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医療従事者向け

インスリンと低カリウム血症

インスリンと低カリウム血症について解説します。

なぜ低カリウム血症になるのか

糖尿病の患者で、持続インスリン投与を行っている人は、低カリウム血症になりがちです。

理由は、インスリンに、細胞の外から中へ、カリウムを取り込む作用があるためです。

これは、カリウムシフト(Kシフト)と呼ばれます。

Kシフト

細胞外液中のKの一部は、起電性のNaポンプを介して能動的に細胞内へ移行します。

インスリンは、ブドウ糖とは無関係に骨格筋や肝細胞のNaポンプ活性を刺激し、Kの細胞内への取り込みを促進します。

低カリウム血症の症状とリスク

血清カリウム値の基準範囲は、3.6 〜 4.8mEq/Lです。

血清カリウム値が3.5mEq/L以下になると、脱力・筋力低下・テタニーなどの骨格筋症状、嘔吐・便秘・麻痺性イレウスなどの消化器症状、糖代謝異常、腎肥大、多尿、T波の平低化・U波の出現・PQ間隔の延長などの心電図異常が現れます。

なお、急性心筋梗塞の患者を対象とした研究では、血清カリウム値が「3.5 〜 4.0mEq/L」のときに死亡率が低く、その範囲外では死亡率や心室細動発生率,心停止が高いと報告されています。

低カリウム血症の治療

低カリウム血症では、カリウムの経口補給(野菜,果物, ジュースなど)を第一選択とします。

不十分であれば、経口薬で補充するか、カリウム製剤の輸液を行います。

カリウムの補充中は、定期的に血清カリウム値を確認します。

輸液の場合の補正の目安としては、カリウム製剤を40mmol/L 以下に希釈して 20mmol/h を超えない速度で投与します。

なお、2型糖尿病の場合、ブドウ糖はインスリン分泌を促進し、カリウムの細胞内流入を惹起させ、低K血症を増悪させる可能性がありますので、カリウム溶解液としては、生理食塩液や細胞外液補充液など、ブドウ糖を含まない溶液が望ましいでしょう。

