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Column

インフレが密かに進行中⁉️ いつの間にか小さくなった食べものたち.

日銀が2%のインフレを掲げて,かなりの時間が過ぎましたね.

2%の「物価安定の目標」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」

ご存知のように,世間では,インフレは全く起きていないし,目処も立っていないと言われています.

しかし,最近,コンビニのパンを見て思いました.

(小さい…?)

パンが小さくなった!?

なんだか,突然,昔と比べて小さくなっている気がしたんですよね.

メロンパンって,もっと大きくなかったっけ?

とか,

あんパンもっと重たかったよね…?

とか.

調べてみると,数年前から,この現象はネットで話題になっていたようでした.

実際にパンは小さくなっているそうです.

また,この現象は,おにぎりやお菓子,その他の食品や飲料でも観測されているようです.

▷NHK:食の“スモールチェンジ”裏事情

実は,物価の上昇は,消費者には見えにくい形で,密かに進行している…

そんなことを感じました.

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Column

髪の毛を寄付するヘアドネーションの紹介

1990年代のアメリカで始まった,髪の毛の寄付(ヘアドネーション)は,日本でも,10年前から始まっているようです.

2009年,日本で最初にヘアドネーションを始めたのは,JAPAN HAIR DONATION & CHARITY( 通称:JHD&C,ジャーダック).

寄付で集まった髪の毛で,ウィッグをつくり,小児がん治療や先天性の脱毛症などで頭皮に悩みを抱える18歳以下の子どもたちへ,無償で提供しているそうです.

このヘアドネーション,広まるきっかけとなったのは,どうやら2011年の東日本大地震や,2015年に柴咲コウさんが行なったことだそうです.

ゴミとして捨てていたものが,誰かのためになるということで,その手軽さから,一気に広まったと言われています.

このヘアドネーションの取り組みが,今後,さらに全国的に広まり,髪の毛を寄付することが当たり前という世の中になっていくと良いですね.

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散録

子どもが、おもちゃの取り合い…ケンカは止めるべき?

家庭に子どもが2人以上いると,上の子と,下の子で,おもちゃを取り合って喧嘩するってことありますよね.

親の中には,取り合いの喧嘩をしないように,同じおもちゃを一人に一つずつあげるという対策をとる人がいるようです.

子どもが喧嘩してギャーギャー騒いでいると,こちらも若干のストレスがかかるので,気持ちは分からんでもないのですが…

多くの家庭と同じように,わが家では,それは実行していません.

取り合いの喧嘩をする中で,学ぶこともあると思うんですよね.

我慢とか,譲り合いとか,謝り方とか…

せっかく兄弟姉妹がいて,そういう学びの機会があるのを,親が取り上げてしまうのはもったい無いよなぁと思うんです.

みなさんは,どう思いますか?

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医療従事者向け

医療系専門学校の合格率が高い理由

医療系の専門学校は、高い合格率をうたっています。

国家試験合格率98%!

とか

国家試験合格率100%!

とか。

実は、これにはカラクリがあります。

どういうことかというと…

国家試験を受けるためには「卒業見込証明書」が必要なんですが…

学力の低い生徒には、卒業を認めないのです。

国家試験の前に「卒業試験」を実施し、一定以上の得点をとれなかった人の卒業を認めないのです。

なので、一定の学力のある人だけが卒業し、国家試験を受けることになります…

合格率が高くて当たり前ですよね。

ちなみに、これは入学前の生徒に、学校から知らされることはありません((+_+))

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検査

血液検査と基準範囲の雑学

血液検査と基準範囲についての雑学をご紹介します☆

健康診断を受けるなどして、血液検査の結果が返ってくると、かならず、検査結果の横に、数値範囲が書かれていますね。

たとえば、こんな感じでしょうか。

この数字の範囲は、『基準範囲』と呼ばれます。

さて、この基準範囲は、どのように求められているのでしょうか?

実は、この基準範囲は、ざっくりと言えば、

「健常そうな人を集めて、約95%の人が含まれる範囲」です。

 

より具体的に言えば、検査データの平均値に、2×標準偏差(±2SD)を加えた範囲です。

なので、健常人のうちの約5%は、基準範囲から外れる設計となっています。

「健康な人でも、基準範囲を外れることがある」ということなので、基準範囲を外れても、それが異常を意味するわけではないということになります。

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医療

病院の種類

備忘録です。

特定機能病院

特定機能病院は「高度先端医療を必要とする患者に対応する病院」として厚生労働省の承認を受けている病院。

全国の大学病院の本院であることがほとんど。

中核病院

中核病院には、厳密な定義はなし。

ある程度の規模で、地域医療の拠点病院は、中核病院と言える感じ。

大学病院であっても「中核病院」と名乗る病院もあるそう。

一般病院

一般病院は、病床数20以上の病院。

精神病院と結核療養所を除き、ほとんどの病院が、この「一般病院」に含まれる。

ちなみに病床数19以下の医療機関は「診療所」。

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医療従事者向け 検査

ステロイドとCRP低下・白血球(好中球)上昇

患者さんの経過を追っていると、突然、CRPが大きく低下するのを見かけることがあります。

(炎症が改善したのかな?)

