薬物の作用には、「正作用」と「副作用」とがあります。
正作用
正作用とは、疾患の治療や予防の目的で常用量投与したときに現れる薬理作用であって、薬物の投与目的に合った作用のことをいいます。
副作用
これに対し、副作用とは、正作用以外の不必要な作用のすべてをいいます。
有害作用
薬物の「有害作用」とは、薬物の副作用のうち、有害で意図しない作用をいいます。
中毒作用
中毒作用とは、有害作用のうち、特に、薬物の過剰投与による作用をいいます。
薬物の作用には、「正作用」と「副作用」とがあります。
正作用とは、疾患の治療や予防の目的で常用量投与したときに現れる薬理作用であって、薬物の投与目的に合った作用のことをいいます。
これに対し、副作用とは、正作用以外の不必要な作用のすべてをいいます。
薬物の「有害作用」とは、薬物の副作用のうち、有害で意図しない作用をいいます。
中毒作用とは、有害作用のうち、特に、薬物の過剰投与による作用をいいます。
副甲状腺は、甲状腺の背面に埋め込まれた小さな丸い組織塊です。
1個の上副甲状腺と、1個の下副甲状腺とが、甲状腺の右葉と左葉についています。
副甲状腺の分泌細胞は、副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌します。
PTHは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、リン酸イオンを調節しています。
PTHは、破骨細胞の数と活性を高め、カルシウムイオンとリン酸イオンの血中濃度を上げます。
また、PTHは、腎臓に作用し、下記の①~③の作用を及ぼします。
①CaイオンとMgイオンが尿に失われる速さを遅らせ、リン酸イオンが尿中へ排出される速さを上げる
②近位尿細管でのリン酸イオンの排出を促す(血液から尿中へ失われるリン酸イオンを増加させる)
③ビタミンDの活性型(カルシトリオール)の形成を促進させる
抗がん薬を投与すると、投与後24時間以内に下痢が発生したり、 投与後2〜 10日ほどで発生したりします。
1日に4〜6回以上、激しい下痢や血液の混じった便が出ます。
下痢は脱水、電解質異常などをきたす可能性があり、重症化すると腎不全、循環不全、敗血症などに至る可能性もあります。
発症早期より適切に対処,コントロールすることが重要です。
抗がん薬で下痢になるのは、つぎのようなパターンがあります。
・抗がん剤により消化管の交感神経が刺激を受け、腸の蠕動運動が亢進して起こる下痢
・抗がん剤やその代謝物が腸管の粘膜を障害して起こる下痢
・細菌やウイルス感染による下痢
下痢に対して、整腸薬や止痢薬などを服用します。
また、抗がん剤を減量したり休止したりします。
発熱を伴うものは感染性腸炎を考慮し、抗生剤の内服もします。
また、腹部を保温し、安静にして休みます。
食事については、腸粘膜への刺激や負担を軽減することが重要です。
消化が良く、栄養価の高い食品を、少量ずつ、回数を多く摂取します。
また、新鮮な食品を使って調理し、低脂肪・高たんぱくな食事とします。
食べるときはしっかりとよく噛んで食べることが大事です。
そして、水分を補うため、常温か人肌程度の温度のお茶やイオン飲料を積極的に飲むようにします。
さらに、体にとって、ナトリウム・カリウムは重要な電解質ですから、ナトリウムやカリウムが不足しないように、塩分と糖分などを含んだ水分(汁物や市販のスポーツ飲料)を摂ると良いでしょう。
なお、味付けの濃い食品や、刺激の強い食品、アルコールは、なるべく避けるようにします。
また、発酵しやすい食品にも注意が必要です。生野菜やごぼう・れんこん・さつまいも・豆類などは、腸内で発酵してガスになるので、食べ過ぎに注意しましょう。
血球回転とは、血球が新生されてから、寿命がきてから崩壊するまでの間の過程が繰り返される現象の定量的処理のことをいいます。
・産生率 : 2.5×109 (細胞数/kg/日)
・循環血球数 : 3.07×1011 (細胞数/kg)
・血管内寿命 : 120 (日)
・産生率 : 2.5×109 (細胞数/kg/日)
・循環血球数 : 2.5×1010 (細胞数/kg)
・血管内寿命 : 9.5 (日)
・産生率 : 0.85×109 (細胞数/kg/日)
・循環血球数 : 0.4×109 (細胞数/kg)
・血管内寿命 : 0.3 (日)
経口血糖降下薬を使用しても血糖コントロールが不十分になる糖尿病患者さんには、インスリン療法が行われます。
現在、糖尿病患者さんのインスリン分泌パターンや生活スタイルに合わせ、たくさんの種類のインスリン自己注射があります。
ここでは、インスリン製剤と、インスリン療法の実際について紹介します。
インスリン自己注射には、さまざまな種類があります。
プレフィルド/キット製剤は、中に詰められているインスリン製剤がなくなったらそのまま廃棄します。
通常、成人では、1回に2〜20単位を毎食直前に皮下注射します。
カートリッジ製剤は、 外側のペンは再利用して、自分でカートリッジのみを交換します。
