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病気

認知症の治療薬の一覧

認知症の治療薬の一覧を掲載します。

介護が長期化すると、以下の認知症の治療薬の処方を考える時がくると思います。

参考のため、ここでは、抗アルツハイマー病の医薬品のうち、先発品を紹介します。

ジェネリックがある薬品もありますので、希望する場合はかかりつけ医に処方してもらいましょう。

レミニール錠

「ガランタミン臭化水素酸塩」という物質名の薬です。先発品です。

【製】ヤンセンファーマ
【販】ヤンセンファーマ
【販】武田薬品工業

アリセプト錠

「ドネペジル塩酸塩」という物質名の薬です。先発品です。

【製】エーザイ
【販】エーザイ

メマリー錠

「メマンチン塩酸塩」という物質名の薬です。先発品です。

【製】第一三共
【販】第一三共

イクセロンパッチ

「リバスチグミン」という物質名の薬です。先発品です。

経皮吸収タイプのアルツハイマー型認知症治療薬です。

【製】ノバルティスファーマ
【販】ノバルティスファーマ

リバスタッチパッチ

「リバスチグミン」という物質名の薬です。先発品です。

経皮吸収タイプのアルツハイマー型認知症治療薬です。

【製】小野薬品工業
【販】小野薬品工業

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仮想通貨 病気

投げ銭にかかる税金の計算方法。

仮想通貨は、投げ銭ができますが、

ふと、「投げ銭て、税金どうなるの?」と思ったので、

この疑問に回答してみようと思います。

国税庁の見解に従うと…

まずは、国税庁がH29年12月1日に発表した有名な資料を引用します。

投げ銭に関して参考になるのは、最後のページの、マイニングの解説です。

仮想通貨のマイニング等
いわゆる「マイニング」(採掘)などにより仮想通貨を取得した場合、その所得は、事業所得又は雑所得の対象となります。
この場合の所得金額は、収入金額(マイニング等により取得した仮想通貨の取得時点での時価)から、必要経費(マイニング等に要した費用)を差し引いて計算します。
なお、マイニング等により取得した仮想通貨を売却又は使用した場合の所得計算における取得価額は、仮想通貨をマイニング等により取得した時点での時価となります。』

ポイント

太字にした「取得時点での時価」という箇所が、ポイントだと思います。

この見解を、仮想通貨の投げ銭に当てはめてみると…

投げ銭をもらった時点で収入ありと判断する

ということになります。

その計算方法は、

投げ銭をもらった時の仮想通貨の時価×取得枚数

という計算方法になります。

売却したときは

ちなみに、もらった投げ銭の仮想通貨が値上がりしてから売却したときに、「利益」が出た場合ですが、

その税金を計算する時は…

売却時の「利益」を次のように計算してから、税率をかけることになるでしょう。

利益=売却枚数×(売却時の時価 − 投げ銭受け取り時の時価)

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病気

病院でフルネームを名乗る理由は本人確認!?

現在、ある程度の大きさの病院(総合病院や大学病院など)になると、ほとんどの病院は、患者にフルネームで名乗ってもらうというのを院内ルールで定め、そして実践しています。

