金にご協力をお願いします!」
と声が聞こえました.
ぱっと見ると,小学生と思われる子どもたちがいました.
直感的に,
「あっ,募金しよう」
と思ったんですね.
財布を取り出して,100円ぽっちでしたけれど,
「がんばってね〜☆」
と声をかけて募金しました.
そして緑の羽根を受け取りました.
これ自体は,善いことができたので良かったんですが,
ふと,
なぜ自分は募金したんだろう…?
と考えました.
なぜかというと…
たまに,駅前で募金している大学生がいたりしますよね.
「恵まれない海外の子供たちのために〜」
ってやつです.
恥ずかしい話なのですが,私はあれに募金したことないんです.
ユニセフだろうが何だろうが,いつも素通りです.
足を止める時間がもったいなく感じてしまうとか,そんなのもありますけれど,全然,募金する気が起きないわけです.
でも,先日はパッと募金できたわけです.
この違いは,何なのかなぁーと考えてしまったんですね.
その結果,分かったのは,単純に,
子どもだったから応援したくなった
ということです.
大きい声を出して頑張ってたんですね.本当に.
やっぱり,純粋さというか,そういう部分に惹かれたのかなぁと思ったわけです.
ちなみに家に帰ってから気がついたんですが,その時点では,私は,緑の募金で何が行われているのか知りませんでした.
調べてみたら,森林整備のほか,震災で被災した方々への支援,子どもたちへの森林環境教育,また海外の緑化支援等にも使われているということを知りました.
少しですが,地球環境に貢献できたので良かったです.
みなさんも,街で「緑の募金」の活動を見かけたときは,ちょっとだけでいいので募金してみてくださいね(^O^)/

ネット上には,「バターが体に悪い」,「バターを食べてはいけない」なんて噂がありますね.
そこで,バターについて調べてみました.
皮下脂肪と内臓脂肪
体内脂肪(グリセリン+脂肪酸)は皮下脂肪と内臓脂肪に分けられます.
皮下脂肪は,融点の低い不飽和脂肪酸 (植物油の成分)を主体とし,
内臓脂肪は,融点の高い飽和脂肪酸(バターやチーズの成分)を主体にしています.
この内臓脂肪に含まれる飽和脂肪酸が血管内皮組織に増えれば動脈硬化の原因になるということで,問題視されています.
バターの摂りすぎは良くないということが分かりますね.
なお,魚介類由来の多価不飽和脂肪酸を摂取する量が多くなるほど,循環器疾患(脳卒中+心筋梗塞)による死亡リスクが最大で20%ほど低下することが統計学的に分かっているようです.
おもしろいですね.
とはいえ,脂質を極端に制限するような食事では,脂溶性ビタミンの吸収が抑制されることに注意すべきという見解もあります.
ニンジンはバターで炒めると良い…っていう話は,昔に家庭科で習いましたよね.
あたりまえですが,バランスの良い食事を心がけることが大切なのでしょうね.
世の中には「それ本当かな?」という謳い文句の製品やサービスが多いですね.
エビデンス(根拠)はどうなっているの?
と思ってしまうことは多々あります.
たとえば美容関係なら,
「〜という試験結果があります!」というものでも,中身を見ると,数人の主観的な効果の実感をアンケートしたものに過ぎなかったりとか.
…信じられるエビデンスとは,いったい何でしょうか?
一般的に言われているのは,RCTによる試験結果は信頼性が高いということでしょう.
ランダム化比較試験(RCT)
XとYとの因果関係を判断するために最適な方法が,ランダム化比較試験(RCT)です.
RCTは,「無作為化比較試験」ともよばれます.
例えば,医薬品の場合,こんな感じになります.
【手順】
(1)RCTでは,ある集団を2つのグループに分けます(介入群と対照群).
このとき,グループを構成する人のさまざまな特徴(背景因子)が似るように,被験者をどちらのグループに割り付けるかをランダムに決定します.
(2)介入実験のときは,一方のグループには,試験医薬品Xを使い,もう一方のグループには,外形がそっくりなだけの偽の医薬品Xo(プラセボ)を使います.
このとき,被験者も研究者も, XかXoのどちらが使われたかが分からないようにします(二重盲検).
(3)2つのグループで結果を比較します.
【結果の解釈】
両方のグループに起きた出来事(効果:Y,Yo)に統計学的に有意な差が認められれば,その違いは,製品Xによる効果と判断できます.
製品やサービスを見かけたときは,「〜という試験結果がありました」という文章を信じるのではなく,そのエビデンスと主張される試験結果が導き出された方法に注目すると良いと思われます.
マーガリンは健康に悪いから食べてはいけない,なんて噂がありますね.
ちまたでは,たとえば『マーガリンを食べるな』という主張を耳にすることがあります.
マーガリンはトランス脂肪酸を多く含む,という認識が広まっていることが原因かもしれません.
少し,調べてみました.
心臓の筋肉に向けて流れる血管を冠動脈といいます.
これまでの疫学研究によって,マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は,摂取すると冠動脈疾患のリスクを高めると言われています.
不飽和脂肪酸のうち,トランス(trans)型の二重結合が一つ以上ある不飽和脂肪酸が,まとめて「トランス脂肪酸(trans-fatty acid)」と呼ばれています.
2003年,WHOは,食事からのトランス脂肪酸を少なくして,総エネルギー量の1%未満にすべきと勧告しています.
海外では,トランス脂肪酸について加工食品の栄養表示を義務づけたり,含有量の規制措置を実施したりしている国・地域が増加しつつあります.
日本人のトランス脂肪酸の摂取量の推定調査が,2006年度に食品安全委員会,2005~2007 年度に農林水産省により実施されました.
その推定調査の結果,日本人の大多数は,上記のWHO目標の1%を下回っていて,通常の食生活をしていれば健康への影響は少ないという考察がなされています.
しかし,近年は,メーカーの努力により,マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の量が減ってきています.
たとえば、小岩井マーガリンでは、トランス脂肪酸の含有量低減に向けた取り組みを継続しています。
参考:https://www.koiwaimilk.com/dairy/margarine/
なので,マーガリンだからといって,やみくもに避ける必要はないのです.
たとえば,バター不足のときにマーガリンを買わないというのは,怯えすぎということになります.
ただし,マーガリンを選ぶ場合は,トランス脂肪酸の少ないものを購入することがよいのは確かでしょう。