インスリン量を減らす

ちなみに、カリウムを補充する以外の対応策としては、原因となるインスリンの投与量を減らす方法があり得ます。

ただし、インスリン量を減らすことで、血糖値の上昇を招いたり、血清カリウム値の上昇を招いたりする可能性があります。

従って、インスリン量を減らす場合には、血糖値やカリウム値の動きに注意する必要があります。

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介護

高齢者の食事の介護方法

食事の介助について解説します。

横に座って介助する

高齢者の食事の介助をするときは、なるべく二人ともイスに座ってテーブルにつき、横に並んで一緒に食べるのがベストです。

ご飯を同じ目線で見ることができますし、介助者が、お年寄りの利き手側に座れば、自分で食べるときの状態に近づけて食べられます。

また、口に運ぶ食べ物が何か言葉で伝えやすいため、コミュニケーションが取りやすい利点があります。

ゆっくりと時間をかける

老人は食べるのが遅いため、つい、「遅い」「こぼすから」と、スプーンなどを奪い、食事介助してしまうこともあるかと思います。

しかし、これは、本人に惨めな思いをさせるだけで、何のメリットもありません。

自宅で介助するのですから、多少時間がかかっても、可能な限り、見守りましょう。

食事をこぼしてしまう場合は、エプロンを使うのもアリです。

向き合ったり、立ったまま介助するのは良くない

向き合って食べると、どうしても監視されている印象を与えてしまいますので、よくありません。

また、介護者が横に立って食事介助をするのも良くありません。

いつもよりも高い位置から食事が口に運ばれることになりますので、高齢者が顔を上に向けがちです。

そうすると、誤嚥のリスクが高くなってしまいます。

できるだけ、横に座ってあげましょう。

安全な食事介助の方法

食べる能力が足りない高齢者が増えています。

その背景には、加齢に伴う嚥下機能(えんげきのう)の低下だけでなく、持病の悪化や、認知機能の低下、低栄養などがあります。

高齢者が、口から食べられる(経口摂取)状態を、できるだけ長く維持するためには、嚥下機能の低下を最小限にすることが大切です。

ここでは、食べられる状態を長く保つ秘訣を紹介します。

食べることを意識させる

食べるためには、まず「食べる」という意識が必要です。

食物を目で見ることができるよう、覚醒していることが前提になります。

覚醒していないと、舌で食べ物を送り込めず、また、嚥下反射がスムーズに起こりません。

誤嚥や窒息のリスクとなってしまいます。

食事開始時は、まず食事を見せてにおいを嗅いでもらい、食事が始まることを認識してもらうと良いでしょう。

なるべく自力摂取を促し、「手を動かす」という随意運動を続けることによって、覚醒の継続につなげます。

口腔ケア

食前には、感覚を刺激するために、口腔ケアを行うことが効果的です。

食前に口腔ケアすることで、口腔内の細菌を減少させることもできますので、誤嚥した場合にも、大量の細菌が気道に入るのを防ぐことができます。

歯磨きの後には、口をゆすぐか、ガーゼなどを用いて口腔内を拭き取り、清潔な状態にします。

食事環境の整備

認知機能が正常な人には必要ありませんが、認知機能の低下した高齢者は、脳機能障害がありすので、食事環境を調整することが重要です。

たとえば、テーブル周りに気になるような物を置かない、食器や食事用エプロンなどの柄を無地にするなどで集中してもらいます。

また、複数の食器で注意が散るような場合は、 トレー皿に盛りつけるなどの工夫も有効です。

また、ごはんを認識しやすいように、白い食器に白いご飯を盛りつけるようなことはしないようにします。

スプーンの使い方

飲み込む前にどんどんご飯を詰め込んでしまうような場合は、誤嚥や窒息のリスクがあります。

窒息小さいティースプーンなどを使用し、食物が少しずつ口に入るよう にしましょう。

食欲がない高齢者に食欲を取り戻してもらう方法

お年寄りが食欲をなくし、ご飯を食べないと、栄養不足になってしまいます。
すると、体力や気力が落ち、介護者の負担は増えてしまいます。

食欲を取り戻してもらうには、原因を探すことが大切です。

活動量が少ない

日中ベッドで過ごしており活動量が低いと、お腹がすかない原因となります。

この場合、散歩をしたり、デイサービスでレクリエーションに参加したりして、活動量を増やすことが重要です。

食事の間隔が短い

介助の都合で食事の時間の間隔が短いと、食欲がわかない原因となります。

食事の間隔を長めにとり、お腹が空くのを待ってあげるとよいでしょう。

マンネリ化している

家での食事に飽きてしまっていると、食欲がわきません。

この場合、外食に連れだしたり、出前をとったりして気分転換をすることが良いでしょう。

また、仲の良い友人と食卓を囲んで会食するのもおすすめです。

精神が弱っている

お年寄りを観察していて「表情がなくなった」、「目のハリがなくなった」、「ネガティブな発言が増えた」と感じたら、加齢によって、生きる意欲が失われている可能性があります。