と思って見てみると、ステロイド(例:プレドニン)を使っているケースがあります。

調べてみると、ステロイドを使っていると、CRPは下がりやすく、好中球数は上がりやすくなるそうです。

CRPが下がりやすいのは、炎症性サイトカイン(IL-6 など)の産生が低下するからで、好中球数が上がりやすいのは、好中球の組織への移行が低下するからだそうです。

検査は奥深いですね。

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医療

妊婦加算の代わりにできた診療情報提供料(Ⅲ) 150点

コロナの騒動の中で改定された診療報酬。

その中でも、ちょっとだけ注目なのが、診療情報提供料(Ⅲ) 150点です。

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000605491.pdfより

[算定要件]のところに、こうあります。

(1) 他の保険医療機関から紹介された患者について、他の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した 場合に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき3月に1回に限り算定する。

(2) 妊娠している患者について、診療に基づき、頻回の情報提供の必要性を認め、患者の同意を得て、当該患者を紹介した他の保険医療機関に 情報提供を行った場合は、月1回に限り算定する。

(2)に注目です。

これは、過去に問題となった「妊婦加算」に置き換わるものなんですね。

妊婦加算とは

「妊婦加算」は、平成30年の診療報酬改定の改定で追加された制度です。

「妊婦への慎重な対応」や「胎児への配慮」に対するインセンティブを医療機関に与える目的で導入されました。

 

内容ですが、初診料に75点(750円)の加算、再診料38点(380円)の加算とされていました。

当時は、妊婦さんの自己負担額が増えたということです。

妊婦加算の凍結
はじめは「うまくいくかも」と思われていたようですが、、、

この妊婦加算、ある時から凍結(一時停止)されました。

理由は、妊婦に加算分を負担させたことから「事実上の妊婦税だ」「少子化対策と逆行する」という非難の声がネット上で大きくなったからです。

とくに、産婦人科以外の科(たとえば眼科)にかかっても「妊娠というだけで,お金をとられる」という事例が目立ち、制度への疑問の声が多く上がったのです。

ただし、これについては、実は、厚労省が、疑義紹介資料において、「妊娠に直接関連しない傷病(感冒等)について診察を行った場合にも算定できる」という事務連絡をしていた等の事情があるので、医療機関が悪いわけではないのです…。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000202132.pdfより

その後、妊婦加算のあり方について、改めて中央社会保険医療協議会で議論されることになりました。

そして、昨年の12月、この妊婦加算は廃止が決まり、同時に、代替案として、妊婦に限らず、患者の同意を得た上で、医療機関同士が治療内容や検査結果について情報共有した場合に加算する仕組みを新設することが決まったのです。

というわけで、上記の診療情報提供料(Ⅲ) 150点は、今年の4月から実施されることになたわけです。

(参考https://www.sankei.com/life/news/191220/lif1912200018-n1.html )

制度設計の難しさが分かる事例でしたね。

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医療従事者向け

この研究がすごい! 「人工血液カクテルの開発」

前に話題だった、この研究。

すごいですよ!

朝日新聞:「人工血液、動物実験に成功 1年以上の常温保存も可能

これは,大量出血した患者に対して,応急処置的に使うことを想定した人工血液とのことです.

魔法みたいですね!!

この研究の業績を知りたい方は,こちらの科研のサイトをご覧ください.

止血能を有した救命蘇生用人工血液カクテルの開発

↑ 科研費の助成を受けているようです(JSPS科研費16K11435).

個人的には,日赤(日本赤十字)の利権が,少しですが,脅かされている点にも,注目(?)です.

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医療従事者向け

「エホバの証人」の信者への輸血に関する最高裁判決

エホバの証人(The Jehovah’s witness)とよばれるキリスト教の一宗派の方々がいらっしゃいます.

聖書は,創造者であるエホバ神が人の内面の美しさを高く評価することを示しているそうです.

おそらく,このことと無関係ではない話として,「エホバの証人」の信者の方々は,輸血を拒否することで知られています.

過去,救命の為に輸血をした医師と「エホバの証人」の信者との間で,いくつもの裁判がありましたが,平成12年2月29日,「エホバの証人」の信者に対して輸血した医師の不法行為責任を認める最高裁判決が出たのは有名です(平成10(オ)1081).

 

事件の概要

患者は「輸血を受けない」という信条を有しており,病院(東京大学医科学研究所附属病院)に対して,「輸血をすることなく治療・手術をしてほしい」という願い出をしていました.

担当医師は「本人の意思を尊重する」と約束しました.
しかし,手術後,患者の容態管理が難しいと考えた医師は,患者の意思に反して輸血をしました.

その後,輸血の事実を知った患者は,精神的ショックを受けました.

患者は,輸血した医師と,その使用者の国に対して,患者の自己決定権や信教の自由を侵害し,甚大な精神的苦痛を強いられたということで損害賠償責任を求め提訴しました.

裁判で決着

東京地裁は原告患者の請求を棄却しました.
東京高裁は原告患者勝訴の逆転判決を言い渡しました.
最高裁(第三小法廷)は,上告棄却の判決を言い渡しました。
最高裁の判決要旨はつぎの通りです.

裁判要旨

医師が、患者が宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を受けることは拒否するとの固い意思を有し、輸血を伴わないで肝臓のしゅようを摘出する手術を受けることができるものと期待して入院したことを知っており、右手術の際に輸血を必要とする事態が生ずる可能性があることを認識したにもかかわらず、ほかに救命手段がない事態に至った場合には輸血するとの方針を採っていることを説明しないで右手術を施行し、患者に輸血をしたなど判示の事実関係の下においては、右医師は、患者が右手術を受けるか否かについて意思決定をする権利を奪われたことによって被った精神的苦痛を慰謝すべく不法行為に基づく損害賠償責任を負う。

以上,ご参考まで.