みなさんも、そのような病院に行ったときに、診察券の確認に加えて、名前をフルネームで名乗らされたご経験があると思います。

とはいえ、いちいち自分の名前を声に出すのは面倒ですから、ひょっとしたら、

「いったい何の意味があるんだろう」

「病院側が名前を尋ねればいいじゃないか」

などと疑問に思われたこともあるかもしれません。

ところが、実は、この「名乗ってもらう」ということには、非常に大きな意味があるのです。

これは、患者の取り違えを防ぐために行われているのです。

どういうことかというと、患者さんの中には、「つぎは自分の番だ」と思いながら待っている人がとても多いのです。

たとえば、「佐藤さーん!」という呼びかけに、田中さんが「はい」と返事してしまうような事件が、往々にして発生するのです。

そうなってしまうと、本来、佐藤さんにすべき医療行為を、田中さんに実施してしまうことになりかねません。

とても危険なのです。

特に、患者さんには耳の遠くなった高齢者の方が多いので、取り違えの可能性がアップします。

ですから、病院では名前を名乗るように言われても、面倒臭がらずに、フルネームを名乗るようにしましょう。

さらに言えば、フルネームを名乗らせない病院(あるいは職員)は、安全の意識に欠けていると言えるでしょうから、十分に気をつけてください。

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病気

口の中が痛いときの性病

口の中が痛くなる原因はさまざまですが、性病によっても口の中が痛くなることがあります。

症例を紹介

50歳の男性が、口の中の粘膜(口腔粘膜)に白い膜(白斑)が繰り返してでき、舌も白くなっている(舌苔)を訴えて来院されました。

実は、この方は1年以上前から厚い舌苔を認めていたようです。

医師は、免疫不全を疑って検査を行ったところ、HIVの感染が判明し、口の中については、HIV 感染症に伴う『偽膜性力ンジダ症』と診断されました。

カンジダ症について
この症例のように、口の中が痛くなる性病で代表的なのが、真菌と呼ばれる微生物によって引き起こされる『口腔内カンジダ症』です。

HIVに感染して感染防御機能が低下した者などに、カンジダ菌はよく発症します。

カンジダ症は、白い斑点状 の病変ができる『偽膜性カンジダ症』だけでなく、口蓋や頬粘膜などの粘膜が発赤して痛みを伴う『紅斑性力ンジダ症』、および、口腔粘膜が厚く硬くなる『肥厚性カンジダ症』などがあります。

口腔内でカンジダ症と思われる様子がある場合は、まず細菌検査で診断することが大切で、方法は、綿棒で口の中を拭って、培養検査を行います。

口腔内を清潔にし、抗真菌薬を使用するなどにより、症状は改善していきます。

なお、もしもHIVにも感染していた場合は、抗 HIV療法によりHIVウイルス量をコントロールすることも必要になります。

HIV検査も必ず行おう

このように口の中が痛いときには、性行動を振り返ることが大切です。

思い当たるような性行動がある場合は、少なからず、HIVへ感染している可能性を疑わなければなりません。

すでに広く知られているように、HIVは、免疫不全ウイルスであり、AIDS(Acquired Immune Deficiency Syn- drome:後天性免疫不全症候群)を引き起こします。

現在は、HIVに感染しても、ほとんどの人は発症しないような薬がありますが、診断が遅れるほど、取り返しがつかなくなります。

症状に気付きしだい、口腔内科で診察を受けましょう。

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病気

アソコ(生殖器・性器)が痒い(かゆい)ときに疑う性病

アソコ(生殖器・性器)が痒い(かゆい)場合には、性病を疑うことができます。

これらの原因としては、つぎのようなものによる感染がありえます。

リン菌(尿道炎や膣炎の原因)、トリコモナス原虫(膣トリコモナス症の原因)、単純ヘルペスウイルス(性器ヘルペスの原因)、梅毒トレポネーマ(梅毒の原因)などです。

かゆみの理由としては、上に挙げた微生物により、尿道が炎症しているケース(尿道炎)があります。

特に女性の場合は、膣が炎症しているケース(膣炎)、外性器が炎症しているケース(外性器感染)がありえます。

性器ヘルペス

たとえば、性器ヘルペスは、感染の機会から約1週間(潜伏期)をもって発症し、女性の外陰部粘膜に潰瘍ができます。

梅毒

また、梅毒では、粘膜面の小さな傷を通して感染した微生物(梅毒トレポネーマ)が、血液にのって運ばれ、局所および全身に多彩な皮膚症状が出てきます。代表的なのは、感染した局所粘膜に出現する無痛性の潰瘍(硬性下疳(こうせいげかん))です。

尖圭コンジローマ

さらに、尖圭コンジローマでは、感染してから約3ヵ月後に、いわゆる「いぼ」である、先の尖った鶏冠(とさか)状の腫瘍(乳頭腫)認めます。

一般的にかゆみや痛みなどの自覚症状はありませんが、人によっては、かゆみや痛みが出る場合があります。

おもに、大陰唇、小陰唇、膣前庭、膣、子宮膣部、肛門周囲が発生部位です。

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病気

銅欠乏性貧血

銅は生体に必要な微量元素です。すなわち必須微量元素です。

詳細は分かっていませんが、銅が欠乏すると、貧血をきたします。

これは、「銅欠乏性貧血」と呼ばれます。

銅の欠乏

通常の食事であれば、銅は、貝類、甲殻類、動物の肝、堅果、豆類を中心にさまざまな食品に含まれています。

したがって、通常の経口摂取下では欠乏することはまれです。

欠乏するリスク患者の例としては、高齢者で、長期間、TPNや経管栄養に依存している患者が挙げられます。

輸液や経管栄養剤に、十分な銅が含まれていないと、銅が欠乏します。

経管栄養剤について言えば、微量元素が強化されたものは高価であるため、経済的理由から使用を控える施設があり、そのような施設では、患者が銅欠乏となりやすくなります。

リスク患者に貧血を認めたときは、銅欠乏性貧血を鑑別する必要があります。

銅欠乏と貧血の関係

詳細な機序は不明ですが、一説では、銅が欠乏すると、銅の搬体であるセルロプラスミンのフェロオキシダーゼ活性が低下し、貯蔵鉄の動員が障害されるため、貧血をきたすと言われています。