このようなケースでは、行きたいところに連れて行ったり、会いたい人に合わせてあげたりするのが良いでしょう。

食事の介助中にむせる時の対応方法

むせる原因によって対応はさまざま

高齢者が食事でむせるとき、刻み食が良い、とろみ食が良いなどと言われます。

しかし、むせる原因によって、食事の工夫の仕方は変わってきますので、その内容を紹介します。

むせる原因は

食事の高齢者が食事でむせる原因は、大きく分けて3つ考えられます。

咀嚼(そしゃく)に問題がある

お年寄りは、歯がなかったり、入れ歯をしていても合っていなかったりします。

また、虫歯や歯周病で、痛くてうまく噛めないこともあります。

これらの理由で、食べ物を噛んで小さくできないと、むせる原因になります。

したがって、咀嚼に問題があると感じたときは、歯科医院に連れて行くことが大切です。

虫歯や歯周病を治してもらったり、入れ歯を調整して噛み合わせをチェックしてもらうまくなどして、なるべくうまく噛めるようにしましょう。

ただし、歯医者へ行っても、十分に噛む力が戻らない場合もあります。

そのときは、なるべく食事を柔らかくすることが大切です。

刻み食にすると、見た目と味が悪くなり、食欲がなくなってしまうからです。

喉の奥に送り込めない

舌の動きが悪い人は、噛み砕いたものを、口の中でまとめることが苦手です。

こういったときは、刻み食にする介護者がいますが、よくありません。

刻むことで口の中でバラバラになりやすくなり、かえって、まとめにくくなってしまいます。

一方、ミキサー食にしてしまう介護者もいますが、味が落ち、その上、サラサラのため気管に入りやすくなり誤嚥しするリスクがあります。

解決策として、一口大にまとめた食べ物や、とろみのある食事が良いでしょう。

ゼラチンや寒天、片栗粉、市販のとろみ剤(増粘剤)などでとろみをつけます。
なお、ドロドロにしすぎないことがポイントです。

喉の奥にきた食べ物を飲み込めない

飲み込んでいるつもりでも、のどが完全に閉じていないと、食べ物が気管に入ってしまい、むせる原因となります。

このようなときも、上記のような、とろみ食にすると良いでしょう。

食事の介助を嫌がるときの食べさせ方

介護の中で食事は毎日あるイベントです。

頑張ってなんとか食べさせようとする介護者は多いと思います。

しかし、介護者の思いとは反対に、お年寄りは食事の介護を嫌がるケースが目立ちます。

原因は

お年寄りが食事の介助を嫌がる理由は、『自分で食べたい』と思っているからです。

不自由なく食べられていた経験があるからこそ、自分に食べられないことに強いストレスを感じるのです。

どうすればよいか

解決策は、介護者はなるべく手を貸さずに、できるだけ自分で食べてもらうようにすることです。

これは、介護のしすぎによる生活機能の衰えを防ぐことにつながります。

自分で食べてもらうためにの食事用の介護グッズが沢山あります。

持ちやすい箸やスプーン、フォークがあり、また、ケンジー(スプーン箸)という食事用品もあります。

また、手が不自由な場合は、手で食べてもらうのも一つの方法です。

ここで、ご飯を綺麗に食べてもらう方が良いのではないかと思うかもしれません。

しかし、実は手づかみで食べるのは、高齢者が自分のタイミングで好きな量を食べられるというメリットがあります。

介護者は、『食べさせる』という考え方から、『自分で食べてもらう』という考え方を意識する必要があります。

高齢者が満足して食べることを重要視すると良いでしょう。

片麻痺や半身麻痺の人の食事の介助

片麻痺や半身麻痺の人の食事の介助をするとき、どうしても食べにくいので、食事をこぼしてしまうことが問題になります。

また、飲み物も飲みにくく、溢れてしまいます。

そのようなときのコツを紹介します。

麻痺していない健側から差し入れる

基本的なコツは、口の麻痺していない健側から食事を差し入れることです。

普通に入れるよりも食べやすさはアップします。

そのためには、食事の介助を、テーブルに横並びに座って介助する必要があります。

麻痺していない半身の側(健側)に座り、ご飯を食べるのを介助しましょう。

もしお年寄りなどで体のバランスが取りにくい場合は、体を支えながら食べさせてあげましょう。

注意点は、飲み物の場合に、アゴを下げてもらうことです。

顔を下向きにすることで、唇で受けやすくなり、飲み物が下にこぼれにくくなります。

なお、どうしても溢れてしまう場合は、ストローを使っても良いでしょう。

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遠隔医療

救急医療相談の窓口一覧

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病院へ行くべきか、救急車を呼ぶべきかなど、困ったときに電話で聞ける窓口がありますので、紹介します。