なお、カートリッジ製剤のほうが、プレフィルド/キット製剤より価格が安めに設定されていますが、外側のペンの故障に備えて、予備のプレフィルド/キット製剤を常備しておくと安心です。
通常、成人では、1回に2〜20単位を毎食直前に皮下注射します。
1 本に 450 単位が入っている持効型溶解インスリン製剤です。
通常、成人では、初期は1日1回4~20単位を皮下注射します。
持効型溶解インスリン製剤と超速効型インスリン製剤が配合されています。
通常、成人では、初期は1回4~20単位を1日1~2回皮下注射します。
未開封のインスリン製剤は、冷蔵庫で保存しておきます。
冷蔵庫から取り出したら、はじめに、インスリン製剤を空打ちして、インスリン製剤が確実に針先から出るのを確認します。
そして、腹部や上腕などに針先を刺します。
刺す場所は、前回注射したところから数cm離れたところを選びます。
その後、5〜10秒程度かけて皮下へ注射します。
インスリン製剤の目盛りがゼロになったことを確認して、さらに10 秒ほど待ってから、注入ボタンを押したまま針を抜きます。
ラパマイシンと呼ばれる化学物質は、抗がん剤や免疫抑制剤として知られています。
ところが、近年の研究によると、さまざまな種の動物の寿命を延長させる効果があることがわかってきています。
近年の研究では、ラパマイシンを投与した場合に、酵母、線虫、ショウジョウバエ、マウスにおいて、明らかな延命効果が見られています。
たとえば、2009年には、ラパマイシン腸溶性製剤を投与した高齢期のマウスは、最大寿命が有意に延長したとの報告がされています。
また、その後の2011年には、同様の実験を中年期のマウスに対して行っても、最大寿命が有意に延長したと報告されています。
しかし、まだ、ラパマイシンの適切な摂取の量や頻度については明らかになっておらず、研究が進められています。
同時に研究されているのは、ラパマイシンと寿命の延長に関するメカニズムです。
現在のところ、ラパマイシンは、mTOR(mammalian targel of rapamycil1:哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)の働きを阻害していると言われています。
mTORは、細胞内でさまざまなシグナルが交差する位置にあるリン酸化酵素で、細胞膜受容体からの増殖因子 の刺激や栄養状態、ストレスを感知し、細胞の生存にかかわる種々のタンパク合成を調節しています。
このmTORは、mTORC 1およびmTORC2という機能が異なる2つのタンパク質複合体の触媒サブユニットです。
このうち、mTORC1は、栄養や成長シグナルに関わっているが、ラパマイシンは、mTORC1の働きを阻害していると言われています。
なぜmTOR1を阻害すると寿命が延びるのか、現在研究が進められています。
なお、寿命を延ばす薬としてヒトに投与できるかどうかは、未だ明らかとなってはいません。
ラパマイシンは、口内炎などの副作用を生じさせるとの報告があり、今後の研究が待たれるところです。
近年の研究により、たんぱく質を控えることが、寿命の延伸に効果があるとの知見が明らかになりつつあります。
マウスによる実験報告では、8週間の低タンパク質の食事を与えたところ、インスリン値や中性脂肪値を改善したとの報告があります。
また、昆虫による実験報告でも、特定のアミノ酸を制限すると、寿命の延長効果が見られたとの報告があります。
なぜ、たんぱく質の摂取を控えると寿命が延びたのかメカニズムは明らかではありません。
原因については諸説あります。
一説では、たんぱく質の摂取を控えることで、血中の分岐鎖アミノ酸(BCAA)が低下し、これが寿命の延長に寄与しているのではないかと言われています。
また、別の説では、蛋白合成促進やオートファジーに関連するmTORの活性化が、低タンパク質により抑制されているとも言われています。
現在のところは、たんぱく質の摂取制限は、健康維持の観点から薦められていないが、たんぱく質と寿命の延伸との関係についてさらなる研究が進むことで、寿命を伸ばせる食事が判明する日がくるかもしれません。
ヒトの血圧・心拍・体温・ホルモン分泌・睡眠などには、1日の中にリズムがあります。
この生体の日内リズムは、主に、脳の「視交叉上核」と呼ばれるペースメーカーによって制御されています。
一方で、近年の研究により、日内リズムは、実は、組織レベルや細胞レベルでも制御されていることが指摘されています。
その因子として注目されているのが、時計遺伝子です(ヒトの時計遺伝子としてはPERやCRYなどが知られています)。
ちなみに、マウスを使った動物実験では、血管細胞の時計遺伝子の発現機能を失ったマウスは、血圧や心拍数の日内変動リズムが消失したとの報告があります。
近年の研究は、細胞の老化により、時計遺伝子の発現の日内リズムが障害される可能性を指摘しています。
時計遺伝子の発現リズムの狂いは、生体の日内リズムにも影響を及ぼし、結果として、さまざまな疾患の発症につながります。
老化にともなって循環器系疾患が増えていくのは、日内変動リズムの乱れが影響している可能性があります。