銅欠乏性貧血の特徴

ほかの貧血との鑑別点となるのは、血液検査では、血清銅とセルロプラスミンの低下を認めることや、血小板数は正常であることなどです。

なお、骨髄検査の特徴は以下のとおりです。

・正形成または過形成を呈する

・顆粒球系は成熟障害が著明である

・赤芽球系は前赤芽球が増加し、過形成の傾向を認めるが、巨赤芽球変化はなく、骨髄異形成症候群と診断できるほどの異形成に乏しい

・顆粒球系、赤芽球系ともに細胞質に空泡のある細胞が散見され、とくに前骨髄球、骨髄球、前赤芽球などの幼若細胞に空泡が著明

・環状鉄芽球を認めることがある

治療

経管栄養では、不足分を補うために、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅などを経管栄養剤に混ぜる方法や、銅の含有率が高いココア粉末を経管栄養剤に混ぜる方法があります。

静脈栄養では、高カロリー輸液に、微量元素製剤を混合することができます。

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百日咳の原因、感染経路、症状、診断、治療

急性呼吸器感染症である「百日咳」について解説します。

原因微生物

百日咳の原因微生物は、百日咳菌(Bordetella pertussis)です。

病原因子

主な病原因子は、接着因子として、線維状赤血球凝集素(filamentous hemagglutinin:FHA)、線毛、パータクチンなどがあります。また、毒素として、百口咳毒素(pertussis toxin:PT)、アデニル酸サイクラーゼ毒素(ACT)、壊死毒素などがあります。

感染経路

百日咳菌は、患者の上気道分泌物の飛沫や直接の接触によって経気道的に感染します。

免疫のない濃厚接触者では80%は罹患するとされています。

親から新生児・早期乳児への伝播や、集団生活での伝播が問題視されています。

潜伏期間

潜伏期間は、およそ7〜10日間と言われます。

症状

小児では特徴的な激しい咳を主症状とします。

成人では慢性的な咳を主症状としますが、その症状は非定型で軽いことが多いです。

以下では小児の症状を解説します。

カタル期

発症から1〜2週間では、かぜ症状で発症し、咳は次第に強くなります。この時期は、飛沫菌量が多く、家族内感染や集団感染を起こしやすい時期です。

なお、痰を伴わない咳で発症し、通常の鎮咳薬では咳が治まりせん。

痙咳期

発症から3〜6週間では、顕著な咳がみられます。

乾性咳嗽が激しくなり、1呼気の間に5〜10回の連続的な咳き込み(staccato)、あえぐような吸気性笛声(whooping)を繰り返します。

乳幼児では、継続的な咳発作のなかで呼吸停止、嘔吐、チアノーゼ、痙攣などを起こし、まれに肺高血圧や脳出血、低酸素状態が続いて死に至ることがあります。

回復期

その後の数週間は回復期となりますが、このときにも咳は続きます。

診断

2週間以上の咳があり、かつ、①発作性の咳き込み、②吸気性笛声、③咳き込み後の嘔吐、の少なくとも1つを伴う場合に本症を疑います。

検査

遺伝子診断ではPCR法やLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法が用いられます。

また、時間はかかりますが、培養検査によっても診断可能です。

治療

抗菌薬は、特徴的な咳が出る前であれば、症状の軽症化に有効です。

ただし、百日咳は、典型的な咳が出始める痙咳期に疑われることが多いため、この時期の抗菌薬の投与は、症状改善の目的よりも、除菌による周囲への伝搬防止が目的となります。

抗菌薬としては、マクロライド系抗菌薬の内服が第1選択薬となります。すなわち、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンなどです。