ここで紹介しているのは、都道府県などによる公的なサービスです。

小児救急電話相談 TEL:#8000

小児科の医師や看護師に無料で相談できます。

厚生労働省が設置しており、全国に対応しています。

#8000にかけると、住んでいる都道府県の小児科の相談窓口に、自動で繋がるようになっています。

成人救急電話相談 TEL:#7119

看護師などが、24時間・365日対応してくれます。

#7119にかけると、住んでいる地域の相談窓口に、自動で繋がるようになっています。

ただし、サービス対応地域が限られていますので、サービスを利用できないこともあります。

対応している地域は、つぎの通りです。

・北海道(札幌市のみ)

・東京都

・神奈川県(横浜市のみ)

・大阪府

・奈良県

・福岡県

#7119が非対応の場合

#7119に対応していない都道府県でも、ウェブサイトや電話による医療機関の案内サービスが設けられていますので、つぎに紹介します。

地域によっては、医療スタッフによる救急医療相談窓口も設けています。

地域ごとの医療機関案内

北海道・東北ブロック
北海道青森岩手山形秋田宮城福島
関東甲信越ブロック
新潟群馬栃木茨城長野埼玉神奈川東京山梨千葉
中部ブロック
富山石川愛知三重福井静岡岐阜
近畿ブロック
和歌山京都大阪兵庫滋賀奈良
中国・四国ブロック
岡山広島山口鳥取島根愛媛高知香川徳島
九州・沖縄ブロック
福岡佐賀大分熊本長崎宮崎鹿児島沖縄

北海道

北海道救急医療・広域災害情報システム

道内の医療機関を検索できます。

医療機関案内サービスの番号は、0120-20-8699です(携帯からは011-221-8699)。救急医療の情報を案内してもらえます。

青森

あおもり医療情報ネットワーク

県内の医療機関を検索できます。

電話案内サービスの番号は、0120-73-3620です。県内の休日夜間当番医を地域ごとに案内してもらえます。

岩手

いわて医療情報ネット

県内の医療機関を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

秋田

あきた医療情報ガイド

県内の医療機関を検索できます。

休日・夜間緊急医案内サービスの番号は、570-0018-99です。休日・夜間緊急医が音声で案内されます。

山形

山形県医療機関情報ネットワーク

県内の医療機関を検索できます。

救急医療相談の番号は、#8500です。看護師が、医療機関への受診や家庭での対処方法についてアドバイスくれます。

宮城

みやぎのお医者さんガイド

県内の医療機関を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

福島

ふくしま医療情報ネット

県内の医療機関を検索できます。

救急医療情報案内サービスの番号は、0120-963-990です。休日夜間の医療機関を案内してもらえます。

神奈川

神奈川県救急医療情報システム

県内の医療機関を検索できます。

川崎市と相模原市には、病院の電話案内サービスがあります。

・川崎市救急医療情報センター 044-222-1919

・相模原市救急医療情報センター 042-756-9000

東京

東京医療機関案内サービスひまわり

都内の医療機関を検索できます。

救急医療機関案内サービスの番号は、03-5272-0303です。診察中の医療機関を案内してもらえます。

埼玉

埼玉県広域災害救急医療情報システム

救急医療相談窓口の番号は、#7000あるいは048-824-4199です。看護師が、家庭での処置や、受診の必要性について相談に応じてくれます。

千葉

ちば救急医療ネット

県内の医療機関を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

栃木

とちぎ医療情報ネット

県内の医療機関を検索できます。

救急医療電話相談の番号は、#7111あるいは028-623-3344です。看護師が、救急車や医療機関の受診の必要性や、家庭での対処方法などについてアドバイスしまてくれます。