今後の研究により、いったん障害された時計遺伝子の機能を、回復させるような薬剤による治療方法が生まれるかもしれません。
ヒトの腸には多種多様な腸内細菌がおり、種類は 1,000 種類以上と言われています。
腸内では、腸内の多様な細菌が常在し、複雑なバランスを形成しています。
腸内細菌は、種類ごとにまとまって生息していることから、その様子は、「お花畑」にたとえて“腸内フローラ(腸内細菌叢)”と呼ばれています。
腸内フローラについては、近年の DNA 解析技術の進歩によって。その詳細が解明され始めてきています。
一方で、現在問題となっている大腸の疾病の多くは、腸内フローラの乱れが影響していると言われています。
たとえば、日本人では大腸ガンが増えてきているが、原因は、食生活の欧米化と言われています。
高脂肪・高蛋白・低食物繊維食ばかり摂取することで、腸内環境が悪化していきます。
現在では、欧米風の食生活によって腸内細菌のバランスが崩れると、 悪玉菌が増加します。
この悪化した状態が続くと、大腸のさまざまな機能が低下し、腸の内容物の腐敗によってつくられた有害物質の吸収が増え、腸の老化を加速させると言われています。
この腸内フローラの改善および腸の老化への対抗策として、現在、注目されているのが「プロバイオティクス」です。
プロバイオティクスは、1989年にイリヤ・メチニコフ博士が唱えた「ヨーグルト不老長寿説」が始まりとされます。
プロバイオティクスとは、腸内フローラのバランスを改善し、カラダによい作用をもたらす生きた微生物のことです。
ちなみに、WHOではプロバイオティクスは「適正な量を摂取したときに宿主の健康に有益な作用をもたらす生きた微生物」と定義されています(WHO, FAO(Food and Agriculture Organization of United Na- tions), 2001)。
ただし、プロバイオティクスが有益となるメカニズムについては、病原菌の腸管上皮細胞への接着阻害、免疫細胞の活性化、上皮細胞の抵抗性の増加などさまざまな報告がありますが、その詳しいメカニズムは未だ明らかとなってはいません。
このようにヒトに良い影響を与えるプロバイオティクスですが、近年では、プロバイオティクスにより寿命を延長させる可能性を検証した研究が報告されています。
そのひとつに、特殊なビフィズス菌を投与したマウスでの実験結果があります(協同乳業株式会社研究所による)。
●2011年(PDFはこちら).
●2014年(PDFはこちら).
この特殊なビフィズス菌とは、アンチエイジング関連物質として知られているポリアミン(プトレッシン、スペルミジン、スペルミンなどの総称)を産生する菌だそうです。
▼詳しくはこちら
プロバイオティクス ビフィズス菌LKM512って? / 協同乳業
この特殊なビフィズス菌を投与したマウスは、平均寿命が本来は2年のところ、約6ヶ月の寿命の延びが見られたそうです。
これは、ヒトに換算すると約20年の寿命の延びに相当します。
その後のマウスによる実験でも、腸内でのポリアミン濃度の上昇が、寿命を伸長させることが明らかとなっています。
今後、研究が発展すれば、ヒトの寿命を延長させるプロバイオティクスが発明される可能性があります。
若い時からプロバイオティクスを摂取しつづけることで寿命が簡単に延びる時代がやってくるのかもしれません。
あくまでも可能性ですが。
日本の国土の約3分の2は森林で、森林率は先進国の中でもフィンランド、スウェーデンに次いで第3 位です。
日本の豊富な森林は、山登りといった運動の機会や、風景を通じて精神的なリラックスをもたらしてくれます。
近年では「森林セラピー」「森林療法」という言葉が生まれるほど森林浴が勧められています。
森林療法については数多くの研究がなされています。
都市環境と比べて、森林的環境は活気を高め、緊張や不安、抑うつ、落ち込み、怒り、敵意、疲労などの感情を低下させることが明らかになっています。
そして、山登りは、このような精神的な面での効果以外にも、アンチエイジングの役に立つとも言われています。
その重要な鍵を握るのが、「成長ホルモン」です。
成長ホルモンは、体に老化と密接に関係しているホルモンの1つであり、成長ホルモンは、通称「若返りホルモン」と呼ばれています。
成長ホルモンは、新陳代謝をコ ントロールする作用や、疲労を回復させ、肉体を再生するなどの役割があります。
しかし、この成長ホルモンは、加齢とともに減少していくことが知られています。
成長ホルモンが不足すると、肌の老化や、骨量の減少などが引き起こされ、老化を促進すると言われています。
その成長ホルモンを増加させる方法として、適度な有酸素運動が有効と報告されています。
たとえば、適度な有酸素運動は、免疫力と抗酸化能力を高め、筋年齢の老化予防に効果があることが証明されています。
さらに、加齢に伴う生理機能の低下を遅らせたり、代謝性疾患の発症を抑制したりすることも証明されています。
現代では、有酸素運動する方法としては、ウォーキングが簡単で、ウォーキングでも成長ホルモンの分泌を高めることはできます。
しかし、リラックス効果が得られる点を考えると、山登りがオススメです。