内服できない場合や、重症入院患児では、ピペラシリン、セフォペラゾンなどの静注を行います。

乳児などの重症例では、静注用γ-グロブリン製剤の大量療法が著効を示すことがあるとの報告があります。

なお、咳嗽発作に対しては、去痰薬やβ2-刺激薬を併用するなどして、対症療法を行います。

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乳酸アシドーシスの原因、診断、検査、治療

乳酸アシドーシスについて解説します。

定義

乳酸アシドーシスとは、一般に、血中の乳酸が5mmol/L(45 mg/dL)以上の病態をいいます(高乳酸血症)。

代謝性アルカローシスや呼吸性アルカローシスを合併していなければ、血液pHが7.35未満の、いわゆるアシデミア(酸血症)となることが一般的です。

乳酸の代謝

基本的に、乳酸は、細胞への酸素供給が不足したときに、ピルビン酸から産生されます。

通常は、乳酸が蓄積することはありませんが、嫌気的条件下では、蓄積します。

なお、乳酸は身体のすべての臓器・組織で産生され、とくに多く産生される臓器は骨格筋、脳、腸です。

乳酸アシドーシスの原因

高乳酸血症による乳酸アシドーシスは、乳酸の産生が代謝を上回った場合に起こりえます。

古典的には、低酸素症や虚血・ショックによるものなど二次的なものをタイプAと分類し、何らかの原因で乳酸が産生されている一次的なものをタイプBと分類します。

タイプAの原因としては、循環血漿量減少、心不全、敗血症などによるショック、呼吸不全、一酸化炭素中毒、組織の低酸素状態、心肺停止などがあります。

type Bの原因としては、肝不全に伴う肝での乳酸処理の低下、悪性リンパ腫などの腫瘍細胞での過剰な乳酸産生、ビタミン B1不足、薬剤性、先天代謝異常症などがあります。

Lactate shuttle

また、近年は、上記のタイプAとタイプB以外に、「lactate shuttle」という概念が注目されています。

具体的には、代謝活発化に伴う解糖系の充進の結果として起こる高乳酸血症です。

敗血症などでは、筋肉などで解糖系が亢進し、大量の乳酸が産生され、血液中へ動員されます。

高値となった乳酸は重要臓器へ運搬されエネルギー源として利用されると考えられています。

診断・検査

乳酸アシドーシスか否かを診断するには、血液ガス分析で、血中乳酸値を直接測定するのが一番です。

また、動脈血のpHをみることも重要です。

血中乳酸値が5mmol/L(45 mg/dL)以上で、動脈血のpHが7.35未満であれば、乳酸アシドーシスであると診断が容易です。

治療

基本的には、呼吸・循環管理(乳酸を含まない輸液、酸素投与など)を行います。

また、DKAや高血糖などインスリン欠乏が疑われる場合は、インスリンを投与します。

さらに、低栄養状態や中心静脈栄養法(IVH)導入時で、ビタミンB1不足が疑われるときは、ビタミンB1を投与します。

なお、pH 7.1未満の場合、pH 7.2~7.25を目標に、重炭酸ナトリウムを投与すると効果があるとする説があります。

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アルコール性ケトアシドーシスの症状、診断、検査、治療

アルコール性ケトアシドーシスについて解説します。

概要

アルコール性ケトアシドーシス(AKA)とは、長期的なアルコール多飲および食事摂取不足が原因で、高ケトン体血症(ケトーシス)による代謝性アシドーシスを生ずるものです。

アルコール性ケトアシドーシスは、アルコール飲酒者にらみられる酸塩基平衡異常として知られています。

典型的には、アルコール依存に伴う長期的な食事摂取不足による飢餓状態がベースにあるところに、大量飲酒に伴う嘔吐、下痢、水分摂取不足、アルコールによる抗利尿ホルモンの分泌抑制などが原因で起きる脱水などをきっかけに発症します。

大酒家の突然死との関連が報告されています。

アルコール性ケトアシドーシスの原因

典型的なAKAの発症機序を解説します。

TCA回路や糖新生を抑制

エタノールは、肝臓においてアセトアルデヒドを経て酢酸へ酸化され、さらにはアセチル-CoAとなります。

その過程で、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレ オチド(nicotinamide adenine dinucleotide:NAD)が、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(reduced nicotinamide adenine dinucleotide:NADH)に還元されるため、NADH/NAD比が上昇します。

NAD→NADHの反応は tricarboxylic acid(TCA)回路や糖新生など生体内での種々の代謝過程で行われており、 NADH/NAD比の上昇は、TCA回路や糖新生を抑制します。

アセチル-CoAの上昇

アルコール依存による慢性的な摂食不足や、嘔吐・下痢、飲水不足などが原因で脱水に陥ると、循環血液量が低下し、交感神経系の賦活化をもたらすため、インスリン分泌が低下し、抗ストレスホルモンの分泌が亢進します。