茨城

茨城県救急医療情報システム

県内の医療機関を検索できます。

救急医療情報コントロールセンターの番号は、029-241-4199です。近くの医療機関を24時間体制で案内してもらえます。

群馬

群馬県統合型医療情報システム

県内の医療機関を検索できます。

自家用車などで病院へ行く場合、最寄りの消防本部に電話で問い合わせることで、消防職員が救急病院を案内してくれます。→問い合わせ先はこちら

愛知

あいち救急医療ガイド

県内の医療機関を検索できます。

救急医療情報センターに電話すると、最寄りの医療機関を検索し、医療機関の名称・電話番号を知らせてくれます。→問い合わせ先はこちら

岐阜

ぎふ救急ネット

県内の医療機関を検索できます。

救急医療情報センターに電話すると、消防職員が、電話で各地域の救急病院を案内してくれます。→問い合わせ先はこちら

静岡

医療ネットしずおか

県内の医療機関を検索できます。

電話により、休日夜間急患センター、休日夜間歯科診療所、休日夜間当番医の案内を受けることができます。番号は0800-222-1199です。

三重

医療ネットみえ

県内の医療機関を検索できます。

救急医療情報センターに電話すると、「今、診てもらえる医療機関」の案内を受けることができます。→問い合わせ先はこちら

新潟

にいがた医療情報ネット

県内の医療機関を検索できます。

休日や夜間の案内用電話番号は、0120-600722です。休日・夜間当番医や休日・夜間急患診療所の一次救急医療機関の情報を地域ごとに電話で案内してもらえます。

山梨

やまなし医療ネット

県内の医療機関を検索できます。

救急医療情報センター等に電話すると、休日や夜間に診療できる診療所や救急病院などを案内してもらえます。→問い合わせ先はこちら

長野

ながの医療情報Net

県内の医療機関を検索できます。

休日や夜間のための緊急医案内サービスの番号は、0570-088-199です。

石川

石川県災害・救急・周産期医療情報システム

県内の医療機関を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

富山

とやま医療情報ガイド

県内の医療機関を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

福井

医療情報ネットふくい

県内の医療機関を検索できます。

コンピュータによる自動応答サービスの番号は、0120-987-199です。24時間、電話で医療機関の案内を行っています。

兵庫

兵庫県広域災害・救急医療情報システム

県内の医療機関を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

ただし、神戸市では、電話で休日・夜間の救急医療機関案内を受けられます。番号は、078-846-0099です。

京都

京都健康医療よろずネット

府内の医療機関を検索できます。

自動音声により、診療中の医療機関を案内してもらえます。番号は、075-694-5499です。

大阪

大阪府医療機関情報システム

府内の医療機関を検索できます。

上記の#7119にかけると、救急安心センターおおさかにつながります。

滋賀

医療ネット滋賀

県内の病院や薬局を検索できます。

電話で現在診療中の医療機関を案内してもらえます。→問い合わせ先はこちら

奈良

なら医療情報ネット

県内の病院を検索できます。

上記の#7119にかけると、奈良県救急安心センターにつながります。

和歌山

わかやま医療情報ネット

県内の病院を検索できます。

電話での救急案内の番号は073-426-1199です。

岡山

おかやま医療情報ネット

県内の病院や薬局を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

広島

救急医療Net HIROSHIMA

県内の病院や薬局を検索できます。

休日や夜間に診療している病院・診療所の音声案内の番号は、0120-169901です。

鳥取

とっとり医療情報ネット

県内の病院を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

島根

島根県医療機能情報システム

県内の病院や薬局を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

山口

やまぐち医療情報ネット

県内の病院を検索できます。

夜間や休日にその時診療している病院や診療所の電話案内サービスがあります。→問い合わせ先はこちら

香川

医療ネットさぬき

県内の病院や薬局を検索できます。

一般向け救急電話相談の番号は、087-812-1055です。

看護師が相談に応じ、必要に応じて常時待機している医師がサポートしてくれます(午後7時から翌朝8時)。

愛媛

えひめ医療情報ネット

県内の病院や薬局を検索できます。

音声案内の番号は、0120-962-119です。

徳島

医療とくしま

県内の病院を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

高知

こうち医療ネット

県内の病院や薬局を検索できます。

救急医療情報センターの番号は、088-825-1299です。電話で診療中の医療機関の紹介をしてもらえます。

福岡

ふくおか医療情報ネット

県内の病院を検索できます。

上記の#7119にかけると、救急安心医療情報センターにつながります。

佐賀

99さがネット

県内の病院を検索できます。

精神科については、救急電話があり、番号は0952-20-0212です。

長崎

長崎救急医療情報システム

県内の病院や薬局を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

大分

おおいた医療情報ほっとネット

県内の病院や薬局を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

熊本

くまもと医療ナビ

県内の病院を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

宮崎

みやざき医療ナビ

県内の病院や薬局を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

鹿児島

かごしま医療情報ネット

県内の病院や薬局を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

沖縄

うちなぁ医療ネット

県内の病院や薬局を検索できます。

救急医療についての電話サービスはありません。

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医療従事者向け

敗血症と敗血症性ショック

敗血症や敗血症性ショックについて解説します。

敗血症の定義

敗血症の定義は、「感染症に対する制御不能な宿主反応によって引き起こされた生命を脅かすような臓器障害」です。

敗血症の診断基準

敗血症の診断基準は、次の通りです。

ICU患者

感染症が疑われ、SOFA scoreが2点以上増加するもの

非ICU患者

quick SOFA scoreで2点以上のもの

quick SOFA scoreは、呼吸数 22回/min上(1点)、精神状態の変化(1点)、収縮期血圧100mmHg以下(1点)を指標とします。

敗血症性ショックの定義

敗血症性ショックの定義は「適切な輸液負荷にもかかわらず、平均動脈血圧65mmHg以上を維持するために循環作動薬が必要で、血清乳酸値が 2mmol/L(18mg/dL)より高いもの」です。

敗血症の進行

敗血症は、原発巣を制御しないと、重傷敗血症、敗血症性ショック、多臓器機能不全症候群(MODS)へと連続的に変化します。

菌血症との違い

菌血症は、血液中に生きた菌がいることを意味します。

菌血症が敗血症と同義に用いられることがありますが、厳密には、意味が異なります。

すなわち、敗血症は感染症に起因しますが、血中に菌が検出されない場合も含まれ、この点が菌血症とは異なります。

培養検査

適切な治療のためには、血液培養と、原発巣の培養を行います。

血液培養は、2セット採取が望まれます。

血液からの分離菌と、原発巣からの分離菌が一致すれば、起炎菌と考えてよいでしょう。

なお、原疾患として頻度が高いのは肺炎、腹腔内感染症、泌尿・生殖器、皮膚・ 軟部組織感染症です。

治療

基礎疾患、原発巣、腎機能、肝機能、先行抗菌薬の有無と種類などを考慮して、抗菌薬を最大許容量で投与します。

参考

なお、2016年以前は、敗血症は感染症に起因するSIRSと定義されていました。

SIRSとは、全身性炎症反応症候群のことで、下記の診断項目(全身性炎症反応の指標)を2項目以上満たす場合を言います

〔成人〕
【1】体温>38℃または<36℃
【2】脈拍数>90/分
【3】呼吸数>20回/分またはPaCO2<32Torr
【4】白血球数>12,000/mm3または<4,000/mm3,あるいは未熟型白血球>10%

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検査

β-D-グルカンについて

β-D-グルカンの定義

β-D-グルカンは、真菌であるカンジダ属やアスペルギルス属などの細胞壁骨格を構成する主要な成分です。

正式には「(1→3)一β一D一グルカン」と表記します。

β-D-グルカンの解説

β-D-グルカンは、真菌の出芽のとき、または糸状菌菌糸の先端発育のとき、内因性グルカナーゼの作用によって、細胞外へ遊離されます。

侵襲性または播種性真菌症のマーカーとして利用することが可能です。

測定法としては、現在のところ、カブトガニ凝固系を利用したものとして、比色法と比濁法の2種類の方法があります。

なお、血清以外でも髄液や腹水中のβ一D一グルカン値を測定する有用性も報告されています。

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検査

エンドトキシンについて

エンドトキシンの定義

エンドトキシンとは、グラム陰性菌の菌体にある耐熱性の毒素です。
“endo”は「内」を意味する接頭辞、“toxin”は「毒」「毒素」を 意味する英語です。

エンドトキシンの解説

毒素であるエンドトキシンは、リポ多糖体です。

エンドトキシンには、発熱作用、ショックの惹起、マクロファージの活性化、補体の副経路の活性化、DICの誘導、アジュバント効果、マイトジェン効果、サイトカイン産生誘導など、さまざまな影響をもたらします。