また、飢餓が原因で、「肝グリコーゲン貯蔵量の減少」と、上述の「NADH/NAD比の上昇による糖新生の抑制」とが合わさって血糖値が低下すると、より一層、インスリン分泌が低下し、抗ストレスホルモンの分泌が促されることになります。

すると、脂質のβ酸化が促進され、アセチル-CoAが上昇します。

また、アセチル-CoAはエタノール代謝の過程でも生じます。

したがって、アルコールを長期に多飲すると、アセチル-CoAは、過剰となります。

アセチル-CoAがケトン体に代謝される

アセチル-CoAは、通常はTCA回路で消費されます。

しかし、先に述べたように、NADH/NAD比上昇によってTCA回路は抑制されています。

よって、アセチル-CoAはTCA回路での消費を受けずに、アセト酢酸へと代謝されます。

アセト酢酸は、β-ヒドロキシ酪酸とアセトンのいずれにも代謝されることがあり得ますが、NADH/NAD比が高いと、アセト酢酸はβ-ヒドロキシ酪酸に代謝されやすくなります。

そのため、AKAは、β-ヒドロキシ酪酸優位のケトアシドーシスをきたすことになります。

乳酸アシドーシスの合併

なお、NADH/NAD比の上昇は、ピルビン酸から乳酸への代謝を促すため、アルコール性ケトアシドーシスは、乳酸アシドーシスを合併するケースがあります。

症状

悪心・嘔吐・ 腹痛などがあり、意識は清明なことが多いとされています。

身体所見では、頻脈、頻呼吸、腹部の圧痛を認める ことが多いとされます。

なお、膵炎や腸管壊死を合併していることもあるので注意が必要です。

診断・検査

診断基準は存在しないものの、病歴や、著明なAGの開大、β-ヒドロキシ酪酸が優位に上昇することなどから診断されることが多いです。

血中ケトン体の測定は時間がかかるため、β-ヒドロキシ酪酸の迅速診断キットを活用する方法が良いでしょう。

なお、尿試験紙でも迅速に尿中ケトン体を検査できますが、測定対象はアセト酢酸であり、β-ヒドロキシ酪酸を測定できません。

したがって、β一ヒドロキシ酪酸が優位に上昇するケトーシスを示すAKAは、尿試験紙法では、偽陰性を示すことがあり得ますので、注意が必要です。

治療

AKAの治療は、補液や電解質管理などが中心となります。

補液による糖の補充で、インスリン分泌が促され、肝臓でのケトン体の産生が低下します。

また、細胞外液の積極的な補充によって腎臓からのケトン体の排泄が促進されます。

なお、低栄養によりビタミンB1が低下していることが疑われる場合、Wernicke脳症の予防のため、ビタミンB1の投与も併せて行います。

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病気

不妊症の原因になる性病

不妊にはさまざまな原因がありますが、実は、性病が原因となるケースがあります。

代表的なのは、淋菌(リン菌)や、クラミジアへの感染があります。

基本的には、性交渉によって、クラミジアや淋菌が子宮頸部に感染すると、子宮頸管炎になります。

自覚症状としては、帯下が増えたり、軽い下腹部痛になったりします。

しかし、ほとんどは無症状のことが多いです。

無症状でも危険

このような、症状がない(無症候性)の感染を、そのまま放っておくと、どんどん感染が進んでしまいます。

具体的には、感染は上へ上へと進み、子宮内膜、卵管、子宮付属器周囲、骨盤腹膜、肝臓の周囲へと広がっていきます。

妊娠との関係で気をつけなければならないのは、卵管の炎症が持続することで、卵管の機能障害が引き起こされることです。

これは、卵管妊娠や卵管性不妊症の原因となってしまいます。

さらに、クラミジアや淋菌による子宮付属器周囲炎が卵管水腫の原因になります。

また、お腹の中(腹腔内)の感染が重症化したときには、肝臓の周囲が炎症して、慢性的な右上腹部痛をもたらすことがあります。

このように、不妊の原因が淋菌やクラミジアがどうかは、慢性的な下腹部痛や、右上腹部痛が目安になる場合があります。

検査は簡単に行うことができ、感染を疑う部位について培養検査をしたり、遺伝子検査をしたりすることになります。

自宅用の検査キット

ネット上には、自宅で性病の検査ができる検査キットが、いくつも紹介されています。

匿名で(名前を知られずに)、郵送で結果が分かりますので、だれにも知られる心配はありません。

いずれの会社も、クラミジア、淋菌、トリコモナス、梅毒、HIV、ヒトパピローマウイルスなどに幅広く対応しています。

検査の値段を比べて、自分に合うものを選べばよいでしょう。