基準値は、およそ5pg/ml~10pg/ml以下です。

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Column

ラパマイシンに老化防止作用あり

化学物質ラパマイシンに注目が集まっている。

ラパマイシンと呼ばれる化学物質は、抗がん剤や免疫抑制剤として知られています。

ところが、近年の研究によると、さまざまな種の動物の寿命を延長させる効果があることがわかってきています。

近年の研究では、ラパマイシンを投与した場合に、酵母、線虫、ショウジョウバエ、マウスにおいて、明らかな延命効果が見られています。

たとえば、2009年には、ラパマイシン腸溶性製剤を投与した高齢期のマウスは、最大寿命が有意に延長したとの報告がされています。

また、その後の2011年には、同様の実験を中年期のマウスに対して行っても、最大寿命が有意に延長したと報告されています。

しかし、まだ、ラパマイシンの適切な摂取の量や頻度については明らかになっておらず、研究が進められています。

同時に研究されているのは、ラパマイシンと寿命の延長に関するメカニズムです。

現在のところ、ラパマイシンは、mTOR(mammalian targel of rapamycil1:哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)の働きを阻害していると言われています。

mTORは、細胞内でさまざまなシグナルが交差する位置にあるリン酸化酵素で、細胞膜受容体からの増殖因子 の刺激や栄養状態、ストレスを感知し、細胞の生存にかかわる種々のタンパク合成を調節しています。

このmTORは、mTORC 1およびmTORC2という機能が異なる2つのタンパク質複合体の触媒サブユニットです。

このうち、mTORC1は、栄養や成長シグナルに関わっているが、ラパマイシンは、mTORC1の働きを阻害していると言われています。

なぜmTOR1を阻害すると寿命が延びるのか、現在研究が進められています。

なお、寿命を延ばす薬としてヒトに投与できるかどうかは、未だ明らかとなってはいません。

ラパマイシンは、口内炎などの副作用を生じさせるとの報告があり、今後の研究が待たれるところです。

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Column

たんぱく質の制限で寿命が延長する

たんぱく質を制限することで、寿命がのびる可能性が指摘されている。

近年の研究により、たんぱく質を控えることが、寿命の延伸に効果があるとの知見が明らかになりつつあります。

マウスによる実験報告では、8週間の低タンパク質の食事を与えたところ、インスリン値や中性脂肪値を改善したとの報告があります。

また、昆虫による実験報告でも、特定のアミノ酸を制限すると、寿命の延長効果が見られたとの報告があります。

なぜ、たんぱく質の摂取を控えると寿命が延びたのかメカニズムは明らかではありません。

原因については諸説あります。

一説では、たんぱく質の摂取を控えることで、血中の分岐鎖アミノ酸(BCAA)が低下し、これが寿命の延長に寄与しているのではないかと言われています。

また、別の説では、蛋白合成促進やオートファジーに関連するmTORの活性化が、低タンパク質により抑制されているとも言われています。

現在のところは、たんぱく質の摂取制限は、健康維持の観点から薦められていないが、たんぱく質と寿命の延伸との関係についてさらなる研究が進むことで、寿命を伸ばせる食事が判明する日がくるかもしれません。

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Column

時計遺伝子が寿命を左右する!?

生体の日内リズムと時計遺伝子


ヒトの血圧・心拍・体温・ホルモン分泌・睡眠などには、1日の中にリズムがあります。

この生体の日内リズムは、主に、脳の「視交叉上核」と呼ばれるペースメーカーによって制御されています。

一方で、近年の研究により、日内リズムは、実は、組織レベルや細胞レベルでも制御されていることが指摘されています。

その因子として注目されているのが、時計遺伝子です(ヒトの時計遺伝子としてはPERやCRYなどが知られています)。

ちなみに、マウスを使った動物実験では、血管細胞の時計遺伝子の発現機能を失ったマウスは、血圧や心拍数の日内変動リズムが消失したとの報告があります。

細胞の老化と時計遺伝子

近年の研究は、細胞の老化により、時計遺伝子の発現の日内リズムが障害される可能性を指摘しています。

時計遺伝子の発現リズムの狂いは、生体の日内リズムにも影響を及ぼし、結果として、さまざまな疾患の発症につながります。

老化にともなって循環器系疾患が増えていくのは、日内変動リズムの乱れが影響している可能性があります。

今後の研究により、いったん障害された時計遺伝子の機能を、回復させるような薬剤による治療方法が生まれるかもしれません。

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Column

プロバイオティクス;腸内環境・腸内フローラが寿命を決める

腸内細菌叢をターゲットにした老化防止法に注目が集まっている。

ヒトの腸には多種多様な腸内細菌がおり、種類は 1,000 種類以上と言われています。

腸内では、腸内の多様な細菌が常在し、複雑なバランスを形成しています。

腸内細菌は、種類ごとにまとまって生息していることから、その様子は、「お花畑」にたとえて“腸内フローラ(腸内細菌叢)”と呼ばれています。

腸内フローラについては、近年の DNA 解析技術の進歩によって。その詳細が解明され始めてきています。

一方で、現在問題となっている大腸の疾病の多くは、腸内フローラの乱れが影響していると言われています。

たとえば、日本人では大腸ガンが増えてきているが、原因は、食生活の欧米化と言われています。

高脂肪・高蛋白・低食物繊維食ばかり摂取することで、腸内環境が悪化していきます。

現在では、欧米風の食生活によって腸内細菌のバランスが崩れると、 悪玉菌が増加します。

この悪化した状態が続くと、大腸のさまざまな機能が低下し、腸の内容物の腐敗によってつくられた有害物質の吸収が増え、腸の老化を加速させると言われています。

この腸内フローラの改善および腸の老化への対抗策として、現在、注目されているのが「プロバイオティクス」です。

プロバイオティクスは、1989年にイリヤ・メチニコフ博士が唱えた「ヨーグルト不老長寿説」が始まりとされます。

プロバイオティクスとは、腸内フローラのバランスを改善し、カラダによい作用をもたらす生きた微生物のことです。

ちなみに、WHOではプロバイオティクスは「適正な量を摂取したときに宿主の健康に有益な作用をもたらす生きた微生物」と定義されています(WHO, FAO(Food and Agriculture Organization of United Na- tions), 2001)。

ただし、プロバイオティクスが有益となるメカニズムについては、病原菌の腸管上皮細胞への接着阻害、免疫細胞の活性化、上皮細胞の抵抗性の増加などさまざまな報告がありますが、その詳しいメカニズムは未だ明らかとなってはいません。

このようにヒトに良い影響を与えるプロバイオティクスですが、近年では、プロバイオティクスにより寿命を延長させる可能性を検証した研究が報告されています。

そのひとつに、特殊なビフィズス菌を投与したマウスでの実験結果があります(協同乳業株式会社研究所による)。

●2011年(PDFはこちら).

●2014年(PDFはこちら).

この特殊なビフィズス菌とは、アンチエイジング関連物質として知られているポリアミン(プトレッシン、スペルミジン、スペルミンなどの総称)を産生する菌だそうです。

▼詳しくはこちら

プロバイオティクス ビフィズス菌LKM512って? / 協同乳業

この特殊なビフィズス菌を投与したマウスは、平均寿命が本来は2年のところ、約6ヶ月の寿命の延びが見られたそうです。

これは、ヒトに換算すると約20年の寿命の延びに相当します。

その後のマウスによる実験でも、腸内でのポリアミン濃度の上昇が、寿命を伸長させることが明らかとなっています。

今後、研究が発展すれば、ヒトの寿命を延長させるプロバイオティクスが発明される可能性があります。

若い時からプロバイオティクスを摂取しつづけることで寿命が簡単に延びる時代がやってくるのかもしれません。

あくまでも可能性ですが。